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小さな会社が大きく勝つ!受注率アップの裏技大全

SPECIAL

銀行活用で新規開拓コンサルタント

株式会社結コンサルティング

代表取締役 

銀行活用で新規開拓の仕組みづくりを行うスペシャリスト。31年間の銀行員経験で、法人4,000社以上を担当、審査部担当者としての企業審査は1,000社超の実績を誇る金融のプロフェショナル。
売上が倍増した雑貨メーカー、バックメーカー、新事業を立ち上げた化粧品メーカー、更には海外進出に成功した事例など、累計で100社以上の会社を成功に導いた実績を持つ。

小さな会社が大きく勝つ!受注率アップの裏技大全

「最近、受注率が思うように上がらなくて困っています。」先日の弊社セミナーで、ある製造業の経営者からこんなお話を伺いました。「提案書を出しても断られることが増え、何が問題なのかよく分からないんです。値引きすれば契約は取れるものの、利益がほとんど残らなくて…どうしたら受注率を上げつつ、しっかり利益を出せるようになるんでしょうか?」

このような悩みを抱える経営者は少なくありません。特に中小企業では、価格競争に巻き込まれたり、競合他社との差別化がうまくできずに、せっかくの商談を逃してしまうケースが多いのです。

受注率を上げるためには、単に「売る」ことだけを目的とするのではなく、顧客が「この会社だからお願いしたい」と思えるような信頼関係を築き、価値を提供することが重要です。そして、それを実現するための具体的な工夫や仕組みづくりが必要です。

本コラムでは、受注率を上げるためのポイントを分かりやすく解説します。価格に頼らず、顧客に選ばれる会社になるためのヒントを見つけていただければ幸いです。

はじめに

受注率を上げることは、中小企業の経営において大きな課題の一つです。商談の場では「提案書を出しても断られる」「値引きして契約を取っても利益が残らない」といった悩みを抱える経営者も少なくありません。このような状況では、どれだけ営業活動を頑張っても、会社の成長や安定を実現するのは難しいでしょう。

受注率向上のポイントは、単に価格を下げるのではなく、顧客に「この会社だからお願いしたい」と思ってもらうことにあります。特に中小企業では、信頼関係の構築や付加価値の提供といった“価格以外の要素”が競争力を高めるポイントになります。また、属人的な営業から脱却し、プロセスを標準化して仕組み化することも重要です。これにより、誰が営業を担当しても一定の成果を上げられる体制を作ることができます。

本コラムでは、受注率を上げるために必要な考え方や具体的な方法を解説します。顧客ニーズの深掘り、提案型アプローチ、営業の仕組み化といった要素を実践することで、価格競争から脱却し、利益を確保しながら安定的に受注を獲得するためのヒントを提供します。経営者のあなたが抱える悩みを解決し、次の一手を見つけるためのきっかけになれば幸いです。

1. 顧客を深く知る:ターゲット分析の極意

顧客を深く知ることは、受注率を向上させるための最重要ステップです。多くの中小企業は、顧客のニーズを感覚的に捉えがちですが、競争が激しい市場で勝ち抜くには、データに基づくターゲット分析が不可欠です。顧客が何を求めているのかを的確に理解することで、効果的な提案やサービス提供が可能になります。

1.1. ニーズを見極めるリサーチ方法

顧客のニーズを正確に把握することは、受注率を向上させるための基本です。しかし、多くの中小企業では、顧客が「本当に求めているもの」を感覚や思い込みで捉えているケースが少なくありません。これを回避するためには、データに基づいた正確なリサーチが必要です。

<リサーチ手法の具体例>

①アンケート調査
 顧客から直接的にフィードバックを得る方法です。「どのような課題を抱えていますか?」や「弊社に期待することは何ですか?」といった質問をすることで、顧客の具体的なニーズを把握できます。
 ポイント:質問内容は簡潔で具体的に。長すぎるアンケートは回答率が低くなるため、5~10項目に絞ると効果的です。

②顧客インタビュー
 顧客との対面またはオンラインインタビューを通じて、より深い情報を引き出す方法です。この手法は顧客の心理的背景や感情にまで踏み込むことができます。

③購買データやアクセス解析
 過去の購買履歴や、ウェブサイトのアクセスデータを分析することで、顧客の行動パターンを把握します。
 :ある商品の購入者が他にどのような商品を購入しているかを分析することで、新たな提案のヒントが得られます。

ペルソナ設定は、これらのリサーチデータを基にした具体的な顧客像を作る手法です。
「40代男性、都心在住、子供2人、アウトドアが趣味」といった詳細なペルソナを作成することで、ターゲット顧客へのアプローチが明確化します。

1.2. 心理に響く提案のためのヒアリング力

リサーチで得た情報を活用するためには、顧客とのヒアリングでより具体的なニーズを引き出すことが重要です。
ヒアリング力は、「聞く力」と「引き出す力」の2つのスキルで構成されています。

<顧客心理を引き出す3つのステップ>

①オープンクエスチョンを活用する
 「〇〇についてどのような問題を感じていますか?」など、顧客が自由に意見を述べられる質問を投げかけます。

 NG例:「価格は安い方が良いですよね?」(クローズドクエスチョン)
 OK例:「価格以外で特に気にされている点はありますか?」

②共感を示すリアクション
 顧客が話している最中に、頷いたり、「それは大変ですね」と共感を示すことで、会話が深まります。共感は信頼関係を築くうえで欠かせません。

③課題を明確化するためのサマリー
 ヒアリングの終盤に、「お話を伺ったところ、〇〇が課題であると感じました」と顧客の話を要約し、認識を確認します。これにより、顧客は「自分の話を真剣に聞いてくれた」と感じ、信頼感が高まります。

ヒアリング中の最大の禁忌は、顧客の意見を否定することです。
たとえ顧客の意見が現実的でなくても、「なるほど、そういう考えもありますね」と受け入れる姿勢を見せることで、信頼感を損なわずに会話を続けられます。

1.3. 差別化を明確にするターゲティング戦略

ターゲット顧客を明確化することは、競争が激しい市場での差別化を図るための基本です。特に中小企業では、資金やリソースの限界があるため、「すべての顧客」に対応しようとするのではなく、特定のターゲット層に絞った戦略が効果的です。

<ターゲティング戦略を成功させる3つのステップ>

①競合分析の徹底
 強みと弱みのリスト化:競合他社の商品・サービスを徹底的に分析し、自社が優位に立てるポイントを探します。
 :「競合は価格競争に注力しているが、アフターサポートが弱い」→自社のサポート体制を強化して差別化する。

②特化型サービスの開発
 特定の顧客層に向けて、ニッチなサービスを展開します。例えば、建設業界向けの会計ソフトなど、業界特化型の商品開発は、顧客に「これが欲しかった」と思わせる効果があります。

③顧客への差別化ポイントの伝え方
 自社が提供する価値をわかりやすく顧客に伝えることが重要です。比較表や実績データを活用して、「他社ではなく自社を選ぶべき理由」を明確に伝えます。

中小企業が成功する鍵は、大企業と同じ土俵で競争しないことです。
たとえば、大量生産が得意な大手企業に対して、中小企業ならではの「細やかな対応力」や「スピード感」をアピールすることで差別化が可能です。

 顧客を深く理解することは、受注率向上の最も重要なステップです。
 ・リサーチを通じて顧客の本音を明らかにする
 ・ヒアリングで信頼関係を築き、課題を引き出す
 ・競合と差別化するターゲティング戦略を確立する

これらを徹底的に実践することで、顧客にとって「選ばれる会社」になることができます。小さな会社でも大きな成果を出すために、まずは自社の強みを活かし、顧客の心を掴む行動を起こしましょう。

2. 断られない営業術:提案型アプローチで信頼を勝ち取る

営業活動において「断られる」を防ぐためには、押し売り型の営業ではなく、顧客の課題を解決する“提案型”アプローチが有効です。この手法では、単に商品を売るのではなく、顧客が抱える問題を深く理解し、その解決策を提示することで信頼を得ることを目的とします。

2.1. 「相談役」としての立ち位置を確立

営業活動において「押し売り」は顧客の信頼を失う最大の要因です。顧客は、自分たちの問題を解決してくれる“相談役”を求めています。この立ち位置を確立するためには、単に商品の良さをアピールするだけでなく、顧客の課題を深く理解し、それに応じた解決策を提案することが重要です。

<相談役としての立場を確立する3つのポイント>

①顧客の課題を共感的に理解する
 顧客が直面している問題に対し、「それは大変ですね」「多くの企業が同じ課題を抱えています」と共感を示すことで、心の壁を下げます。顧客は「この人なら分かってくれる」と感じ、信頼を寄せやすくなります。

②解決策を提案する際はメリットだけでなくデメリットも伝える
 商品やサービスのデメリットをあえて正直に伝えることで、顧客は「誠実な提案」と感じます。例えば、「初期導入には多少のコストがかかりますが、それ以上に運用コストの削減が見込めます」といった具体的な説明が効果的です。

③長期的な視点で顧客と向き合う
 短期的な利益を追わず、長期的な信頼構築を重視します。たとえ初回の商談が契約に結びつかなくても、継続的なフォローを行うことで、将来的な受注につながる可能性が高まります。

相談役としての姿勢は、信頼関係を築く最大の武器です。
「売るための会話」ではなく「助けるための会話」を行うことで、顧客からの拒否反応が減り、受注の可能性が格段に上がります。

2.2. 受注率を上げる提案書とストーリーテリング

提案書は単なる商品の説明書ではなく、顧客にとっての「未来の成功像」を描くツールです。特に、中小企業の営業活動では、提案書の内容次第で受注の成否が大きく左右されます。

<受注率を高める提案書のポイント>

①顧客の課題を的確に言語化する
 提案書の冒頭に「現状の課題」と「課題が解決されない場合のリスク」を明確に記載します。これにより、顧客が提案内容の必要性を直感的に理解できます。

②提案内容を具体的かつビジュアル化する
 解決策を箇条書きやグラフ、図表などで視覚的に伝えると説得力が増します。特に数値データを活用することで、提案がより信頼性のあるものとして受け取られます。

③顧客が共感するストーリーを盛り込む
 顧客の成功を具体的なストーリーで描きます。
 :「A社は同じ課題を抱えていましたが、私たちの提案を採用することで売上が30%増加しました。」
 このようなストーリーテリングを用いることで、顧客は「自分たちも同じ成功を手に入れられる」と感じます。

ストーリーテリングは、顧客の感情に訴える最強の手法です。
「数値」だけでなく「物語」を通じて、顧客に提案内容の価値を伝えることが成功への鍵となります。

2.3. 課題解決に特化した価値提供型営業

価値提供型営業とは、顧客が抱える課題の解決を最優先に考え、そのための手段を提案する営業スタイルです。このアプローチは、単なる商品販売とは異なり、「顧客との長期的なパートナーシップ」を築くことを目的としています。

<実践例:課題解決に成功したケーススタディ>

①建設業界のA社の場合
・課題:業務効率が低く、プロジェクト管理に時間がかかる。
・提案内容:プロジェクト管理ツールの導入を提案し、具体的な運用プランを提示。
・結果:業務効率が20%向上し、A社は年間300万円のコスト削減を実現。

②飲食業界のB社の場合
・課題:新規顧客獲得が難しく、リピーターが増えない。
・提案内容:顧客管理システムを導入し、リピート促進キャンペーンを実施。
・結果:リピーター率が35%増加し、月間売上が10%アップ。

<価値提供型営業を成功させるポイント>

①顧客の課題を自分ごととして捉える
 提案内容を単なる「商品説明」に終わらせず、「どうすれば顧客の課題を解決できるか」を具体的に示します。

②解決策の効果を数値で提示する
 「提案を採用することで〇〇%の改善が見込める」といった形で、解決策の成果を明確に示します。

③導入後のフォローアップを約束する
 提案採用後も、適切なサポートを提供することで、顧客に安心感を与えます。

価値提供型営業は、顧客との信頼関係を強化し、受注率を大幅に向上させる効果があります。
単なる商品販売ではなく、顧客のパートナーとして価値を提供する姿勢が、長期的な成功をもたらします。

“提案型”アプローチは、顧客の信頼を得て受注率を大幅に高める営業手法です。
・相談役として顧客の課題解決に寄り添う
・提案書にストーリーと具体性を盛り込む
・価値提供型営業で顧客との長期的な関係を築く

これらの実践を通じて、単なる「売り手」ではなく、顧客にとって欠かせない「パートナー」として信頼される存在を目指しましょう。

3. 価格で勝負しない!選ばれる会社の秘訣

中小企業が競争の激しい市場で生き残るには、「価格競争」から脱却し、顧客に選ばれる理由を作ることが必要です。その鍵となるのが、価格以外の付加価値を高める戦略です。「安さ」ではなく、「信頼」や「独自性」を軸に、顧客にとっての価値を提供する方法を紹介します。

3.1. 「信頼」で勝負するブランディング

多くの中小企業は、価格競争に巻き込まれることで利益を圧迫されています。しかし、価格以外の要素で差別化を図ることができれば、競合他社と競争する必要がなくなります。そのために鍵となるのが信頼を基盤としたブランディングです。

<信頼で勝負するための3つのポイント>

①実績や口コミを活用した信頼構築
 実績を数字や具体的な事例で示すことが重要です。例えば、「導入企業数100社以上」「〇〇業界でのシェアNo.1」といった具体的な実績を提示すると、顧客は信頼感を抱きやすくなります。また、口コミやレビューも強力な武器です。
 :「導入後3ヶ月で売上が15%アップした」という顧客の声を提案書やウェブサイトに掲載する。

②専門性をアピールする
 特定の業界や分野に特化することで、「この分野ではこの会社が一番信頼できる」と顧客に思わせることができます。例えば、「医療業界向けの専用ツール」や「建設業界特化のサービス」といった専門性を打ち出すことで、価格以上の価値を提供できます。

③ブランドストーリーを伝える
 ブランドの背景や理念を顧客に伝えることで、企業の信頼感が増します。
 :「創業50年、一貫して地域密着型のサービスを提供」というストーリーは、顧客に安心感を与える大きな要素です。

「安さ」ではなく「信頼」で選ばれる会社を目指すには、ブランディングが不可欠です。
ブランド価値を高めることで、価格競争から抜け出し、顧客に「この会社なら安心」と思わせることができます。

3.2. 高額商品の付加価値を具体的に伝える方法

高額商品を販売する際には、顧客にその価格に見合う「付加価値」を明確に伝える必要があります。価格が高くても「これなら納得」と思わせるためには、以下の方法が効果的です。

<付加価値を具体的に伝える3つの方法>

①定量的なメリットを示す
 高額商品の導入によって得られるメリットを、数字で具体的に示します。
 :「導入後1年間で〇〇%のコスト削減が可能」「生産性が2倍になる」など、データを使って顧客が得られる成果を明確に伝える。

②アフターサービスや保証を強調する
 高額商品の購入は顧客にとってリスクが高い決断です。そのため、充実したアフターサービスや保証を付けることで、購入の安心感を提供します。
 :「1年間の無料メンテナンス付き」「30日間全額返金保証」など、リスクを軽減する提案が効果的。

③顧客の課題に直接応える提案
 商品やサービスが、顧客の具体的な課題をどのように解決するかを明確に示します。例えば、「業務の効率化」「顧客満足度の向上」「リピート率の改善」といった課題解決の具体例を提案書に盛り込むことで、顧客は価値を理解しやすくなります。

顧客が「この価格でも価値がある」と感じるためには、具体的なデータや保証を通じて不安を解消することが不可欠です。
付加価値を効果的に伝えることで、高額商品でも顧客の納得感を得られるようになります。

3.3. 選ばれる理由を示す実践事例

顧客が「なぜこの会社を選ぶべきなのか」を明確にすることが、受注率向上の鍵です。このためには、他社との差別化を具体的に示すとともに、自社ならではの強みを活かす必要があります。

<実践的なケーススタディ>

①中小製造業の事例
・課題:競合他社と比較して価格が高いため受注に繋がらない。
・解決策:製品の耐久性にフォーカスし、競合製品よりも寿命が50%長いことを強調。また、アフターサービスの充実度を提案書に盛り込み、「長期的なコスト削減が可能」とアピール。
・結果:初年度で競合他社からのシェアを20%奪取。

②サービス業の事例
・課題:価格がネックで新規顧客を獲得できない。
・解決策:初回限定のトライアルプランを提案し、顧客がサービスの価値を実感しやすい環境を提供。さらに、トライアル後の満足度調査で信頼を得た顧客に定期契約を提案。
・結果:トライアル導入顧客の70%が定期契約に移行。

③小売業の事例
・課題:安さを求める顧客層に価格で勝負できない。
・解決策:店舗体験を重視した施策を導入し、「購入後の楽しみ」を提供。例えば、商品購入者限定の無料セミナーやコミュニティイベントを開催し、価格以上の付加価値を創出。
・結果:価格競争を避けつつ、リピーター率が40%向上。

<顧客に「選ばれる理由」を作り出すポイント>

①競合分析を基に独自の強みを明確化する
 他社が提供できない「自社ならではの価値」を顧客に伝える。
 :「業界最短の納期」「24時間対応のサポート体制」。

②感情に訴えるストーリーを活用する
 単なるスペックの説明だけでなく、企業の理念やストーリーを通じて顧客の共感を得る。

③リピートを意識した付加価値の創出
 購入後も顧客にメリットを感じさせる仕組みを作ることで、リピーター率を向上させる。

選ばれる理由を明確に示すことで、価格に左右されずに顧客の信頼を勝ち取ることができます。
具体的な事例を通じて、顧客は「自社にぴったりのサービス」と感じることができます。

価格で勝負しないためには、信頼を築き、付加価値を伝え、選ばれる理由を明確化することが重要です。
・「安さ」ではなく「信頼」を軸にしたブランディングを構築する
・付加価値を具体的に伝え、顧客の不安を解消する
・実践的な成功事例を基に「選ばれる理由」を作り出す

これらを徹底的に実践すれば、価格競争に巻き込まれることなく、顧客に選ばれる企業として成長することができます。

4. 営業効率を最大化:仕組み化のすすめ

限られたリソースの中で成果を最大化するには、営業活動を属人的なものから脱却し、再現性のある“仕組み化”を進めることが重要です。仕組み化によって、営業プロセスが標準化され、チーム全体の効率と成果が向上します。ここでは、小規模企業でも実践できる具体的な方法を紹介します。

4.1. 成果を出す営業プロセスとツール活用

小規模企業が効率的に営業成果を上げるためには、営業プロセスを標準化し、誰でも成果を出せる仕組みを構築することが重要です。属人的な営業に頼るのではなく、再現性のあるフローを作ることで、組織全体のパフォーマンスを底上げできます。

<営業プロセス標準化のステップ>

①営業の全体フローを明確化する
 営業活動を「リードの獲得 → アプローチ → 提案 → クロージング」という段階に分け、それぞれに具体的なアクションを設定します。
 :リードの獲得では、SNS広告や展示会での接触、アプローチでは定型化したメールや電話スクリプトを活用する。

②業務マニュアルの整備
 各プロセスにおいて具体的な行動指針を定めたマニュアルを作成します。これにより、新しい営業担当者でも短期間で業務に慣れ、成果を出せるようになります。

③営業ツールの活用
 営業効率を高めるために、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援ツール)を導入するのが効果的です。
 :SalesforceやHubSpotなどのCRMツールを利用して、顧客情報や営業進捗を一元管理する。

標準化されたプロセスは、成果の再現性を高める最重要要素です。
これにより、個々の営業力に依存せず、安定した受注率を維持できます。

4.2. 見込み客を顧客化するフォローアップ体制

営業活動の中で、見込み客に対するフォローアップの有無が、受注率に大きく影響します。特に、商談後に適切なフォローアップを行わないと、せっかくの見込み客を競合他社に奪われる可能性が高まります。

<効果的なフォローアップシステムを構築する3つの方法>

①フォローアップスケジュールの設定
 商談後1週間以内に「提案内容の確認」、2週間以内に「追加質問の対応」といった形で、具体的なスケジュールを設定します。
 :「提案資料を送付後3日以内に電話フォローを実施する」といったルールを作る。

②メールと電話の組み合わせ
 フォローアップでは、メールと電話を適切に組み合わせることで効果が高まります。
 :メールで提案内容を再確認し、電話で直接のフィードバックを得る。この組み合わせにより、顧客との接点を増やすことができます。

③CRMを活用してフォローアップを自動化する
 CRMツールを使えば、フォローアップのタイミングを自動で通知したり、定型文のメールを自動送信することが可能です。
 :顧客ごとにフォローアップタスクを設定し、進捗を管理することで、フォロー漏れを防ぐ。

適切なフォローアップは、見込み客を顧客化するための決定的な要因です。
フォローアップを仕組み化することで、リードが自然に顧客へと転換される確率が高まります。

4.3. 営業活動を可視化するKPI管理

営業の成果を向上させるには、KPI(重要業績評価指標)を設定し、進捗を数字で管理することが不可欠です。KPIを活用することで、現在の営業活動が適切に進んでいるかを客観的に判断し、問題点を早期に特定できます。

<KPI管理の基本>

①適切なKPIを設定する
 営業活動の各段階に応じたKPIを設定します。例えば:
 ・リードの獲得数(新規問い合わせ件数)
 ・アポイント件数(見込み客との商談回数)
 ・成約率(提案件数に対する成約数の割合)
 これらの指標を具体的に設定することで、営業活動の改善点を明確に把握できます。

②KPIをリアルタイムでモニタリングする
 営業担当者やチーム全体の進捗を定期的に確認し、KPI達成状況を可視化します。ダッシュボード機能を備えたCRMツールを活用すると、リアルタイムでデータを把握できます。

③PDCAサイクルを回す
 設定したKPIに基づいて結果を分析し、改善策を講じることで、営業活動の効率を向上させます。たとえば、成約率が低い場合は提案内容を見直し、アポイント件数が少ない場合はアプローチ手法を改善します。

営業活動を数字で可視化することにより、現状の課題を迅速かつ正確に特定できます。
数字に基づく管理は、感覚に頼らない営業活動を可能にし、成果を持続的に向上させます。

営業効率を最大化するためには、仕組み化が重要なポイントとなります。
・営業プロセスの標準化により、再現性のある成果を実現する
・フォローアップシステムを構築し、見込み客を確実に顧客化する
・KPI管理で営業活動を可視化し、改善を繰り返す

 これらを導入することで、小規模企業でも限られたリソースで最大の営業成果を上げることが可能になります。仕組み化された営業体制は、一時的な成果ではなく、持続可能な成長をもたらす重要なステップです。

5. 社長自ら動く!受注率を引き上げる理由

中小企業において、社長自らが営業活動に関与することは、受注率を大幅に向上させる最強の戦略です。社長の存在感や行動は、顧客に安心感と信頼感を与え、他社との差別化を実現する強力な要素となります。ここでは、社長が営業に関与するメリットと具体的な実践方法を解説します。

5.1. 社長の関与で得られる安心感と信頼

中小企業において、社長自らが営業活動に関与することは、顧客にとって非常に大きな意味を持ちます。なぜなら、社長自身が関与することで、会社全体の姿勢や信頼性が直接伝わるからです。

<社長が営業に関わるメリット>

①会社の象徴としての影響力
 社長が商談に参加することで、「この会社は私たちを重要視している」という印象を顧客に与えます。
 特に高額な取引や長期的なパートナーシップを求める場合、社長の関与が顧客の不安を軽減します。

②決裁権を持つためスピーディな対応が可能
 社長が直接関わることで、その場で迅速な意思決定が可能になります。これにより、競合他社に先んじて契約を締結するチャンスが広がります。

③信頼感の向上
 社長が商談に参加することで、「この会社のトップが直接話してくれるのは安心」と顧客に感じさせることができます。

社長の存在そのものが、顧客に対する最強の信頼構築ツールです。
商談の現場で顧客の悩みに耳を傾ける姿勢を見せることで、競合他社との差別化が図れます。

5.2. 営業同行と交渉術の実践例

営業同行は、社長が顧客との関係を直接深める絶好の機会です。ただし、単に営業に同行するだけでは効果は限定的です。社長ならではの役割を果たすことが重要です。

<営業同行での具体例>

①顧客との関係をリードする
 営業担当者が話をリードするのではなく、社長自身が商談の中心に立つことで、顧客との距離を縮めます。
 :商談の冒頭で、「本日はお忙しい中ありがとうございます。ぜひ私自身の経験をもとに、御社に最適なご提案をさせていただければと思います」といった挨拶を行い、主導権を握る。

②交渉の場での柔軟な対応
 顧客の予算や条件に対して、社長自らが迅速かつ柔軟に対応することで、顧客の満足度を高めます。
 :「御社の状況に合わせて、初年度のコストを少し軽減する形でスタートするのはどうでしょうか?」といった提案を行う。

③顧客のビジョンを共有する
 商談中に、顧客のビジョンや課題を深く聞き出し、それに共感を示します。
例:「御社の“〇〇な社会を実現する”というビジョンには大変共感しています。その実現に向けて、私たちがどのようにサポートできるかを考えています。」

営業同行の際、社長が示す柔軟性と共感力は、顧客の心を掴む決定的な要素です。
一方的な提案ではなく、顧客との対話を重視する姿勢が信頼を深めます。

5.3. 小規模企業ならではの柔軟な対応力

大企業と異なり、中小企業は意思決定が早く、顧客のニーズに柔軟に対応できる点が強みです。このフレキシブルさを武器にすることで、競合との差別化を図り、受注率を高めることができます。

<フレキシブルな対応力を活かす3つの方法>

①顧客ごとにカスタマイズした提案を行う
 大企業が提供する画一的なサービスに対して、中小企業ならではの「顧客ごとのニーズに応じた提案」が有効です。
 :特定の業界や企業規模に特化したサービスプランを提供し、「この会社は私たちのことをよく理解している」と思わせる。

②迅速な問題解決の対応を約束する
 顧客が抱える緊急課題に対して、迅速に対応することで信頼を勝ち取ります。
 :「何か問題が発生した際には、最短で即日対応します」といった姿勢を示す。

③親密なコミュニケーションを重視する
 社長自らが顧客とのコミュニケーションを密に行うことで、大企業にはない「近さ」をアピールします。
 :定期的に顧客に訪問したり、直接的なフォローアップを行うことで、関係性を強化する。

フレキシブルな対応力は、中小企業の最大の武器です。
顧客の期待を超える対応を提供することで、他社には真似できない価値を創出できます。

社長自らが営業に関与することで、顧客との信頼関係をより深め、受注率を大幅に向上させることが可能です。
・社長が営業に関わることで、顧客に安心感と信頼感を提供する
・営業同行で柔軟かつ共感的なアプローチを実践する
・小規模企業ならではのフレキシブルな対応力を活かして、顧客に「選ばれる理由」を示す
これらの実践により、社長の存在そのものが「最強の営業ツール」となり、企業全体の成長につながります。

まとめ

本コラムでは、受注率を向上させるために実践すべき具体的な方法と戦略を解説しました。中小企業の経営者が直面する「受注率が上がらない」「価格競争から抜け出せない」といった課題に対して、価格以外の要素で選ばれる会社になるためのステップを紹介しました。

まず、顧客の深い理解が欠かせません。顧客のニーズや心理を正確に把握し、それに応じた提案を行うことが、受注率向上の第一歩です。また、競合との差別化を図るためにターゲットを絞り込み、具体的な戦略を打ち立てることが重要です。

次に、提案型営業のアプローチが必要です。顧客にとっての信頼できる「相談役」として立ち、課題解決にフォーカスした提案を行うことで、受注率は大きく改善します。単なる販売活動ではなく、顧客との関係を深めるための信頼構築が営業活動の基盤となります。

さらに、価格競争から脱却するための付加価値提供の方法も解説しました。信頼を軸にしたブランディングや、高額商品でも納得してもらえる付加価値の伝え方を実践することで、顧客は価格ではなく、サービスや信頼に基づいて選ぶようになります。

また、営業活動を効率化し、最大化するためには、営業プロセスの標準化と仕組み化が不可欠です。ツールの活用やKPI管理を通じて、営業活動を可視化し、成果を再現可能にする仕組みを作ることで、営業担当者の負担を減らし、結果を確実に出せる体制を作ります。

最後に、社長自ら営業に関与することの重要性を強調しました。社長が積極的に商談に関与し、柔軟で迅速な対応をすることで、顧客に安心感と信頼を与え、競合他社との差別化を図ることができます。中小企業だからこそできるフレキシブルな対応が、営業活動を大きく強化します。

これらの戦略を実践することで、受注率を確実に向上させ、利益を確保しながら安定的に成長することができます。価格競争に頼ることなく、顧客にとって不可欠な存在となるための第一歩を踏み出しましょう。

あなたは最高経営責任者として、どのような戦略を実践されますでしょうか?

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