資金調達で困らない同族社長が意識していること
金融機関と良好な関係を築くことは、社長の精神的な安定に大きく影響します。そのため、社長の重要な実務の1つともいえます。
金融機関との関係が良好であれば、スムーズな資金調達も可能になります。前向きな経営判断や新しいチャレンジにも、積極的に取り組めるようになります。
一方、金融機関との関係が悪化すると、社長は「資金繰りの不安」が真っ先に頭によぎります。お金の不安が大きくなると、守りの経営判断しか考えられなくなるものです。その結果、場合によっては、業績アップのためのチャンスを、逃してしまうことだってあります。
だからこそ、金融機関との関係性は、良好であるに越したことはありません。しかし、金融機関との関係性は、常に同じ状態ではありません。景気や社会情勢、支店長や担当者、自社の経営状態によって、良いときもあれば、悪い時もあるのです。
また、当然のことながら、銀行の方針や支店の方針、担当者の力量など、様々な要素で成り立っています。そのため、長く付き合える金融機関や、入れ替わっていく金融機関なども現実問題として存在します。
つまり長く良好な関係を構築できるのが、最も理想的ではありますが、これは社長側の地道な努力も重要になってくるのです。
また、今、金融機関との関係が良くなくて、支店長や担当者から冷たい扱いを受けていたとしても、財務中心の会社づくりをすれば、いつでも改善するチャンスはあります。
逆に、今、金融機関が「当行に融資させてください。」と熱心に営業して来てたとしても、財務が悪化してしまえば、あっという間に態度は豹変するのです。
だからこそ、社長が金融機関との関係に適度な緊張感を持ち、自社の財務戦略をしっかり持つことが大切なのです。
もし万が一、金融機関との状況が一時的に悪化するようなことがあったとしても、いつでも安定的に資金調達できるような体制を予め準備しておくことが重要なのです。
当社では、「三行取引」を推奨していますが、それはメインバンク、サブメインバンク、プラスアルファの金融機関を上手に競わせながら、良好な関係を構築するためです。
漠然と銀行と付き合っていたり、言われるがままに融資を受けたりしていては、今は何とかなっていたとしても、5年後、10年後を考えた時に、安定的な資金調達が難しくなってしまいます。
例えば、以前は銀行からお金を借りる時、社長個人の保証や不動産担保が当たり前でした。しかし、今は違います。財務をしっかり管理して適切な交渉をすれば、担保も保証人もない融資を受けられる時代になっています。
ここで大切なことは、本当の意味で経営を良くしたいなら、自社独自の財務戦略を持ち、それを自ら実践することが重要です。枝葉の細かい知識をどんなにたくさん持っていても、実際の行動に伴っていなければ、何の意味もありません。
社長自らが実際に行動を起こし、自らの手で結果を出すことが大切なのです。
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