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468号 「店舗スタッフなんだから、できないのは仕方がない」を無くすには?

SPECIAL

チェーン企業のマネジメントの仕組み構築コンサルタント

株式会社ピアーズ

代表取締役 

マネジメントの仕組み構築のスペシャリスト。
これまで20年以上チェーン事業に身を置き、実際に15の組織のリーダーを務め、200以上の経営に関わり売上、利益を上げてきた経験を持つ。チェーン事業の売上が兆単位の企業や創業40年以上の歴史を持つ企業にさえマネジメント面の仕組みが1つも存在していない事に疑問を持ったことから、チェーン事業に共通するマネジメント面の仕組み構築方法を体系化。その効果は大きく、マネジメントの半ば自動化と質の向上により、クライアント企業は利益2~3倍増、業種によっては仕組み実装の初月から数値を跳ね上げさせる指導を展開している。

 「スタッフの電話応対が喧嘩腰だったからです」

 

ある会社で起きたトラブル。

その火種が何だったのかを社長がおっしゃいました。

 

 

店舗という形をとっているビジネス経営者に質問です。
 
Q:スタッフごとにどのくらいの教育が進んでいるか?

  どう管理してますか?

 

 

もしこの質問の回答が「無い」ということであれば、それはつまり「店長任せ」になります。

 

これ自体がよろしくないこと、と断定はできませんが、気をつけなければならない点があります。

それは

 

 

どういうことか? 

 

順を追って説明しますと、まずスタッフ教育を店長任せにしていますと、やがて各店長達にはこんな意識が定着しはじめます。

  「スタッフ教育をしなくても、会社から何も言われないんだ」

 

そこで

  「そうか、我々店長には社長からスタッフ教育について、大きな権限を与えられているんだ」

  「頑張らないと」

と捉えていただけましたら、各店長によるスタッフ教育が進み、店舗運営もスムーズとなり、会社の業績も伸ばしていくことができます。

 

 

なぜならこの問題は一見「この仕事はわかるけど、この仕事はわからない」そんなスタッフの理解度だけの問題にも見えますが、実はそうではないからです。

 

教育がなされていないということは、そもそもの会社の方針さえも疑問視されることもあり得るということです。

 

それは例えば、スタッフに商品の陳列をお願いした場合

 ・どんな商品をどこに、いくつ置いたら良いのか?

といった点ではなく

 「えっ なんで私?」

 「別の時間帯のスタッフの仕事じゃないの?」

 

 「店長、社員がやればいいのに」

 「そもそも、お客はそんな細かいところまで見てないから」

 

はたしてこのような根本に疑問を抱く方が、「会社の方針に素直に従い、実行できる人」
となってくれるには、どのくらいの時間と苦労が必要となるでしょうか?

 

 

ただ現実には、このように「なぜ?」と疑問を口に出して、返してくれるケースはほとんどありません。

口に出してくれるのはまだいいほうで、多くの場合は

 「わかりました」「ハイ」と言いつつも、やらない

です。

 

さすがにこういった事が何度か繰り返されますと、店長としても

 「この人に言ってもな〜」

となってくるもので、はじめからスタッフに頼ろうとしなくなります。

 

さて、問題なのはここからです。

 

店長として

 ・これからやるべきことがいくつもある

 ・一部のスタッフには頼れない

残っている選択肢には何があるでしょうか?

 

 

このような状態になってしまっては、店舗というせっかくの組織力が発揮できなくなります。

 

もし、社長や店長が何か新しい事をやろうと打ち出したとしても、動けるのは、店長自身や店舗勤務の社員、もしくはスタッフの中でも優秀な人たちだけと、限られてしまいます。

これでは組織というより、ただ同じ職場でそれぞれが勝手に動き回っている統率のない個の集まりでしかありません。

 

そして社内にはこんな意識が根付いていくのです。

 「店舗スタッフなんだから、できないのは仕方が無い」

 

これは一見、スタッフ達としてはストレス無く楽しく仕事ができるようにも見えますが、実は違います。

まず視なければならない点は、会社の方針に素直に賛同しているスタッフのメンタル面がどうなってしまうのか?

 

もし、コラムをご覧の貴方が、スタッフだったとして店舗が下記のような状態だったらどう思われますか?

 ・会社の言われた通りやるのはほぼ自分だけ

 ・ふと周りを見ると、何かと口答えする人達は楽そうおしゃべりしたり、ダラダラしている

 

 ・そんな人達の手抜き、不徹底は、全て自分が尻拭いをしなければならない

 ・なんとかしてほしいと店長に相談したいが、その肝心の店長がいっぱいいっぱい

 

 

普段からスタッフの指導、教育がなされていない会社とは、社員やスタッフ達はもちろん、会社経営者にとっても恐ろしいことです。

 

スタッフ教育がなされているか? 会社が把握していないなど、あってはなりません。

これは店舗という形をとっているビジネス経営者にとって必須の視点です。

 

もし社内の店長の中に、「スタッフの指導、教育は常にしなければならないものだ」と認識ができている、優秀な方がいらっしゃるのであれば、わざわざ会社としてスタッフの指導や教育にまで介入する必要は無いでしょう。

そんな店長は、放っておいた方が自由に動き回ることができ、大きな成果を素早く出してくれるからです。

 

しかし、現在会社に在籍している店長は、そんな店長ばかりなのでしょうか?

 

 

長い間、何も指導、教育がなされていない人がいる組織は停滞していきます。

たとえ会社に在籍しているスタッフが数百人、数千人いたとしても、ただの一人でも「長い間、指導も教育も何もされてない状態」にしてはなりません。

 

 ・社長の方針は何なのか?

 ・会社が目指すべき方向はどちらか

 ・店長は次に何をしたいのか?

 ・店舗で働く社員、スタッフ達にどう動いてもらいたいのか?

 

成長する組織において、スタッフ達の指導や教育は

 ・一人残らず

 ・そして常に

あり続けるものなのです。

 

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