第465号 なぜ店舗は徹底してくれないのか?
「今まで、スルーできていたのが不思議だ」
不徹底が目立つ店舗について、ある社長がおっしゃいました。
・挨拶がきちんとできない
・清掃はいい加減
・売り場はグチャグチャ
・売ろうとしない
・各部署からの依頼もやらない
「別に大きな数値目標を掲げ、達成しろと言ってるわけではない」
「どれも基本的なことばかり」
店舗という形をとってビジネスをされている企業には、おかしな通例があります。
それは「店舗が不徹底なのは当たり前」
他の業態の方から見ますと、信じられない事かもしれません。
しかし、残念ながら多くの企業でよく聞くことです。
なぜ店舗は徹底してくれないのか?
結論から言いますとそれは
店舗は「頑張ったんですけどダメでした」としていれば、何とかなっちゃうから。
例えば
・もし貴方が、店長の上長であるエリアMだったとしたら、
人手不足だからと店長自ら売り場に立ち続け、すでに会社規定以上の残業をしている状況を知りながら「もっと数字を上げなさい」と言えるでしょうか?
例えば
・もし貴方が、チェーン本部のある部署で働く人だったとしたら、
数値達成ができていないお店は、会社から厳しい扱いを受けていると、わかっていながら
「これはお店の人しかできない仕事ですから、今すぐやって下さい」と言えるでしょうか?
ここで私のオススメは
指示したこと、依頼したことを店舗の人達にやってもらいたいのであれば、アプローチを変えることです。
相手に動いてもらうために、アプローチを変える。
これは、店舗という形をとっていないビジネスをされている方からすれば
「当たり前の事じゃないの?」
と突っ込まれるところでしょう。
これはビジネスの基本です。
しかし多くの店舗型のビジネス企業では、その基本が存在せず、店舗に依頼する側、指示する側がアプローチを変えようとしません。
おかしなことに、最終的には
「まぁ、店舗だからな」
「店長ってそんな感じだよね」
など、できないのは当たり前として、諦めたり、妥協したりします。
誤解していただきたくないのは、私は何も
「現場第一主義者だから、現場である店舗を尊重し、他の人達が合わせるべきだ」
と言いたいわけではありません。
ここで注目してほしい事項があるからです。
なぜ会社の中に
・店舗が動いてくれるにはどうしたらいいのか?
・交渉、アプローチを変えてみたらどうか
そんな基本的な行為が、いつまで経っても発生しないのか?
なぜ「店舗は不徹底なのが当たり前」と皆が勝手に結論づけてしまうのか?
「店舗が不徹底など当たり前だ!」と誰か有名な人が唱えたのでしょうか?
なぜ多くの人達に「店舗が不徹底なのは当たり前」とスッと認識されてしまうのでしょうか?
実は、この「なぜ?」をつきつめていきますと、会社に潜む根本の原因が見えてきます。
その謎を解き明かし、
「そうか、だからなのか」
「じゃあ、こうしたらいいのでは?」
そんな次の一手をうてている企業はとても強い収益体質となっています。
また、どの店舗をとっても、細かい所まで会社の求めるレベルまで徹底できています。
たとえそれが、壁についてしまったちょっとした汚れさえもです。
翌日にはキレイにしてくれていることでしょう。
店舗が不徹底なのは当たり前など、ありえません。
店舗ほど徹底がしやすい組織はありません。
店舗とは、誰にとっても、とても働きやすく、社会経験を積み、鍛えていける優れた職場なのです。
よく聞きますが
「それは私の仕事じゃない」
とか
「また誰もやってくれてないじゃないか!」
などの負の連鎖は断つことが可能です。
その逆の
「その仕事は私がやっておきました」
とか
「一体誰がここまでやってくれたの?」
といった善の循環を成すことができます。
そうなりますと、人手不足の今の時代も問題ではありません。
たとえお隣の企業が人手不足に困っていても、自社だけが人が集まる状態になれます。
鍵は
「なぜ皆、店舗は不徹底だからしょうがない」と結論づけようとするのか?
この疑問にあります。
そこに根本の原因が潜んでいるのです。
店舗という形を取っている御社はいかがでしょうか?
もしかして、社内に
「お店はできていなくて当たり前」
という風潮が常識となってしまっていませんか?
そして、いつまでも
「店舗が動いてくれるには、どうしたらいいのか?」
そんな、アプローチを変えてみようが発生しないままになっていませんか?
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。