強みを意識できていますか?(2)
先週に続いて、「強みを意識できていますか」という話題についてのコラムです。先週は、外から見ると明らかな強みに違いないのに、中にいる人にとっては必ずしもそうとは言えないというパターンについてのお話でした。たとえ1番じゃなくても、相対的に世の中から評価される能力があればそれは強みとして扱えるということです。
さて今週は、もうすこし間口の広いお話かもしれません。たとえそれが大した能力じゃないとしても、お客さんが評価してくれる仕組みを作れば、その能力は強みとして機能しうるというお話です。
たとえば有名ドリンクメーカーが原料の水について持っている技術、と言われれば、何だか凄そうなイメージが湧きますよね。現実問題として見たときに、たとえその原料がごく普通の水だったとしても、有名ドリンクメーカーが提供する美味しい水、みたいな売り方は普通に可能です。同様に、顧客が評価する仕組みの中に埋め込まれた要素が、あたかも強みであるかのような形で受け入れられている例は決して少なくないと言えます。
ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、強みを作るというよりも、何か特徴的な点を強みとして扱ってしまえばそれで良い、的なお話なのです。そう考えると、本来経営者が構築しなければならないのは、強みだという項目を見せられた顧客が納得しておカネを払ってくれる仕組みのほうで、併せて強みの技術的な差別性や特異性は「相対的な強みとしてあれば良いが、絶対的な要素は必須ではない」くらいの扱いに止まるのだ、ということを認識いただくべきなのです。
そもそもの話として、技術的な取り組みだけで絶対的な強みを作るのは簡単な仕事ではありません。でも相対的な強みをお客が前向きに評価してくれる仕組みなら、工夫次第でいくらでも作り上げることができます。そこに織り込む強みは、やや誤解を招く可能性のある表現ですが、月並みな強みで十分なのです。要はお客さんの納得度を如何にして高めるか、お客さんからナルホドと言ってもらえるかがポイントだということになります。
強みを仕組みで引き立てる、そうすることでお客さんからの信頼を高めることができたなら、ビジネスの成功はほぼ間違いありません。ビジネスのコアはそんなふうにして作れば良いのです。
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