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知人の会社が倒産したと聞きショック・・・時代の変化に対応するための要所

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

地方都市、昼のゴルフを終えての繁華街の居酒屋、経営者団体からの25年の付き合いになるメンバーです。
 
 「〇〇さんの会社が先月倒産したよ。」
〇〇さんは、その経営者団体に積極的に参加し会長などの大役も担っていました。
 
 私が驚いて声を出せずにいるうちに、他のメンバーが言いました。
「☐☐さんの会社も3か月前に倒産しているよ。」
この方もその会では超有名人であり、私も報告を聞いたことがあります。
 
 そして、テーブルでは自然と次の感想が出てきます。
「時間は十分あったはず、事業を変えることはできなかったのだろうか?」


誰を顧客にするか、そして、どんな価値を提供するか、
これがビジネスでは重要になります。
いや、これが全てであると言っても過言ではありません。
それが当たれば繁栄し、外れれば衰退します。
 
 例えば「オフィス街の飲食店」。
「周辺のサラリーマンが、帰りに同僚と一杯やる居酒屋」
「職場の送別会や友達との会食で使う、少しおしゃれなイタリアン」
「企業の部署が、取引先担当者を接待する和食屋」
「経営者が、パートナー企業の経営者と親交を深めるための割烹料理店」
 
 まず顧客を決める必要があります。そして、その顧客に提供する価値を考えます。
この顧客に提供する価値とは、「顧客の欲求」と言い換えることができます。
誰のどのような価値を満たすのか、これをセットで考える必要があります。
 
 この組み合わせのことを『市場』と言います。
「周辺のサラリーマンが帰りに同僚と一杯やる居酒屋」が市場になります。
間違っても「居酒屋」を市場などと言ってはいけません。
そんな市場はありません。市場は必ず顧客と価値の『セット』になります。
 
 そして、そこには競合店がいます。
同業態の居酒屋である場合もあれば、一見別業態のイタリア料理店であったりします。そのイタリア料理店が「周辺のサラリーマン」に「帰りに同僚と気軽に一杯できる店」として認識されているのであれば、競合になります。
逆に、同じ居酒屋業態でも、その店が「周辺のサラリーマン」から「お客さんの接待に使える店」と認識されていれば、競合では無いのです。
 
 相手+欲求(価値)なのです。そこを『自社の市場』として定義します。
自社の市場は何か、これを正しく認識しておく必要があります。


そして、この市場は、時間の流れと共に変化をしてきます。
 
 ・同じ市場に、より特色がある店がオープンしました。
その分顧客を削られていきます。
 
 ・そのオフィス街の企業が減ってきます。
その背景には「交通網が発達し大都市からの日帰り出張が可能になった」、「営業所の統廃合が進んだ」、「職場での飲み会が減っている」、「企業が接待を控えるようになった」。
そうやって更に飲み会自体の需要が減ってきます。
 
 ・若者が街からいなくなります。
「所得が減っており、飲みに行く余裕がない」、「ゲームやSNSなど、家で暇をつぶせるようになった」、「正社員が減っている。派遣、パート、そして、在宅ワーカーが増える」。
その結果、街には「遊び」が無くなっていきます。
 
 ・この地域の人口は減少しています。
大都市圏では人口に大きな変化はありませんが、地方ではもの凄い勢いで人口が減っています。それは、経済自体(お金の流通)の縮小を意味します。地域全体が沈んでいくのです。
 
 このように環境は変化していきます。
その要因は、『人口の増減』、『価値観の変化』、『競合の動向』、『新しいビジネス』、『テクノロジーの進化』、『法律の変更』などがあります。
(一つひとつご説明したいところですが、それはまた今度)
その結果、『自社の市場』も変化することになります。
 
 この変化に合わせ、企業は変化することが必要になります。出来れば、この変化を予測して、先回りしたいところです。
自社が、いち早く変化し当たりを見つければ大儲けができます。逆に、変化が遅れれば他者にその座が取られることになります。
そして、その変化が更に遅れれば、全く利益が出なくなります。
 
 残存者利益を狙うという考え方もあります。市場の縮小に伴い競合はいなくなります。しかし、当然その過程は苦しいものになります。値引き圧力が強まり、不人気業種となり採用も厳しくなります。勝ち残るためには、圧倒的なサービスの提供や固定費の極小化など、そこでも何かしらのカラクリが必要になります。
それ以上に、その市場自体が消滅に向かうことになるのです。


昔の知人の二人の会社が倒産したことに驚きました。
彼らの『市場』も大きな変化に見舞われていたのです。
 
 〇〇社が居た繊維業の事業所数は次のような変化をしています。
2005年23082所、2019年10586所と14年で12496所と55%が減っています。
 
 ☐☐社の製造業の事業所数も見てみます。
2003年29万3910所、2020年17万6858所、17年で11万7052所と40%が減っています。
 
 すごい勢いで経済自体が縮小しているのが解ります。この数の変化だけ、法人の倒産や廃業があり、この数だけこの業界で働く人が減っていったことを意味します。
そして、この下りの傾向がこの先も続くことを想像することは難しくありません。
 
 変な表現ですが、その変化はそこに居る人間にとっては「早くて遅い」ものになります。
毎年厳しくなっているのは感じます、しかし、毎日の仕事はあります。その中で、思い切って動くきっかけもありません。
そうやって過ごしているうちに体力が失われていきます。利益が出ない月が増えてきて、通年で収益がマイナスになります。そこに設備の返済と付加価値税(消費税)が重くのしかかってきます。そして、最後の日を迎えることになります。
 
 時代を読むことが必要です。
各業界の事業所数の推移はデータとしてあります。また各市町村の人口推移も解ります。
そんなデータをしっかり観ることです。
意外なことに、そんなデータをじっくり観る経営者は殆どいないのです。
そのデータを観れば自分と自社が置かれた状況を知ることができます。そして、この先もある程度読めるのです。
 
 そして、実際に行動に移すことです。
利益が出ているうちにしか手を打つことはできません。新規事業が利益を出すようになるには少なくとも3年はかかります。それ以上に利益が出ているうちにしか思い切った動きはとれないのです。
 
 経営者団体で25年前に一緒に学んだ彼らの倒産を聞き、非常にショックを受けている私です。また、同時にこうやって、時間の経過と共に世の中は動き、その中で産業(企業)が入れ替わっていくのだと強く感じることになりました。
 
 また同時に「事業を変えること」の難しさを感じます。
彼らはまだ50代です。そして、お二人とも頭もよく、人格的にも尊敬を受けていました。
外部の我々が「変えなければ生き残れないのは解っていたはず。動いて変えることをしなければ・・・」と言うのは簡単です。でも、そこには本人しか解らない苦労と苦悩があったはずです。
 
 社長の最も大きな役目は「市場の変化をいち早く察知し、事業を成長発展させる意思決定をすること」です。坦々とその役目にしっかり向かっていくだけです。
 
 最後に、一緒に自社のビジネスをチェックしておきましょう。
 
 【BtoBビジネス】
お客様は誰ですか?どんな価値を求めていますか?
そのお客様は伸びる産業にいますか?
その市場の企業数は増えていますか?その企業は儲かっていますか?
そして、そのお客様の欲求(課題)は変化していませんか?
 
 【BtoCビジネス】
お客様は誰ですか?どんな欲求を持っていますか?
その事業の対象エリアの見込客数は増えていますか?
そのお客様の所得は増える傾向にありますか?
そして、そのお客様の欲求(課題)は変化していませんか?
 
 何を市場とするか、そこでどう勝っていくか、
変化への対応がすべてです。

 

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