最適なコンサルティングを今すぐ活用する!

管理者を動かす、組織をつくる、そのために最初にやることとは?

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

連休明けのこの日は住宅不動産サービス業S社のコンサルティングです。
S社の業績は絶好調、私は今の課題をお尋ねしました。
 
 S社長は答えました。
「私の問題なのですが、どうしても色々やりたくなってしまいます。」
今のS社には、大きく5つの事業があります。
 
 そして次は隣に座る専務にもお尋ねします。
「課題が次から次に出てきます。全部やりたいのですが・・・」
 
 私が、S社が更に飛躍することを確信した瞬間です。


組織内には「横の分業」と「縦の分業」があります。
「横の分業」とは、『業務の分担』を指します。マーケティング、営業、企画、製作、管理など。
それに対し、「縦の分業」とは、『時間の分担』を意味します。経営層、管理者層、判断層、作業層とその受け持つ時間の『スパン』が違うのです。
 
 社長を含む経営層は、3年~5年先のスパンを受け持ちます。
管理者層は、1~2年のスパンを担います。
判断層は6か月、作業層は数週間から1、2か月となります。
 
 この役割を別の言葉で表現すると次のものになります。
経営層は『未来を設計』すること、
管理者層はそれを『実現』すること、
判断層と作業層はそれを『実行』すること。
 
 このすべてが機能した時に、『組織ができた状態』と言えます。
やはりそのための仕組みを獲得することで、その状態にすることが出来ます。
 
 横の分業の仕組みと共に、縦の分業の仕組みすなわち組織を、年商数億円から年商10億円に進む時に獲得しなければなりません。


この両方のキーマンとなるのが『管理者層』となります。
彼らは、横と縦のどちらにおいても『中間』の位置にあります。
 
 横の分業においては、その流れ(期限)と品質(基準)をしっかり管理します。それにより、判断層と作業層は日々の作業をこなすことができます。
縦の分業においては、経営層が描いた未来(方針)を実現するための知将であり武将の役目を担います。組織にとって、管理者こそが要であり、その獲得こそが多くの年商数億円企業の最重要テーマになるのです。
管理者を機能させること、イコール、組織をつくること、と言っても過言ではないのです。
 
 管理者の重要性は皆様も十二分にご理解されていることでしょう。
管理者が不在または機能しないために、各部門では日々多くの問題が起きています。それに適切に対処することも、根本的な対策も社長に降り掛かってきます。
その結果、社長は現場を離れられないことになります。また、未来への取組みは遅々として進まず、出した方針は一向に実現しないことになります。
 
 そして、この管理者を機能させるための仕組みの獲得の難しさも皆様の体験の通りです。
年商数億の会社には管理者の見本となる人が居らず、自然に後進も育っていきません。また、世の中には、管理者の仕組みもその過程を知っている人も殆どいないのです。
管理者を機能させる仕組みの獲得が遅くなる分、成長も成功も遠ざかることになっています。


ここで、管理者層を機能させるために必要となる考え方を確認しておきましょう。
それも「縦の分業の管理者層を機能させるため」の考え方です。
 
 それは『未来を共有する』ことです。
先にご説明した通り、管理者層の役目は「経営層の出した未来を実現すること」です。
そのため、まず必要となるのが、実現してほしい『未来』を共有することになります。
・今後はこのサービスを重点としよう。
・〇〇業界の大手中堅企業を開拓しよう。
・できる限り〇〇の業務は外注化し、〇〇を自社の強みにしよう。
このような未来を共有するのです。
 
 これにより彼らの頭は、初めて動き出すことになります。
人間の脳の特性の一つに、「未来への想像」があります。自然とリスクや成果を想像し、その対策やプロセスを想像するように出来ています。これは、他の動物と大きく異なる点です。この能力こそが人類を発展させることになったのです。
 
 その能力の強弱はあるものの、誰しもが持っているのです。
彼らのこの脳力を使うためには、「未来の共有」が必要であり、それにより彼らの脳は動き出すのです。
・専属の営業担当を付けたほうが良いのではないか。
・今の集客手段は中小企業向けである、新しい方法を考える必要があるな。
・外注選定の基準はなんだろうか?外注に対する依頼書を作ったほうが良いだろうか。
 
 未来の共有をしない限り、想像は始まらないのです。
想像が出来るか出来ないかは、前提となる未来の情報の提供をしているかどうかに寄ります。未来の共有がないのに、彼らを評価することは出来ないのです。
 
 また、未来を共有することで、彼らは適切な判断をすることができるようになります。
・方針ではこの顧客層は伸ばさないとのこと。今いる人員でやれることを考えよう。
・新しい集客方法を探すように担当に指示を出しておこう。
・外注化するのであれば改善は程々にしよう、但しそれは現場には伏せておこう。
管理者からの現場への指示も違ってくるのです。
 
 未来を共有された者の脳は動き出すのです。
想像力が動き出します。適切な判断も出来るようになります。
その結果、未来を共有された彼らの心が動き出すのです。
彼らは、自然と自分の所属する組織に対し貢献しようと思うのです。
彼らは、自然に組織の一員になるのです。こちら側の人間になります。


S社のコンサルティング、S社長と専務は今の課題を訊かれ答えました。
「どうしても色々やりたくなってしまいます。」
「課題が次から次に出てきます。全部やりたいのですが・・・」
 
 私は、この言葉をお聴きして質問をしました。
「長期の方針と目標はありますか?」
 
 長期の方針と目標があれば、新たなアイディアが浮かんだとしても、やるかやらないかの判断をすることが出来ます。簡単に「それに手を付けよう」とは思わなくなります。
また、どれが本当の課題なのか、取捨選択をすることが出来るようになります。
S社に欠けているのは、長期の方針と目標なのです。
 
 長期の方針を持っていないと、目の前のことに振り回されることになります。
起きた問題に対し、近視眼的な対策をします。また、他社の取組みや世のニュースに必要以上に影響を受けることになります。そして、色々なモノが捨てられなくなるのです。
「捨てるのが下手」の根底には、「長期の方針と目標が無い」があります。
 
 私は、S社長に提言しました。
「5年または3年のスパンの長期計画を立ててはいかがでしょうか。」
賢明なS社長と専務です、すぐに理解され「はい、そうします。」と答えられました。
それが無い今でこの好業績です。S社は更に飛躍する可能性を残しています。
 
 経営者も管理者も同じなのです。
『未来』を持っているから、明日の行動を想像できるのです。
また、今日の判断をすることができるのです。
 
 そして、そこに組織ができてきます。
その結果、すべてのスピードがあがるのです。
 
 その未来を描くのが、『社長』の役目なのです。
組織をつくるための第一歩は、社長が『未来を設計』するところから始まります。

 

コラムの更新をお知らせします!

コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。