「職人に実行予算表をオープンにして現場管理感覚を教える」
昨日に雨で現場に出られず工場待機でしたので冬の支度、ストーブを使えるように整備しました。寒かったので早速職人社員は使っていたようでした。いよいよ今年もあと、2月を切りました。今年度中の工事、来年の受注はいかがですか?商売繁盛していますか?
今回は、「職人に実行予算表をオープンにして現場管理感覚を教える」です。
あなたの会社では、新しい工事の見積や、予算の作成はどなたが担当しているのでしょうか?現場の職人社員さんでしょうか?それとも営業担当者でしょうか?
弊社では社長である私が作成します。恐らく見積の実行予算書などは、どちらかというと管理側、経営者側が作成しているのではないでしょうか?
そして、決まった物件は、社長が実行予算を管理して現場職人社員に指示し施工を完了させる・・・、というパターンではないでしょうか。弊社も長い間そうでしたし、自分自身、現場職人だった頃は、父親からは予算書など見せてもらえませんでした。
いわゆる段取りは親方の仕事で、材料が一枚いくらで、どれだけの人件費が掛かって、どれだけの利益を見込んでいる工事なのか?ベテラン職人社員もはっきりと分からず仕事をこなしてきていました。なので、お客様に別の工事について尋ねらても、
「親方に聞かないと分からない。」
そんな受け答えしか出来ていませんでした。更に、職人社員は、仕事が混んでくると忙しく動く反面、仕事が薄くなると、時間をもてあましますから、ゆっくり手をぬいてその工事を完了させる・・・そんなことを繰り返していました。
材料のロスや、失敗もなんとも思わず仕方ないか程度で済ませてしまう。だから忙しいときは予算どおりの利益が残るが、暇なときは予算を大きく割り込んで赤字になる。あなたの会社ではどうでしょうか?弊社では長いことこんなことが続いていました。いくら、
「材料を無駄にするな」とか、
「何で今日中に施工完了できなかったんだ!」
と、言い続けても、それはそうですよね、色んな理由で言い訳するだけですから、何の解決にもならないわけです。経営者側の立場は、予算内に収まってほしいばっかりですが、職人社員はその工事は上手く施工できても儲かったか損したかは分からないわけですから。自分の給料さえ確保してくれれば、会社が儲かろうが赤字だろうが、倒産しなければOKみたいなところがあります。
そこで、弊社は、見積受注に至った物件に関しての情報、実行予算書を完全にオープンにすることにしました。経営側からするといやなんですが。
新しい現場の施工前にその実行予算を基に担当リーダーと、打合せします。材料費、工事費、管理費など明記された実行予算書を経営側、職人側で確認していますので、この工事で何日分の工賃と使う材料の金額、予定粗利益まで見せることによって、仕事の忙しい、暇なときでもその予算内で仕事に取り組むようになりました。
このことは、職人社員に現場施工以外の経営管理感覚を身につけるのに非常に効果があります。会社に世話になっている以上、自分の給料は、予算どおりに完工して初めていただける、そんな感覚をまず持っている職人社員。社長であるあなたの元を離れるのが早くなるかもしれませんが、社長しか分からない部分をオープンにすることで経営側の感覚と責任感が養われますから、会社に貢献するという意味では、やはり大事なところではないでしょうか?
弊社では経験の浅い20代前半の職人社員でもこのことを実施してから、材料余りは返品し、工程に間に合わすように毎日努力しています。あなたの会社の職人社員さんはいかがでしょうか?
こんな取組みも、下請から元請受注になったときから出来た仕組みなんです。元請受注こそが専門工事業の会社の豊かな商売繁盛の近道だと思っています。まず、決めて、始めてみて、回る仕組みまで出来るかどうかがカギになります。
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