経営革新を実現するコンサルティングの本質的価値
こんにちは。ヘルスケアビジネス総合研究所の原です。
以前から弊社では「コンサルティングとは何をやっているんですか?」という質問を受けることが多いのですが、コンサルティングという言葉は色々な意味で使用されているためか、誤解されることが多くあります。
特に、多くの企業が業務改善や組織改革に取り組む中で、「コンサルティング」「社内研修」「マニュアル作成」という三つのアプローチについて、その違いと効果を明確に理解されていない経営者の方々を多く見かけます。
今回は、特にコンサルティングの本質的な価値について、具体的な事例を交えながらお話ししたいと思います。
コンサルティングは企業の構造的な課題が出発点
まず、多くの企業が直面している課題について考えてみましょう。
売上の伸び悩み、業務効率の低下、特定の人材への過度な依存など、表面的な問題の背後には、より本質的な組織構造の課題が潜んでいることがほとんどです。
例えば、部門間の連携不足、意思決定プロセスの不明確さ、属人的な業務運営、評価制度と事業戦略の不整合など、これらは企業の根幹に関わる構造的な問題です。
このような課題は、個々の従業員の能力向上や単純な業務の標準化だけでは解決できません。なぜなら、これらの問題は組織の仕組みそのものに起因しているからです。
具体例を挙げましょう。
ある医療機器メーカーでは、新製品の売上が伸び悩んでいました。表面的には営業力の不足が問題視されていましたが、詳細な分析を行うと、製品開発段階での市場ニーズの把握が不十分であり、それは営業部門と開発部門の情報共有の仕組みが存在しないことが原因でした。
双方に話を聞くと、営業マンは「私が一番お客様のことを理解している」と考え、一方で開発エンジニアは「営業の意見だけでは客観性が不足していて開発に踏み切れない」と考えていました。
このように、多くの企業課題は、組織の仕組みや構造に根ざしているのです。
コンサルティングとは、まさにこうした構造的な課題を特定し、解決するためのアプローチです。
コンサルティングと社内研修やマニュアル作りの違い
当社では、まず事業戦略の大枠を策定しつつ、会社組織全体を俯瞰的に分析します。その上で、企業の戦略や目標に整合したヘルスケア新規事業部の仕組みを設計し、その導入・定着までを支援します。
社内研修は、既存の知識やスキルを従業員に伝達する場です。例えば、新入社員研修やリーダーシップ研修などが該当します。ただし、これは一時的な学びの場であり、持続的な組織変革までは期待できません。スキルアップすることの土台として、業務や仕組みが出来ていることが前提となります。つまり、研修では既に仕組みができ上がった上で必要なスキルを提供します。
また、マニュアルの提供は、標準的な業務手順を文書化することで、一定の品質を担保する効果はありますが、それ自体が組織を変革する力を持つわけではありません。
一方、コンサルティングの本質的な価値は、企業固有の課題を深く分析し、その企業に最適な仕組みを構築することにあります。
また、コンサルティングの重要な特徴として、外部専門家の客観的な視点が挙げられます。社内では当たり前となっている非効率な業務プロセスや、組織の壁を発見し、改善することができます。
さらに、他社での成功事例や失敗事例を踏まえた提案が可能となり、より確実な成果につながります。
つまり、コンサルティングとは、企業の持続的な成長を支える基盤となる仕組みを構築するプロセスなのです。一時的な知識提供や、画一的なマニュアル作成とは本質的に異なる、より戦略的なアプローチといえます。
今、多くの企業が大きな環境変化に直面しています。この変化に適応し、さらなる成長を実現するためには、自社に最適な仕組みづくりが不可欠です。その意味で、専門家による本格的なコンサルティングの価値は高まっているといえるでしょう。
このコラムでは医療・ヘルスケアビジネスに関係する情報やノウハウをお送りしています。
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