忙しい経営者に
コンサルタントをしていると、経営者にも2通りあることがうっすらと見えてきます。一つは、自らのペースで仕事ができる仕組みを持っていて、コンサルティングもきちんと予定通り対応してくれるというパターンです。概ね業績好調の会社が、未来に向けたさらなる投資を考えていると言った場合に多く見られるパターンです。
今一つは、とにかく社長が忙しく、コンサルティングの予定もなかなか決まらない、決まったとしても変更が頻発するようなパターンです。スタートアップ前期や、ワンマン経営で右腕が育っていないような会社でよく見られます。
なかなか難しいのが後者の場合で、特に「仕組みを作る前に売れてしまった」「昔から社長は忙しいものと決まっている」という会社の場合、仕組みづくりを提案してもなかなか話を聞いていただけないことが多いのです。
この場合、社内に仕組みを作ることは経営者の時間を作ることとほぼ同値なのですが、「時間ができたらもっと営業したい」「他にもやりたいことがある」という考えの経営者が多く、仕組みづくりなんかする暇があったら少しでもビジネスに取り組みたい、という反応が返ってくることが多いのです。
準備を整えることでリターンを多くするという意味で、仕組みづくりは職業教育にも似たところがあります。世の中は、ドライバーやエッセンシャルワーカーなどを筆頭に慢性的な人手不足が続いており、高卒人材の就職は奪い合いの状態だそうです。
他方で大学そして大学院への進学率も高止まりしているのですが、仮に定年を65歳とすると、どう考えても高卒の方が長い期間働けるのですから、生涯賃金が高くなっても良さそうなものです。ところが現実には明らかに学卒・院卒の方が給料も高くなり、チャンスも広がるため、そちらに惹かれる人がどうしても多くなる、ということのようです。
どこぞの政党が「手取りを増やす」と言って先の衆議院選挙で躍進を見せましたが、本当に手取りを増やしたいなら、相応の準備をしっかりすることに尽きると言えます。経営者も同じでたとえ走りながらでも、しっかりとした準備=仕組みづくりに手を打つことが、結局は実入りを多くしてくれるのです。
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