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第266話 ショールーム営業コンサルティング成功の秘訣はクライアントにあり

SPECIAL

ショールーム営業コンサルタント

株式会社バファローコンサルティング

代表取締役 

異色のショールーム革新経営コンサルタント。体感型ショールームの構築と独自のイベント活用型営業力強化法で、増員なしでも売上・利益2倍3倍化を実現させてしまう専門家。これまで営業現場30年以上の実務経験と100以上のショールームイベント指導で、売上伸長率150%という成功実例を次々と演出。

 

「いや~、私は住宅のことは、よく分かりませんから…」

こう話すのは、ある建設会社の社長です。この会社は土木部門のほかに、建築部門を持っています。受注先は国、地元自治体、民間の法人と個人です。今回は、この会社の住宅建築部門のお話です。

この会社は、地方の総合建設会社として地域No.1企業です。土木が本業で、地域密着企業として、社長曰く「十分に儲かっている」ようです。儲かっていますので、地域貢献も社会貢献もできています。

よく「地域密着」と言いますが、その地域だけで事業を行っているだけでは地域密着とは言えません。そこには地域貢献、社会貢献が必要です。地域貢献、社会貢献できているから、地域からも社会からも認められて、ますます儲かるようになります。

さて、本業の土木は儲かっていますし地域からも認められていますので、知名度は高いし信頼感もあります。公共工事の入札は当然Aランクです。

ところが住宅部門は儲かっていません。高品質の住宅を提供しているのですが、知名度は低いし信頼感もありません。簡単に言えば、売れていないということです。「いいモノを作っても売れない」の典型です。

モデルハウスで毎月イベントを開催しますが、集客ができません。集客できたとしても冷やかしばかりで、来場記念の品を渡しただけというのがオチです。

なぜ売れないのか? そこが分かれば苦労はないのですが、これといった原因はつかめていません。営業がたるんでいるとか、新聞折り込みチラシがイマイチだとか、ターゲットが絞れていないとか、小さな市場で商売しているからだとか…。

確かに、それらが原因だと言えなくもありません。何か上から撫でたような営業ですし、チラシにしても特徴がありません。どこかにあるものをコピペしたようなチラシです。

しかし、それは根本原因ではありません。戦術・戦略が上手く回っていないのは、他に原因があります。それが冒頭に社長が発した言葉にあります。

「私は住宅のことは、よく分かりませんから…」

この言葉に象徴されるように、社長は住宅部門に関心がありません。もちろん業績が悪いのには心を痛めていますが、会社全体としては儲かっているから、自分は土木出身で住宅建築は専門外で分からないから、というのが言い分です。

社長がそんな無責任でいいのか?と言いたいところですが、そこは他の役員に任せているから、あまり口出ししてもいけないと思って…というのが口癖です。

社長から任されている住宅部門の責任者(取締役)は、決定権者ではありません。モデルハウスイベントの開催も、新聞折り込みチラシのデザインも、ましてや市場の選定などという戦略的な権限もありません。すべては社長の許可が必要です。

「住宅のことが分からないから任せている」にもかかわらず、権限を渡さないとか口を出すとか、「言ってることとやってることが違うじゃない」と言うなかれ。これが一般的な中小オーナー企業です。

しかし、そう言っても始まりませんので、社長に対しては丁寧に説明をしながらコンサルティングを進めていきます。そして、納得していただいたうえで具体策を実行に移していきます。

世の中にはショールームが使えないとか、どう活用すればいいか分からないとか、そういった経営者の方が多くいます。そして、中小企業がショールームを作っても成功しないと言われています。

これは中小企業経営者の能力を表現したものではありません。ショールームを回すしくみ、組織、戦術・戦略がないことの表れです。

加えて、中小企業特有の原因があります。それは経営資源が相対的に少ないということです。特に人とお金が不足しています。

そしてもう一つ。「ショールームを活用しなければ生きていけない」といった危機感の欠如です。皆さんは疑うかもしれませんが、これが最も大きな原因です。

この会社のように「土木で儲かっているから」とか「住宅建築はよく分からないから」などと言ってはばからないような社長では、永遠にショールーム(モデルハウス)を活用することはできないでしょう(それを何とかするのがコンサルタントの役目とも言えますが)。

ショールームを活用して儲けている会社は、目的を持ってショールームを作っています。そして、ショールームがなければ商売にならないと思っています。それだけ真剣だし、腹が据わっているということです。

腹が据われば言動に表れます。そうすれば、ほかの役員も社員もその気になります。必死になります。親分が必死なのに、子分がのんびり構えているなんてありえないでしょう。

ショールームをうまく活用して売上利益を上げていく。これにはショールーム営業の戦術・戦略が非常に重要です。その前提として、社長が腹を据えることが必要です。それにより、ほかの役員も、社員も、その上コンサルタントもその気になります。

あなたはショールーム活用に腹が据わっていますか? まさか、道楽でショールームを作ったんじゃないでしょうね。

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