潰れない会社の社長に金融機関が集まる理由
財務を中心とした会社づくりには、最低でも1年はかかります。しかも、派手な取り組みとは真逆の、地道で骨の折れる経営の実務です。
しかし、財務の実務は、コツコツ続けることで、やれば努力が必ず実を結びます。半年を経過した頃から、
「今月は、過去最高の利益を達成できました!」
「預金残高が昨年の2倍になりました!」
「数年振りに単月で黒字になりました!」
といった声が聞こえ始めます。
こうした喜びの声を聞くと、何度も何度も一緒に喜び、その努力と社長の英断を褒め称えます。なぜなら、この瞬間こそが、当社にとっての、もっとも喜ばしい最高のひとときだからです。
多くの社長は「このままでは会社の先行きが不安だ」とか「何とかしなければ」と口では言いながらも、結局のところは具体策がないまま、漠然と日々を過ごしています。
その結果、借入依存や資金不足、赤字体質の悪循環に陥り、気づいた時には身動きが取れなくなってしまうのです。
だからこそ、真剣に会社の未来を考え、行動し、決断し、粘り強く実行する経営者は貴重な存在です。そして、一度成功し始めると、多くの金融機関が注目し始めます。
経営には、いつの時代も変わらない原理原則があります。その中で最も重要なのが、経営課題を解決する優先順位です。お金に困らない社長は、まず「お金」の問題に取り組みます。
なぜなら、新規事業の立ち上げ・設備投資・人材採用など、経営のあらゆる課題は、ほぼ100%と言ってもいいくらい、「お金」があれば全て解決していくからです。
だからこそ正しいやり方で、正しい優先順位で経営課題を解決した社長から成功していくのです。
言うまでもなく日本全国には、たくさんの金融機関があります。
融資姿勢は金融機関によって異なるものの、経験のある銀行員なら、経営者が「財務中心の会社作り」の経営をしているのか、それとも財務を知らない「財務不在経営」の経営をしているのかをすぐに見抜きます。
経営基盤が強化されると、取引銀行との条件が改善されるだけでなく、新たな金融機関からの営業も増えます。
なぜなら、金融機関は、経営が順調な会社ほど「融資したい」と考えているからです。だからこそ、取引のある銀行はもちろん、飛び込み営業で銀行の営業マンがやってくるのです。
一方で、財務を理解していないと、取引銀行との距離がどんどん広がっていきます。担当者から、「上の者と相談しますね…」とか「少しお時間をください…」といった言葉が出たら、危険信号です。
こういった対応をされると、「銀行が話を聞いてくれない…」と言いたくなります。
ですが、金融機関は「貸したお金がちゃんと返ってくるかどうか」を重視して判断しています。具体的には、財務内容(数値面)と経営者の資質(非数値面)の両方が優れた会社には、融資をしたいのです。
そういう意味では当社のクライアントは皆、金融機関にとって、理想的な取引先なのです。だからこそ、当社のクライアント企業からよく、このようなご相談をいただきます。
「最近は金融機関からの営業が多すぎて、少し困っています。」
「銀行の営業の電話が、ひっきりなしにかかってきます。」
「飛び込み営業や支店長のトップ営業が増えて、時間を取られます。」
経営者が意図しなくても、お金の方から自然と社長のもとに集まってくるのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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