分析結果をどう使うか
自社の経営分析ができているか、と問われてイイエと答える経営者はいないと思いますが、それではその分析を可視化できているか、と問われたときにハイと自信をもって答えられる経営者は、実はそれほど多くないのではないでしょうか。
最近では様々なサービス提供者が便利な機能を提供してくれていますから、データの可視化は意外とできているのかもしれません。会計ソフトやネット銀行でも顧客サービスの一環として、黙っていても数字を提供してくれるくらいのことは当たり前になりつつあります。
でもそれだけではせっかくの情報を生かしていることにはなりません。分析結果を何に使うか、どう使うかが全く見えていないからです。もっと言うと、そもそも何のために経営分析をするのか、そこが見えていないと数字がピンボケなものになってしまいます。ピンボケをいくら積み重ねたところで良い経営判断につながらないことは明らかだと思いますが、違いますか?
経営分析の数字は、「それが何を物語るか」についての変化をしっかりと見極めるための道具です。損益分岐点が上昇するとしたら固定費の膨張を疑うべきですし、営業利益率が伸びる陰にはそれまでの種まきが奏功したという事実が隠れている可能性があります。
経営者として何を知りたいのか、何を知るべきなのか、誰に何を知らせるべきで、その理由は何なのか。そういった考え方を明快に整理できていないと、氾濫する数字に溺れてしまい、結局何もしない方がよかったというような展開にすらなりかねません。
当社がお勧めしているのは、まず世の中に語り掛けるべきことを前面に出してみましょう、ということです。それは会社としての意見でもあり、経営者としての主張とも言えると思います。意見や主張を述べるには、はっきりとした根拠としっかりした説明能力が求められます。ないならそれを鍛えること、それこそが私たちコンサルタントがお手伝いできる要素なのです。
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