時代を超えて売れ続けていくためには?
「昔はこんなにお客の開拓に苦労はしなかったんですがね。最近は世間がうるさくて何かと決まりが難しくなったのか、それともネットや通販の拡大で営業のやり方が大きく変わったのか、何にしても大変な世の中になりましたね・・・」
先日ご相談にいらっしゃった社長様と、新規の顧客開拓について話題になりました。確かに、私も営業マンの駆け出しだった頃は個人情報保護や各種規制も今ほどうるさい時代ではなかったし、詐欺や悪徳商法もこれほどまでに騒がれた時代ではありませんでした。DMやテレアポをしても「何を見て来たんですか?」などと怒鳴られることも少なく、もう少し“ゆるい”空気だったかもしれません。
また、営業マンなら誰しも「営業は足で稼ぐ」という言葉を一度は聞いたことがあると思いますが、御用聞きのように足しげく通えば何かしら1件契約をもらえた時代でもありました。足で回れた分だけモノが売れた時代が懐かしく思い出されます。
確かに、今や私達の周りにはモノや情報が溢れており、馴染みの商品なら通販で購入した方が確実に安いし、ある程度の情報は見込客の方が知っている・・・なんていうことも良くあることです。
しかし、先ほどの社長様の会社はそればかりでは無いようです。
以前、会社がまだ小さく、社員の数も現在の3分の1程度だった頃は、社長がトップ営業マンとして新規の開拓をして歩いたそうですが、徐々に規模が大きくなり、最近では営業部長が束ねる営業マン達が毎日必死になって見込客の開拓をしているそうです。中には、他社で優秀な業績を上げた営業マンもヘッドハントされており、傍目には何の問題も無さそうですが・・・。
そこで、その会社にご訪問をして、一人の営業マンに実際の営業現場を再現してロールプレイをして見せてもらいました。その営業マンは、見た目もスッキリと清潔感があり、あいさつや言葉づかいもバッチリ!商品知識も豊富で完璧なモデルロールプレイでした。
でも、何か物足りないんです。
何が足りないのか?と考えていて気がついたのは・・・その人の「想い」が何一つ伝わってこなかったのです。
「どうしてこの商品を売っているのか?」
「なぜ自分の会社でなければならないのか?」
「どうして他の会社・他の商品ではダメなのか?」
これらは、日頃から常に考えていなければ社員の口から容易に出てくるものではありません。
昔、社長が現役の営業マンだった頃に苦労しないで売れた理由の一つはこんなところに隠れていました。会社や商品に対する情熱やこだわり、そして、自分にしかできないと言い切る力です。これらが伝わることなく、口先ばかりで営業をしている部隊だから、新規開拓も思うように進まず、価格勝負に走ってしまっているのです。
時代に沿って変化するものもあれば、時代を超えても変わらない大切なものもあります。
経営者の皆さま。御社の大切な“こだわり”・・・きちんと伝わっていますか?
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