第458話 アルバイト応募を断る店長が出るほど、各店を働きたい人待ちに変えた事例
「人手不足は、売上や規模が増えていけば勝手に解消していくだろう」
「どこかそう考えてました」
ある社長が振り返っておっしゃいました。
かつては、ほぼ全ての店舗で人手不足の状態だったのに、今やチラホラと「働きたい人待ち」に変わったお店も増え、手応えを感じていたタイミングでの発言でした。
変えられたきっかけは何だったのか?
それは私、私からの質問でした。
「〇社長、『売ろうとしている努力』 はわかりました」
「では、『従業員に売ってもらおうとしている努力』 はどんなことをされていますか?」
・・・・
社長は昔から
「会社全体でもっと売るには?」
はもちろん
「次は1人でも多くの従業員に、1つでも多く売ってもらいたい」
というお考えも同時にあり、
「今週はこれやろう」「来週はこうしよう」
と努力を重ねていたのですが、それがいつしかやらなくなっていたのです。
理由は「効果を実感できなかったから」
この感覚は私もよくわかります。
私としてはIT関連で感じているからです。
独立起業し「さてこれからネットを活用して宣伝していこう」
そこまでは順調だったのですが、そこからが嫌だったのです。
その理由は横文字だらけだからです。
サーバー、ドメイン、ワードプレス・・・
まぁまぁ、・・・なるほど。しかし更に
グーグルアナリティクス、タブマネージャー、インプレッション、コンバージョン、PHPにCGI・・・
一体何語? 未知の事の連続に「イギャ~ッ」
「頼むから日本語でしゃべってくれ!」
となることも。
ただ、だからといって
「もういらん!、知らん!」
とさじを投げ、誰かに、もしくは業者に丸投げしたいという選択肢も存在しますが、そういうわけにもいきません。
なぜなら
私がどう使いたいか?は、私しかわからないからです。
どの企業であっても
経営者が、どうしたいのか?
これには正面から向き合わなければなりません。
どんなに大変でも、どんなに困難でも、ここを突破しないと経営者自身の強みが失われてしまうからです。
世の中には便利なサービスが溢れています。
メール一つで担当者がついてくれたり、
ボタン一つで新たなサービスを利用出来たり。
しかし、気を付けなければならないのは、自社本意の結果を出せるかどうかです。
多いのは
「私達はこのようなサービスを用意しました」
「御社にはこんな具合に使ってもらいたいと想定しています」
そんな定型がすでにできあがっているものです。
これらのサービスを使うな、と言いたいわけではありません。
ただ、ユーザーの強みを生かすことが難しくなっているということです。
ちなみに弊社のコンサルティングはそうなっていません。
クライアント企業の社長の意向が主となるように「伊東が仕組みづくりのお手伝をします」という形をとっているからです。
店舗ビジネスの人の面において
「どうしたら社員、スタッフさん達がより多く売ってもらえるのか?」
これの実現はとても困難です。
あの手この手をうっても、なかなか思い通りになっていきません。
あまりの手応えの無さに、こう動く社長もいらっしゃるでしょう。
「〇〇君、指導方面は君に任せた。よろしく」
「■■社さん、弊社の従業員教育を御社にお願いできませんか?」
しかし、本当にそれでいいのでしょうか?
・その選択は、社長の思い描いていたイメージに通じているでしょうか?
・もしかしたらその先にあるのは、他人がイメージしたゴールではないでしょうか?
あの手この手を何度うっても効果が現れなかった。
一見、イバラだらけで歩くだけでも傷だらけになってしまう道です。
しかし、実はそんな道にも企業経営者にとってうれしい側面があります。
それは「苦労するのは最初だけ」です。
その道に真っ先に社長が突き進むことさえできたらこっちのものです。
後はあれこれ細かく整地してあげる必要がありません。
なぜなら、会社には優秀な社員や敏腕なスタッフ達がいらっしゃるからです。
イバラで傷だらけになった社長を見れば、彼らはすぐに追いかけてきてくれて、素晴らしい道に整地してくれることでしょう。
働く人達が多くなる「店舗を持つ形のビジネス」において、重要なのは
「売ろうとする努力」はもちろん、
「売ってもらおうとする努力」です。
世間には
「あの会社の技術力は凄い」
「とてもマネできない」
そんな強みがあるものの
「でも、倒産してしまった」
そんなケースが溢れています。
主な理由は、
「技術を磨こうとする努力」はしていたが
「技術を知ってもらおうとする努力」が弱かったからです。
いざ社長が
「よし、売ってもらおう」
と動いたとしたら・・・?
もしかしたら、何処も人手不足という厳しい今ですから、最初は手応えが感じられない日々が続くかもしれません。
しかし、私は断言します。
その努力の方向が正しく、日々コツコツ積み重ねられていれば、冒頭でご紹介した社長の企業のように、必ずこんな日がやってきます。
「社長、今度は△△君がこんな結果を出してくれました」
「社長、〇〇店ではもうシフトに空きが無いから、応募を断ってもいいですか?と言われたんですが」
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。