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会社経営を支える情熱と信頼

SPECIAL

トラスタライズ=信頼を対価に変えるコンサルタント

トラスタライズ総研株式会社

代表取締役 

企業の「信頼を対価に変える」専門コンサルタント。独自の「トラスタライズ手法」を用いて、見えない信用や信頼を、目に見えるカタチに変え、対価へと変えることで多くの経営者から注目を集めている。企業経営において社会・顧客双方の価値の創出が求められる時代にあって、「信頼」を切り口に、顧客企業が売上・利益を向上させられる手法の研究・提言を行っている。

経営者の”情熱”は、事業を動かし周囲を惹きつけるだけでなく、取引の初期段階での”信頼”の補強につながるため、意図的に打ち出していくことが有効です。

「経営者として大切なのは何よりも”情熱”だと考えていて、社員にも何百回も言っているんですよ」

先般、売上向上のためのご支援をさせて頂いたU社長から、このようなことを言われました。どのような仕事であれ、最後にモノを言うのはどれだけやり切れるか、ということですから、社長や従業員が仕事に情熱を持ち続けることが、その成否を左右します。

今回は、経営者の「情熱」と「信頼」の関係についてみていきましょう。


■”情熱”は信頼を構築・補強する上で有効な要素のひとつ

経営者、特に創業者と呼ばれる人々は、何かを実現したい、成し遂げたいという想いを強く持って、会社を立ち上げることが一般的です。事業を動かしていく上では、大きな困難が待ち受けていることも決して珍しくありません。しかし、持ち前の情熱をエネルギーに変えて、その困難をどうにか乗り越え、事業を成長させていきます。

実際にこうした状況を経験した経営者であればあるほど、一緒に仕事をする相手にも「情熱」を求める傾向にあります。仕事をしていれば、多かれ少なかれ困難に直面することもありますが、そんなときに情熱・熱意が支えとなることを身をもって知っているからです。

ビジネスにおいて、情熱や熱意を伝えることは、取引を前に進める効果が期待できます。一般的な人間関係においても、何か物を頼むときには、他の条件が同じであればやる気のある人に頼みたいと考えるのはごく自然なことといえるでしょう。

なぜそれをやりたいのか、自社ならできると言えるのかを、自分の言葉で力強く表現することで、多くの場合、他人にアピールする力が生まれます。綺麗ごとのように聞こえてしまうことが懸念されるとしても、真剣さを伝えることがまずは大切です。

この情熱や熱意による訴求は、特に信頼の構築が進んでいないときに有効です。これまでのコラムでも述べた通り、ビジネスにおける信頼というのは、取引によって受け取れる価値の期待値を大きく左右します。しかし、例えば創業間もない状態で実績が乏しい、あるいは何らかの事情で信頼を大きく損ねてしまっているときに、情熱や熱意を示すことで、それを補う効果が期待できます

過去のコラムで、能力と姿勢が信頼を形成する両輪であると述べましたが、実績が乏しい等、能力を客観的に証明できない状況において、”情熱”により姿勢の方の訴求力を大きく強化できるということです。ただ、過去にも述べた通り、信頼の訴求においては能力と姿勢は最終的にはどちらも高める必要があります。情熱だけを訴求しても、本当の意味で信頼が最大化することはありません。「これだけやる気があるならお願いしてみようか」と思われるうちに結果を出し、客観的な訴求材料も構築していかないと、情熱だけではいずれは「暑苦しいだけの人・会社」という評価で終わってしまいます。


■経営者の夢から会社のビジョンへ

経営者であれば、従業員にも情熱をもって働いてもらいたいと思うのは自然なことです。しかし、それがなかなか難しいことも、実感されている経営者の方も多いと思います。

残念ながら、従業員をはじめとする関係者が、経営者と同じ方向性・レベルで熱意を持てるとは限りません。むしろ、難しいのが当たり前といった方がよいかもしれません。

その理由の1つは、置かれた環境の違いです。一般的には、経営者の方が従業員よりも切羽詰まった状況に置かれやすく、「頼れるのは自分だけ」という場面も頻繁に訪れます。そうなると、自分の力で何とかせざるを得なくなるため、開き直りではないですが、心理的なエネルギーが生まれてきやすくなります。

しかし、経営者と従業員の熱量が異なることには、もっと大きな理由があります。それは、経営者と従業員ではそれぞれの人生において目指すものが異なるため、会社が経営者の夢の実現にフォーカスされているとしたら、従業員側の目的がそれに完全に合致することは通常考えにくいです。従業員は従業員で、人生の中で実施・実現したいことがあり、当人が言語化できているかはさておき、それは人によって異なることが普通だからです。

とはいえ経営者が、独りよがりでない、多くの人に受容・共感される大きなビジョンを掲げることができたならば、従業員の側にもそこに向かおうとする情熱・熱意が生まれてきやすくなるでしょう。

その勢いを維持・継続させていくために、「小さな成功」を少しずつ積み上げていくことも、多様な人々を巻き込んでいく上では重要なことです。

経営者の夢を会社のビジョンに昇華させること。そしてそのビジョンがすべての人にとって自分事になるよう社内に定着させていくこと。これが従業員や関係者の情熱を引き出し、信頼関係を構築していく上では非常に大切なのです。


せっかく経営者という立場で仕事ができるのです。情熱を前面に押し出し、周囲の情熱も引き出していく。そして結果を出して、自社の信頼も高めていく。信頼と情熱を連動させることで、会社の推進力をさらに上げていきましょう!

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