明日を見る力とは
リーダーに求められる力には様々なものがあります。運を引き寄せる力、決断力、包容力、実行力など、さまざまですが、その中で最も重要な力として私が常に申し上げているのが「未来を見る力」あるいは「構想力」、みたいな要素です。
未来について語るとき、人はどうしても「今ある姿」を前提にしがちです。たとえばクルマは走るもの、そして運転するもの、燃料補給が必要なもの、といった具合ですが、空飛ぶクルマや自動運転、そして自宅で充電できるEVが普及するのもそう遠い将来ではないと考えられていることからも、「今ある姿」とは違う何かを構想できることの意義がお分かりいただけるのではないかと思います。
前向きな話ばかりではありません。たとえば日本の人口は、2050年には1億人を割りこむだろうと言われています。今より2千万人も少なくなる状況はなかなか想像しづらいものがあると思います。あるいは南海トラフ地震も起きることでしょうし、気候の温暖化は一層進むものと思われます。
そんな中で自社がどうあるべきかを考えるために、今ある自社の延長線に固執することがほとんど意味を持たないことは自明ではないかと思います。
私がそう言うと、他についてはわからないから未来予測についてはとりあえず延長線で考えるしかない、みたいなことをおっしゃる方がいます。でもそれだとしっかりと将来を考えたことにはならないのではないでしょうか。単に未来を考えるためだけに未来のことを考えているわけではなく、今どうすれば良いかを判断するために考えるのだとすれば、そこで議論されるべき構想は、可能な限り現実的でより持続可能性の高いモデルを追求すべきであり、いつまでも盲目的にクルマと言えばガソリンスタンドへ通う、といった前提ではいられないはずなのです。
そのような視点で構想力を磨くために、ぜひ様々な本を読まれることをお勧めします。デジタル文化の時代に本なんて、と思われた方もいるかもしれませんが、長い歴史の中ではぐくまれてきた書籍には、時間をゆっくりと味わうことを含めてデジタルでは経験できないような良さが多層的に含まれています。
その果てに見えてくるイメージとしての、例えばアフリカの繁栄だったり、人口減少が進む中で個々人が幸せの度合いを高める日本だったり、何かもっと多様な住民が元気そうに働いている姿だったりするビジョンの構築と共有こそ、構想力が豊かな証と言えるのではないでしょうか。
経営者として、独自性ある構想力を磨き、会社の将来ビジョンを唯一無二のものにまで高めていただきたいと思います。そしてその部分は私たちコンサルタントがお手伝いします。まだ見ない明日に向けて、勇躍羽ばたこうとする経営者を当社ではいつも全力で応援しています。
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