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会社と従業員の目指す方向性を揃え、信頼・人間性重視の経営を実現する

SPECIAL

トラスタライズ=信頼を対価に変えるコンサルタント

トラスタライズ総研株式会社

代表取締役 

企業の「信頼を対価に変える」専門コンサルタント。独自の「トラスタライズ手法」を用いて、見えない信用や信頼を、目に見えるカタチに変え、対価へと変えることで多くの経営者から注目を集めている。企業経営において社会・顧客双方の価値の創出が求められる時代にあって、「信頼」を切り口に、顧客企業が売上・利益を向上させられる手法の研究・提言を行っている。

会社や経営者に対する従業員からの「信頼」は、日々の業務において尊重されている・大切に扱われていると感じられることに加え、自社で働くことが自分の人生の自己実現につながるという確信を持てることで増幅されていきます。

今回のコラムでは、信頼や人間性を大切にしたい経営者にとって欠かすことのできない「従業員との関係のあり方」のなかで、基本的な考え方の部分を取り上げます。人事・評価施策など、従業員の処遇に関して考慮すべき点は多いものの、まずは会社として従業員にどう向き合うのか、という考え方が出発点です。会社としての将来像と、従業員がそれぞれの人生で成し遂げたいことの関係性に着目することで、ひとつの方向性が見えてくるでしょう。


■2050年の社会貢献を目指す会社の話

「2050年の社会を支える事業に育てていきたいんだよね」

これは先日、ある会社の新規事業の計画について打ち合わせをしていた際に、社長が仰った言葉です。この会社は特定の製品の処理やリサイクルを手掛けており、既に様々な表彰を受けるなど、今でいうところの「持続可能な社会の実現」のために長きにわたり尽力されてきており、個人的に大変尊敬できると感じる会社のひとつです。

そして何より驚かされるのが、冒頭の言葉を発せられた社長が90歳近いご高齢であるということです。「生涯経営者」を目指すという方は多くいらっしゃいますが、こちらの社長はそれを体現されており、さらには今から約四半世紀先を見据えられているということですから、そのエネルギーには驚かされるばかりです。

とはいえ、現実的にはこの新規事業の実行を担うのは若い世代であり、彼らをサポートするための経営計画への落とし込みが進んでいます。環境の保全を通じて社会に貢献するという社長の想いを受け継ぎ、さらに高度なリサイクルを手掛けようとする若手はやりがいに満ちており、新規事業の成功を期待させます。


■「会社と従業員それぞれが実現したいこと」を合致させる

この会社をご支援していていつも感じるのは、会社と従業員がその長期的な目的を合致させることの大切さです。終身雇用の時代ではなくなってきたとはいえ、従業員は短くない年月をその会社で過ごすことは変わりません。その会社で従事する時間は、従業員の人生においての重要な一部です。

このことを前提とすれば、会社が長期にわたって実現したいことと、従業員が個人の人生として成し遂げたいことが合致していることは大切です。完全一致とはいかずとも、その会社で働くことが個人の自己実現のために助けとなるのであれば、従業員がその会社を就職先として選び、熱意をもって働くうえで大きなプラスになります。

そして多くの場合、従業員はそれぞれ異なる価値観・人生観を持っていますから、提供する”働く意義”とは、一定数の人々に強く共感してもらえるものが望ましいです。共感できる未来や理想を掲げる企業で働くことが、従業員それぞれにとって、何らかの形で自分自身の人生を充実させることにつながるー このような状態を意図して築き上げていくことで、自社と従業員の双方にとって有益な事業をつくっていきましょう

もちろん、働く側としては給与や労働環境、人間関係など、目の前の条件も重要なのは間違いありません。必要最低限の待遇で何とか安く効率的にこき使おうというのではなく、個々人が満たされる待遇を目指す、いわば「従業員を大切にする経営」も、働く意義を与えることとの両輪として実現していく必要があります。

従業員に働く意義を提供することと、彼ら・彼女らを大切に扱うこと、この両方が実現できる企業は、従業員にも大きな価値を提供できると思ってもらえる、つまり従業員から信頼される企業となっていくでしょう。


■高い理想を実現する原資を確保していくために

自社が多くの人に強く共感される理想を掲げ、実行していくためには、多大な原資が必要となります。多くの人が現状困難と考えているからこそ、将来実現したい理想としての価値が出てくるので、達成のために多くの原資が必要になることは覚悟しなければなりません。

だとすれば、その理想を目指す過渡期においては、自社がどのようにして原資を確保していくか、という手段を確保することが極めて重要になります。その時点での会社や製品・サービスのあり方、そして目指す将来像を、適切に訴求し、信頼してもらい、対価を得る。まさに「信頼を対価に変える」という発想や手法が必要になります。

逆にそのような手法さえあれば、自社が多くの人にとって共感できる高い理想を掲げ事業を推進していくことで、顧客から対価を頂くことができます。それにより、従業員をもっと大切にして、力を発揮してもらうこともできます。


そのひとつの解として、当社は「トラスタライズ」という体系化された手法の開発と提供を行っています。そのなかでは、理想の掲げ方にも留意すべき点があることがわかっており、いずれこのコラムでも取り上げていきたいと思います。

せっかく多くのもの、場合によっては人生の全てをかけて事業を取り組むのですから、高い理想を掲げ、信頼や人間性も大事にしながらぶつかっていきましょう。これからも、価値観を共有できる経営者の方と多くのご縁を頂きながら、当社も「信頼できる会社が正当に評価され成長していける社会の実現」という理想を追求していきます。

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