若さと発想力
今日はつい先日、とあるインターンシップの現場で起きたエピソードについて報告したいと思います。インターンシップと言えば、学生さんが企業の現場を経験できる機会として、現在非常にもてはやされています。企業が提供する様々なプログラムに関する情報がネットにも溢れています。
今回の事例はそれとはやや趣が違っていて、企業が抱える業務課題を解決するためのヒントを探る、というテーマを与えられた3名の学生が現場に入り、そこで得た発見を指導教員と企業側に対して報告する、というものでした。
期間は月曜から金曜の5日間ですが、実際に現場であれこれ見聞きできるのは水曜日までの3日間くらいで、木曜日から金曜日にかけては発見した事実を整理して、その原因を分析したり報告資料を作ったりすることに費やされました。
今回は分析過程において、とある観察データが観測装置のおかげでどうしても雑音が入ってしまい、本来は問題個所と認識すべきでない部分まで検知してしまうというトラブルに関する対処策が問題になったのですが、対象となる問題個所の存在自体はしっかりと認識できていた状態でのお話です。
あれこれ装置をいじって調整してみたのですが、どうしても雑音の発生は構造上防げないという点について、議論した結果「どのみち防げない雑音なら、逆にそれを最大化してみたらどうだろうか」というアイディアが出てきたというのです。
この逆転の発想で試してみたところ、相変わらず問題個所の存在についてはしっかり検知されつつも、そうでない箇所を検知してしまうトラブルは全く発生しなくなった、という結果が報告されたのは、単純に新鮮な驚きでした。
経験ある検査技術者ならいざ知らず、普段はまだ教室で勉強している20代前半の若者たちが、ごく短期間のインターンシップの中でそこまで掘り下げた発想をひねり出してくれたことは、会社側はもちろん指導教員の予想をも上回る成果だったと言えます。
今回の発見はもしかすると知的財産という形で、思ってもみなかった果実をもたらしてくれるのかもしれません。たかがインターンシップかもしれませんが、やりようによっては若者の発想力をここまで引き出すことができるということを、改めて認識させられる機会となりました。
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