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中小企業向け海外ビジネス「成功の秘訣」 ~姿勢・思考・対人の視点から~

SPECIAL

東南アジア進出コンサルタント

KJグローカル経営事務所

代表 

国内企業向けの、東南アジア市場進出の戦略・実務コンサルタント。大学卒業後20年以上の間、メーカー・商社・公的機関にて海外ビジネス(主に東南アジア・中国)に従事。東南アジア市場におけるマーケティング・拡販業務を成し遂げた後、大手自動車関連メーカーにて同社中国初の販売会社(ディストリビュータ)を立ち上げ、人事・財務・企画等の管理部門の統括などを歴任。その後、食品/アルコール・伝統工芸品・医薬品/医療機器など多岐に亘る業種のアジア市場開拓支援を経て、2018年にKJグローカル経営事務所を設立。現在同社代表。

 「過去に何度か挑戦してみたが上手く海外展開ができない。どうすればよいのか?」というご相談が中小企業の経営者から多く寄せられます。一方、海外ビジネスを少しずつ拡大し、今では国内ビジネスを上回る成果を挙げている中小企業が多々あるのも事実です。そのような成功している中小企業に見られる共通点について、今回は3つの視点からお伝えしたいと思います。

   1つ目の視点は「姿勢」です。「姿勢」と申しあげると、「熱意・やる気は充分になります」という方々がいらっしゃいますが、これは必要最低限の条件です。熱意・やる気がなければ、そもそもスタート時点に立てないのは明白です。成功している中小企業の経営者は、これらの「HOTな側面」と同時に「COOLな側面」も持ち合わせています。すなわち、自社の経営資源を冷静に把握した上で、「なぜ、海外ビジネスを始める必要性があるのか?」という大義名分を明確にされているのです。その明確化(言語化)の結果、自社の海外展開に対する【コミットメント(関与)度合い】を決定し、無理のない形で海外ビジネスに従事されているのです。

   次に2つ目の視点は「思考」です。先ほどの「姿勢」が【感覚的】な側面からの視点であるのに対し、2つ目の「思考」の視点は極めて【論理的】です。ターゲットとする市場について、データや統計を基にして時間的・空間的に分析し、FACT(事実)と仮説を導き出します。その際に重要なのは、「競合先や類似品/類似サービスについて徹底的に調べること」です。これまで使用していた商品・サービスとの比較なしに、顧客が購買行動を変えないというのは、ビジネスに従事している方なら簡単に分かることでしょう。

   最後の3つ目の視点は「対人」です。海外ビジネスを目指す日本国内企業が、馴染みのない海外市場を完全に把握することは難しいことです。そこには言語的問題以上に、日本とは異なる商習慣や商文化等のハードルが存在します。それを解決するためには、「ターゲット市場に精通している現地のパートナー企業(販売先・提携先)と協業していくこと」が必須と言えるでしょう。しかしながら、これまで育ってきた文化や基本となる考え方が異なる海外企業の経営者との交渉は一筋縄には行きません。交渉をスムーズに進め、「中長期的なビジネスパートナー」として契約にたどり着くには、相手企業を客観的に理解すると共に【自社のビジネスに対するスタンスや基準を明確に相手に伝えること】が極めて重要になります。海外でのビジネス交渉が上手くできない日本企業の多くは、自社のビジネスに対する基準を明確にしないまま、交渉に入ってしまっています。この状態では、交渉しても上手く話が進むわけがありません。

   海外ビジネスを少しずつ拡大し、今では国内ビジネスを上回る成果を挙げている中小企業は、「姿勢」「思考」「対人」の3つで上記のような視点を共通して持っています。もし貴社が大企業で充分な資金を保有しているのであれば、百戦錬磨のスーパーマン(高級人材)を雇用すれば済むのかもしれません。しかしながら、限られた経営資源しかない多くの中小企業では、そのようにいかないのが実情です。中小企業が【海外ビジネスに成功する秘訣】は「姿勢」「思考」「対人」の各項目において、【スーパーマンでなくても対応していける仕組み】を社内に構築していくしかありません。

   早いもので今年も年末まであと4ヶ月。来年からの本格的な海外ビジネスの成功に向けて、「姿勢」「思考」「対人」の視点から【社内の仕組み構築(陣の形成)】を再考してみては如何でしょうか? 

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