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米国の医療系スタートアップがすごい!手術ロボット会社の紹介

SPECIAL

ヘルスケアビジネス参入コンサルタント

株式会社ヘルスケアビジネス総合研究所

代表取締役 

ヘルスケアビジネス専門のドクター資格を持つ異色のコンサルタント。東北大学医学部医学科を卒業後、医療技術・ソリューションの発展に尽力することを決意。ジャパンバイオデザイン・フェローシッププログラム(スタンフォード大学発のシリコンバレー流医療機器イノベーションプログラム)参加などを経て、主にヘルスケア市場参入の支援機関、株式会社ヘルスケアビジネス総合研究所を創設。
これまで東証プライム上場企業を含む40社以上に対して新規事業・開発の指導および支援経験を持ち、ヘルスケア事業部の立ち上げも支援。2016年から2023年までのバイオデザインプログラム(年に1チーム最大4名)で関わった起業案件は5社、知財出願は4件、助成金獲得6件に達し、0→1の指導における高い再現性に定評がある。

皆さん、こんにちは。ヘルスケアビジネス総合研究所の原です。

 

今日はアメリカのスタートアップ企業を紹介しましょう。

Medical Microinstruments(MMI)社が開発した超精密手術ロボットが話題を呼んでいます。

MMIの「Symani Surgical System」は、まるで人間の手に魔法をかけたかのように、顕微鏡手術を可能にする革新的な技術です。

Symaniの特徴は、世界最小の「手首」を持つ手術器具です。これは、まるでミニチュアの職人が手術をしているようなイメージです。

この小さな「手」に、震えを抑える技術と動きを精密に制御する技術を組み合わせることで、人間の手では難しい、髪の毛よりも細い血管や神経の手術ができるようになりました。

具体的には、むくみの治療や、がん手術後の組織再建など、これまで「難しい」と言われてきた手術に使われています。

Symaniを使えば、患者さんの体への負担を減らしつつ、より細かい作業ができるため、手術の質を大きく向上させられるのです。

MMI社の成長ぶりも注目に値します。2024年には110億円(約1億1000万ドル)の資金調達に成功し、これまでの総調達額は227億円(約2億2715万ドル)に達しました。

この資金を元手に、MMIは世界進出を加速させています。イタリアに本社を置きながら、アメリカやアジアでの販売も始めており、特にアメリカでは2024年に初めての手術に成功するという大きな一歩を踏み出しました。

MMIの商売の仕方は、病院やクリニックに直接Symaniを販売するB2B(企業間取引)モデルです。

さらに、アフターサービスや医師向けのトレーニングプログラムも提供し、継続的な収入を得ています。また、他の医療機器メーカーとも手を組み、Symaniの普及に力を入れています。

投資家からの評価も高く、世界的な投資会社であるFidelity Management & Research Companyなどから資金を得ています。これは、MMIの技術と将来性が認められている証拠と言えるでしょう。

MMI社の目標は、この革新的なロボット技術によって、より多くの外科医が高度な微細手術をできるようにすることです。

これは、まるで多くの外科医に「超人の指」を与えるようなものです。結果として、これまで治療が難しかった患者さんにも新たな希望をもたらすことができます。

Symaniの登場は、外科手術の世界に新しい扉を開きました。今後、この技術がさらに進化し広まることで、より多くの患者さんが高度な治療を受けられるようになると期待されます。MMI社の挑戦は、医療の未来を大きく変える可能性を秘めているのです。

 

このコラムでは医療・ヘルスケアビジネスに関係する情報やノウハウをお送りしています。

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