最適なコンサルティングを今すぐ活用する!

仕事に優先順位をつける必要はあるのか?

SPECIAL

ストック型営業戦略コンサルタント

株式会社南澤コンサルティング

代表取締役 

売上増と安定を同時に手にできる「ストック型営業」の仕組みづくりコンサルタント。
26年間にわたるカーディーラーでの営業経験(その中で店長として5店舗を15年間にわたり統括)から得た知見と実践を通じて、「ストック型営業」の仕組みを独自に構築。「人」を最も重要な資源と位置づけながら、限られたリソースを最大限に活用し、機動的な戦略を決定し、実現するための仕組みづくりを推進することで定評。

 

南澤先生、優先順位をつけて仕事をするように部下に指導していますが、なかなかそれができなくて困っています。」ーーーこれは、クライアント企業に依頼された管理者研修の際に、管理職の方から出た一言でした。

 

この管理者自身は優先順位をつけて仕事をするのが得意であり、それについては強い自負を持っていました。そのため、自分の部下が優先順位をつけずに仕事をしていることに苛立ちを隠せない様子でした。

 

このような経験は、部下を持つ多くの管理者が共有する悩みかもしれません。あるいは、上司が部下に対して「優先順位をつけて仕事をしろ」と指導する場面を思い浮かべる方も多いでしょう。

 

たとえ部下を抱えていなくても、同僚が優先順位をつけていない場合、優先順位を重視する人にとっては歯がゆく感じられることもあります。

 

業種・業界によりますが、基本的には「仕事に優先順位をつける意味があるのか?」と問われれば、答えは「あります」となるでしょう。

 

特に、緊急ではないが重要な仕事を決め、それを日々実行していくことが重要です。このために、緊急度と重要度のマトリックスを使用してタスクを整理することは非常に効果的です。

 

まずは、タスクの視覚化を行い、全ての仕事の見える化を行います。そして、マトリックスを使うことで、優先順位をつけることができます。また、時間軸をブロックで分けることも有効です。さらに、定期的な見直しを行ったり、場合によっては人に委任したりすることで、生産性が高まっていきます。

 

このように中長期的な目標達成のためには、優先順位をつけることは非常に意味があります。しかし、日々の業務にこれが当てはまるのかというと、それはまた別の話です。

 

私自身も営業時代や店長時代にこのマトリックスを使用していましたが、実際の現場では「時と場合によって」優先順位をつけて仕事をしていました。繰り返しますが、「時と場合によって」です。

 

営業時代の優先順位は実に明快でした。最優先はクレーム対応(謝罪)、商談(アプローチを含む)および納車でした。

 

実際の営業経験者なら、それだけ?と思うかもしれません。それ以外にも多くの業務がありましたが、本当に優先していたのはこれだけです。もちろん、毎日計画などを立てていましたが、優先順位を意識していたのはこれらの仕事だけでした。

 

それ以外は、優先順位をつけなかったのか?と言われると、無意識にはつけていたかもしれませんが…優先順位をつける意識はありませんでした。特に、訪問型営業から来店型営業に変わった後はその傾向が顕著でした。

 

そもそも優先順位をつけるにはそれなりの時間を要します。しかし、販売や営業の現場では、優先順位を考える時間があるならば、やれることをさっとさと片付けた方が結果的に良いことが多いのです。

 

特に、現代のカーディーラーなどの来店型店舗では、営業時間内にひっきりなしに顧客が訪れることが一般的です。

 

このような環境では、目の前の顧客対応が最優先となり、営業時間内に優先順位をつけているような余地はほとんどありません。営業時間が終わった時に、初めてそのような時間が訪れます。

 

現場での経験から学んだことは、「とにかく手を動かして片付ける」ことが最も効率的な場合が多いということです。特に人手不足の現代では、この傾向がさらに高まっています。

 

では、本当に仕事に優先順位をつける意味がないのか?というと、決してそうではありません。このような環境におかれることが多いからこそ、事前に仕事の優先順位をつけておかなければならないのです。

 

ここでは、細かい仕事の順番をつけるのではありません。会社として、店舗として「これだけは」という重点方針を決めておくことです。そうでなければ、何も実行されません。

 

そのためには、あれもこれもやろうと総花的な方針は意味をなさないのがわかるはずです。会社として、店舗としての重点方針を決める必要があります。

 

そのような明快な方針があってこそ、忙しい中でも重点事項が実行されることになります。方針がなければ実行されませんし、やたらに多すぎる方針も結果的には同じです。

 

私の経験では、日々の業務中にあれこれ優先順位をつける意味はあまりありません。一つ一つ目の前の仕事を確実にかつスピーディーにこなすことが一番の方法です。しかしながら、企業、店舗としての重要な方針などを決める意味での優先順位をつけることは極めて重要な意味を持ちます。

 

そして、そのような方針が徹底されること、そのような企業風土、文化が醸成されることによって、個人も本当の意味で自分自身の中で優先順位をつけて取り組みことができるように育成されます。

 

貴社では、重要な方針を絞るなど、優先順位をつける仕組みがありますか?そのような企業風土・文化を醸成していますか?

 

コラムの更新をお知らせします!

コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。