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自社の「信頼」を具体的に説明できますか?

SPECIAL

トラスタライズ=信頼を対価に変えるコンサルタント

トラスタライズ総研株式会社

代表取締役 

企業の「信頼を対価に変える」専門コンサルタント。独自の「トラスタライズ手法」を用いて、見えない信用や信頼を、目に見えるカタチに変え、対価へと変えることで多くの経営者から注目を集めている。企業経営において社会・顧客双方の価値の創出が求められる時代にあって、「信頼」を切り口に、顧客企業が売上・利益を向上させられる手法の研究・提言を行っている。

「信頼」という言葉だけで満足せず、具体的な定義を行うことで、対価の源泉となる要素を明確化し、訴求効果の向上を狙っていくことができるようになります。

「信頼できる会社から製品やサービスを買いたい」、「信頼できる会社と取引したい」・・・

そのように考える人や企業は多いでしょう。あるいは「お客様からの信頼が何よりも大事」と従業員に教え込む企業もあります。

しかし、次の問いに社内の共通認識をもって答えられる企業は実はそれほど多くありません。それは「御社の掲げる信頼とは具体的に言うと何ですか?」という問いです。


■信頼を掲げる会社は数多いが・・・

ビジネスに限りませんが、「多くの人が当たり前に知っているようで、実は認識が異なる」という言葉や表現の扱いについては注意が必要です。

よく「マジックワード」と言われる類のもので、何となくそれらしいことを言っているけれど、明確な具体性に欠ける言葉や表現を指します。例えば、よくニュースや新聞などで「国際社会の理解を得るには~」といった表現を見かけることがありますが、この国際社会という言葉が具体的に誰を指すのかは、最終的には受け手の想像に任せられてしまっています。

(ちなみに「マジックワード」という言葉自体も、ここで挙げた意味以外に、「要求を呑んでもらうための殺し文句」という全く異なる使われ方もされることがあります)

「信頼」もこれに近いものがあります。

「わが社はお客様からの信頼を第一に・・・」などというときに、「信頼」という言葉が意味するものは、製品やサービスの不具合がないこと、お客様との接点を担う人の態度・姿勢がよいことなど、様々な点がありえます。

だとすれば、経営者が声高に信頼を謳ったところで、それが具体的に定義されない限り、従業員の間で共通認識がなされることはありません。それどころか、従業員それぞれが異なった解釈をしてしまい、異なった方向性を目指すといったことも起こりえます

だからこそ、冒頭に述べた「御社の掲げる信頼とは具体的に言うと何ですか?」という問いは重要な意味を持つのです。


■信頼を具体化する

「信頼」を具体化する際に当社がおすすめしているのは、自社の「提供価値」とセットで考えることです。多くの場合、企業が求められる「信頼」というのは、その相手が顧客であれ、従業員であれ、社会であれ、取引を通じ「①価値が期待通りに提供されること」と「②悪影響につながらないこと」の2点に集約されます。

この両者について、まずは自社が確実に実施できる体制・能力を持ち、かつそれを伸ばしていくこと。そしてそのことを、相手に効果的に伝達すること。これにより、自社に対する「信頼」は形成・評価されていくのです。

 特に①については、自社が提供する価値が何であり、それが相手の求めるものと整合しているかを具体的に確認していくことが、その評価を高めます。シンプルに言えば、相手は「自分の求めるものが何かをわかってくれていて、それを確実に提供してくれる」と思えるときに、自社を「信頼」できると感じるということです。

ですので、「信頼」を経営上重視する概念のひとつとして掲げる場合には、「自社が提供する価値」と「その提供の確実性を上げるための施策」の2つが、誰の目から見ても具体的かつ明確になっていると、非常に説得力が出てきます

ただ単に「お客様からの信頼を大切にしています!」と漠然というのに比べ、
「〇〇の価値を△△を用いて確実にお届けすることで、お客様からの信頼にお応えします!」といった形で訴求する方が、より取引につながりやすいということです。

なお、この「自社が提供する価値」がそもそも何かという点も、思い込みが先行して社内で認識が分かれやすいポイントではあるので、実務にあたっている人の意見を聞くことが大切です。


■信頼と価値の関係

このように考えていくと、信頼と価値はいずれも相手にとって大切な要素ではあるものの、意味合いは全く異なることがわかります。あえて端的に表現するならば、「価値は絶対量、信頼は確率」であると当社は考えています。

例えば、ある商品を顧客が使用したときに100の価値を感じるとするならば、この商品の価値は100です(少なくともその顧客にとっては)。一方、購入を決断する段階では、本当にそれが100の価値を持っているかはわかりません。もしかしたら不良品を掴まされるかもしれませんし、そもそも正しく提供されないといったリスクも絶対にないとはいえません。

このとき、提供元が絶対的な信頼を備えている会社であれば、期待する100の価値がそのまま100%提供されるだろうと推測することができます。逆に、あまり信頼できなそうな会社であれば、価値がそのまま提供される確率は40~50%程度といった推測になるかもしれません。

このように、価値が絶対量、信頼は確率の数値であると表現することが可能です。そして、この両者を掛け合わせたものが、買い手が抱く期待値の大きさであると捉えることができます。この期待値が、その時点で支払ってもよいと思える対価の額を左右するのです。


当社の「信頼を対価に変えるトラスタライズ戦略」では、こうした価値や信頼を明確にすることで、期待値たる対価を最大化していくことを目指します。

それでは改めて、「御社の掲げる信頼とは具体的に言うと何ですか?」


「信頼」はビジネスにおいて重要ではありますが、具体的に表現しにくい概念でもあります。自社なりの定義を具体化していくことで、社内外の共通認識を形成し、具体的な成果につなげていきましょう

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