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暴論?極論? 中小企業の業務システムはAIだけで良い時代が来る?

鈴木純二
SPECIAL

顧客接点強化による成長型IT導入コンサルタント

ベルケンシステムズ株式会社

代表取締役 

顧客接点の強化を軸に、業績に直結するIT導入を指導するスペシャリスト。世に無駄なIT投資が横行するのと一線を画し、顧客の利便性向上、新規取引先、深耕開拓、利用促進…などを主眼に置いた、実益のIT活用と投資戦略を、各会社ごとに組み立てることで定評。

鈴木純二

AIの発展が著しく、新聞紙面に「AI」という単語が登場しない日は無いぐらいです。生成AIの進化も著しいですし、パソコンにAIを標準搭載する動きも始まり、「半年後にはどうなっているのか誰にも想像できない時代」となりました。評論家の弁を借りれば、この状況はインターネット登場の当時と同じか、それよりも急激なイノベーションであると言えます。日本企業のインターネット活用は世界に比べて大きな遅れをとりましたので、今回は是非そのようなことが無い様にしたいものです。

それにつけても、生成AIの機能を色々試していると、その大きな可能性を感じざるを得ません。ここで、想像を膨らませて勝手に(?)近未来の(とはいっても数年先程度の)中小企業のシステムについて言いたい放題をしてみます。(※以下は私の勝手な予測であり、証拠に裏付けされているものではありません)

従業員30名で、社長や事務担当4名を除けば、後は全員製造工場の作業者であるA社でのこと。いつものように、事務担当のBさんが朝8:30に出社すると、取引先からの注文書のメールが20通ほどメールボックスに届いていた。

Bさんは、これもいつもどおりに全メールにざっと目を通した後、受注処理担当AIのCにそのメールを一括転送した。

受注処理担当AIのCは、これもいつもどおりにBさんから転送されたメールを受信したと同時に分析作業を開始し、生産計画表を更新するとともに、部品発注計画表や部品在庫計画表を更新し、あらたに発注が必要な部品の発注伝票を自動的に出力して、発注担当AIのDにメール送信した。

部品発注担当AIのDは、メールを受信した瞬間に発注伝票確認表を作成し、Bさんに発注をしてよいか確認するためのメールに添付して送信した。

毎朝5分間全社員での朝会に参加していたBさんが8:40分に自席に戻ると、すでにDからの発注確認メールが来ていたので、それをざっと見て、メールの返信でDに「発注OK」と一言書いて送信した。

DはBさんからの発注許可のメールを受信した直後に、関係する全取引先に発注伝票を送信し、納期回答を翌日までにするようにメールで依頼した。

同時に、生産実行AIのEは、Cが作った生産計画表を見て、当日製造着手するべきものを選び出し、部品のピッキングリストや製造に必要な各種帳票を自動印刷した。

8:40分に朝会から戻った製造リーダーは、Eが自動出力した各種帳票をプリンターから受取り、それを各担当者に配って今日の生産計画の確認をした。さぁ、今日も頑張ろう!・・・

・・・以後省略・・・

いかがでしょうか?ここまでの動きでは、特に生産管理ソフトや在庫管理ソフトの必要性を感じません。強いて言えば、多種類の部品を使った製品を組み上げる場合に、部品表マスターが必要とは思いますが、それも表形式のファイルが用意されていさえすれば、必ずしもデータベースに入っている必要は無いかもしれません。

ここまで考えると、従来型の複雑極まりない生産管理ソフトや在庫管理ソフトなどの必要性は無い時代が来るのかもしれませんし、必要だったとしても部分的なデータベースだけで十分になりそうです。ほぼ全企業に導入されている会計ソフトも、極端に言えばその役割は各種の表の出力ですから、きちんと仕訳してくれるAIがあれば、ソフト自体が不要になる可能性すらあると思います。

このような将来がもし本当に来るのだとすると、それは従来型の業務システムを作ってきたITベンダーさんにとっては暗い将来かもしれません。むしろ、AIに業務の方法を訓練するサービスを提供するようなサービス提供会社に変貌しなければ、生き残れないかもしれませんね。

以上、SFを書いたつもりではなく、そのような時代が来るかもしれない、と真剣に考えています。

※お約束:上記はフィクションです。このような将来が来る、ということを約束するものではありません。

 

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