少し先を読む目
「西田先生、これは使えると思いますよ。」先日、とある想定ユーザーさんに対して、コンサル先が開発した技術の説明をする機会があったのですが、そのときに頂いた力強い言葉が強く私の心に刺さりました。
とある環境規制が法律によって強化されたことを受け、目下関係する企業は対策に余念がありません。世の中がそうなるよということは数年前から言われてきていて、そのための法律が見直されたのも1年以上前のことでした。
技術開発自体はその機先を制する形で進められ、特許出願も1年ほど前に果たしていたのですが、コンサル先以外から具体的なニーズを直接聞かされたのは今回が初めてだったわけです。
今回起こったことを模式的に表現すると、以下のような流れになると思います。
1.社会課題が公式に認知される
2.法律や規制が変わる
3.企業が対策を実施する
4.市場機会が可視化される
この先どんなことが起きるのか、新しい技術は成功軌道に乗るのか、あるいはそこに至ることなく停滞するのかまでは見通せませんが、今後似たような場面で技術開発を考える上では、予め3.を一つのゴールとして工程表を描くことがポイントになりそうだ、ということはおぼろげながら見えてきた気がします。
そこから先は、社会課題解決への技術革新にかかる開発工期をどのくらいと見積もるのかが勝負の分かれ目になって来そうな気がします。そうなると、現状の技術と到達点との距離をどう測るかという目利き力がポイントになるということなのかもしれません。それがまさに「少し先を読む目」、ということになるのだと、改めて悟らされた出来事でした。
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