多くの社長が、成功し損なう理由のナンバーワンは?忙しいを理由に…
H社のコンサルティングが始まりました。
「先生、管理部の部長ですが依頼したことをやらないのですが、どうしたらよいでしょうか?」
私はその問いには答えず、H社長に御聞きしました。
「月例会議、開催されていかがでしたか?」
H社長は、少し驚きながらも答えます。
「すみません、まだ開催できていません。」
「何か理由がありましたか?」
「いえ、今月は案件が重なり忙しくて・・・」
忙しい、これこそが多くの人が「成功し損ねる」最たる理由です。
事業では仕組みを整備することで、多くの人、また、それほど能力の高くない人でも業務をこなせるようにします。
また、それを『人』がマネジメントすることで、確実に回せるようになります。
仕組みだけで会社全体が回ることはありません。
そこには必ず人を介したマネジメントが必要になります。
人は本来怠け者です。楽をしようと考えます。
また、その気分は環境や体調の影響を大きく受けるため、その働きにはムラが生じます。
それを防ぐためのマネジメントです。
人の目がある、人との約束がある、人による評価がある。
そこに「他人」がいるからこそ、「怠け心」に歯止めがきくのです。
その役目を担うのが『マネジメント』です。マネジメントとは言い換えると「怠け者対策」となります。
そして、会社における仕事には、必ず困難が伴います。
競合他社が出来ない品質を提供する、他社よりもスピードある展開をする。それが容易なはずがありません。そこには多くの手間と多くの問題が発生します。
そういう状況では、人の心は弱くなります。「できなくても仕方がない」、「まあ、これぐらいでいいかな」という言い訳や妥協が頭に浮かびます。
そんな時に「こうしてはどうだろうか」、「もう一度挑戦してみよう」と、上司からの声が力になります。また、上司や他の部署との約束が自分の背中を押してくれます。
人が人の強制力になる、人が人の支えになる、
これが、マネジメントであり組織の本質なのです。
上司と部下の関係は、スポーツ選手とトレーナーの関係に近いものがあります。
トレーナーの客観的かつ専門的なアドバイスがあるから、早期に習得や修正が可能になります。また、その存在とその声があるからこそ、そこまで頑張れるのです。自分一人では、そこまでの追い込みができないのです。
また、子供も一緒です。学校では、規則正しい生活の中、勉強に集中することができます。
夏休みの親が居ない自宅では、だらだらとテレビを見て、机に向ってもすぐに散漫しています。
事業を回す仕組みをつくり、マネジメントでガンガン回す。
会社が他社よりも成長発展するためには、怠け者ばかりではダメなのです。
いえ、正確には、怠け者を使えないとだめなのです。
自分で自分を律することができる人間などそうはいません。それが出来ない人が殆どです。
事業をスピードを持って大きくするためには、そういう人を使えなければだめということです。言い換えれば、そういう人を使える会社だけが大きくなれるのです。
また、それ以上に、自分で自分を追い込める人間などいません。
社員には、絶えず新しい課題に取り組んでもらう必要があります。未知の領域に飛び込み、道を切り開いてもらう必要があります。
彼らの言い分も解らないことはありません。しかし、やってもらう必要があります。
だから、マネジメントが必要になるのです。
そして、より会社が大きくなれば更に分業を進めることになります。
更に、仕組化とマネジメントの必要性は高まることになるのです。
だから、会社組織においては、『誰かが誰かの怠け者対策』の存在である必要があります。
現場のスタッフにとっては、班長や店長などの判断層がその存在になります。
その判断層の上には、課長が居り、怠け者対策になります。
その課長の上には、部長が居り、怠け者対策になります。
こうやって怠け者対策は繋がっているのです。
その誰かの上である『上司』は、部下の様子を確認し、必要とあればサポートをします。
具体的なやり方を教えたり、元気づけたりします。それにより、その部下は、また仕事を前に進めることができます。
そして、その過程でその部下は育つことになります。実務的にもメンタル的にも成長することになるのです。
ここから管理者の役割が導き出されます。
「行動分解をし、具体的な指示を出す」、「部下のモチベーションを維持し前向きに取り組めるようにする」、「それを通じ部下を育てる」と、「その中で必要であれば仕組みを整備する」
この役目が管理者には求められるのです。
上記の管理者の役割をこなすための素養として、『自己管理ができること』が絶対となります。この条件が管理者の人選基準です。
・毎日時間通りに会社に来られるのか。日々の仕事に不平不満を言わない。
・自分の機嫌をコントロールしている。
・部下に注意ができる。その時の伝え方を考えている。
こんなこと当たり前と思うかもしれません。しかし、自己管理もできていない社員を管理者に上げてしまい苦労している会社は少なくないのです。「会社や仕事の不満を言っている」、「不機嫌を周囲にまき散らす」、「部下を注意しない」または「伝え方に配慮が無い」。
上の者は、「部下の怠け者対策の存在になれる」、これが必要だと言うことです。
他人の怠け者対策になっていない、なれない者を管理者に選んではいけません。
そして、そのマネジメントの頂点に立つのが社長です。
その管理者層にとっての怠け者対策が社長という存在なのです。
だから「社長が、事務所に居ると空気が変わる」で正しいのです。
だから「社長が部下から舐められるよう」になったら終わりなのです。
社長は、社内で一番自己管理が出来ている人間である必要があります。
目標を立て、そして、その実現に邁進する姿を見せる必要があるのです。
だからこそ、管理者以下社員も怠けずにその厳しい仕事に取り組んでくれるのです。
そして、その怠け者対策の仕組みの最たるものが、月例会議になります。
月例会議があることで、組織にPDCAのサイクルを強制することができます。
そして、その会議では、「実行の確認」と「来月の予定」を明確にします。各部門の具体的な行動計画を確認します。それを他部署の者と共有するのです。
そうして、怠け者対策の仕組みをつくり、マネジメントを強くしていくのです。
これを年商数億円から年商十億円のステージに進むときに、整備する必要があります。
この規模の時には、殆どの社長が、自分も案件を抱え飛び回っています。
しかし、やるべきことをやらなければならないのです。
この規模で忙しいを理由に出したら何も進まなくなってしまいます。忙しいのは当たり前なのです。
高額を払い矢田と言う「怠け者対策」を雇いました。
具体的にやるべきことは解っています。その必要性も十分納得しています。
そして、やると約束したのです。これでやれなければ一生できません。
やらなければなりません。これを機会にすべてを作りかえるのです。
やるべきことをやりましょう。
今は、売上の110%、120%の伸びを追わないでください。
我々の目指すのは、売上のステージを変えることです。300%、500%、1000%の伸びを目指すのです。
成功する人は、忙しい毎日の中、やるべきことをやります。
成功し損なう人は、忙しいを理由に、やるべきことに手を付けないのです。
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