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輪を広げる力とは

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

 事業を拡大しようとするときには、どこかで社外の存在との協力が不可欠になる場面が出て来ます。自社だけではどうにもならない、社外の力を借りないと物事が先に進まないといったような場面です。

 

 一過性の、特に短い期間のお付き合いであれば、おカネの力で何とかなるという考え方も成り立つと思います。しかしながら、社外との協力関係を仕組み化し、長く続く関係を望むならば、やはりそこには信頼関係の構築が不可欠であると言えるでしょう。

 

 実はこれは社内でも同じことが言えるのですが、社員に長く務めてもらうためのポイントを一言で言えば、やはりそれは信頼関係の構築であるということができます。

 

 ところが社内の信頼関係が、同じ会社内で交わされる日々の細やかなコミュニケーションに支えられているのに対し、社外のそれは必ずしも密度の濃いコミュニケーションが保証されるとは限らない点が大きく違う点にご留意頂きたいと思います。

 

 コミュニケーションを通じて社外に信頼の輪を広げようとするときに最も注意すべき点は、相手先がそもそも自分とは違う、ことへの敬意を払うことだと言えます。特に金融機関、公的機関、教育機関などとのお付き合いで、言語や習慣、文化が大きく異なることへの理解や洞察が働かないと、自分では強固な関係作りができたと思っている矢先に先方から愛想をつかされるというようなことが良く起こります。

 

 例えば学校との産学連携事案がそれで、企業は儲けに邁進しようとする中で、学校の先生たちは研究開発の成果として論文の作成に優先順位を置いて考えるようなところがあります。

 

一つの例として、企業側が資金負担をしている研究事案で、論文作成のために全く役に立たないとわかっているダミーの実験を本来の実験と同じ数だけ実施したい、そのために予算を2倍にしてほしいなどと言う申し入れがあったとき、あなたならどう反応しますか?

 

これはなかなか難しい問題です。企業目線では、効果が出ないと分かっている実験をすることに全く意味はないのですが、同数のサンプルを揃えないと実験の体が整わない、という研究者の問題を、パートナーである企業としてどう捉えるか。無事論文が仕上がり、研究成果を世に問えるとすればそれは間接的な成果である、というふうに企業側が納得できれば予算措置も不可能ではないと思いますが、ごく普通に考えて企業側としては予算を出しづらい場面だろうと思われます。

 

企業が儲けを追求するのは至極当たり前の話です。でもそれだけでは社外のさまざまなステークホルダーから信頼を得ることはできないと言えます。では信頼を得るために、そして協力の輪を広げるために、企業は何ができるのか、そして何をすべきなのか。その答えを企業としてやりたいことにシンクロできたとき、はじめて安定的な社外とのネットワーク構築が可能になるのです。

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