貴方は自分自身で新しいレールを敷くことができるか?
「創業者が一番気楽なんですよ!」
当社のセミナーにお越しになった建築関連会社の経営者の方(S社長)は、このようにお話になりました。セミナーの途中の咄嗟の発言でしたので、その真意はすぐには理解できませんでしたが、まさか一般的な「気楽」とか「簡単」とかいう意味ではないでしょう。もしかしたら、自分は本当に運がよかった、ということかもしれません。
S社長はご子息と一緒にセミナーに参加しました。今の自分のやり方では、将来が不安だということなのでしょう。それがありありと感じられます。
S社長のやり方は、当社がおすすめしているショールーム営業とはまるで正反対のやり方です。飲食サービス、景品、安値のチラシを新聞折り込みし、大量にお客様を集客。そして、その中から見込み客を見つけるやり方です。
このやり方が通用するのは、S社長が創業者であり、腕力、胆力があり、人の心をつかむのが上手いからです。苦労して会社を立ち上げ、少しずつビジネスを大きくしていく中で腕力も胆力も身に付けました。そして人の心のつかみ方も習得しました。苦労の連続だったでしょう。
ところが息子には、その力はありません。当たり前です。父親である社長が築き上げてきたシステムの上で仕事をしているだけだからです。自分で作ったものではないからです。
セミナーに参加した理由はもう一つ。セミナーの中で自社の強みを考える時間があります。その時間の中でS社長は、歌うように朗々と自社の強みを話し始めました。ブレも迷いもありません。一貫していますし、筋が通っています。
その強みとは、やはりS社長が長年築き上げてきたビジネスの知恵なのです。お客様、取引先、社員など、ステークホルダーに対する影響力です。
そういったものがあって、今のビジネスの成功があるわけですので、それで冒頭の言葉になったのかもしれません。多分「照れ隠し」だったと思われます。
しかし一方、この会社の強みはS社長自身であると言えます。S社長がいることこそが自社の強みなのです。ということは、S社長の後継者である息子は、将来自社の強みを失ってしまうことになりかねません。これは一大事です。
そこでS社長はこう考えました。「今の自分のやり方では、今後は通用しない」「息子は息子のやり方が必要である」「強みは属人的であってはならない」。
世代交代を数年後に控えた状況で、何とか早く新しいやり方を見つけ、身に付けさせる必要がある。こんな風に考えたのでしょう。当社のセミナーを真剣に聞いている姿勢が印象的でした。
ショールーム営業はしくみで行う営業方法です。少し具体的に言えば、見込み客開拓から契約までの導線を設計し、導線に沿ってシステマチックに営業を行うやり方です。S社長のように腕力も胆力も必要ありません。
必要なのは、チャレンジする勇気と覚悟、あきらめない粘り強さであり、特別な能力でも難しい技術でもありません。
当社は、今のビジネスを否定することはありません。今のビジネスで成功しているのであれば、それはそれで結構なことだからです。しかし、今のビジネスの延長で、将来大きく売り上げを伸ばすことはできません。人の後追いだからです。すでに先行者がいて、先行者利益はすでに支払われているからです。
今よりももっと売上・利益を上げたい、もっと儲けたいと思うのであれば、自分自身で新しいレールを敷く以外にありません。そして新しい市場を創り、新しい顧客を開拓するのです。
S社長は息子に、自分で新しいレールを敷くことを求めています。そして息子自身のビジネスを展開できるように後押ししています。それがショールーム営業だということです。
貴方は、新しいレールを自身で敷く勇気と覚悟はありますか?
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