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「この先」を読むために必要な視点とは

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

 経営者にとって、「この先」とはどのくらい先のことを言うのでしょうか。1年後なのか、5年後あるいは10年後までをも意識しているのか。売り上げ規模によっても異なると思いますが、一定規模を超える企業の経営者だと来月、来期、3年後、5年後、そして10年後をシームレスに意識しているというのが実態ではないかと思います。

 

 その中で、比較的堅めに予想できるのが、従業員の年齢や家族構成などの人事データに関する変化です。他方でなかなか予想がつかないのが顧客ニーズの変化やマクロの経済動向だろうと思います。しかしながら、それを掴まないことには成長も生き残りも図れないため、「経営者のいるべきところは社長室ではない、それは常に客先である。」(一倉定先生)みたいな考え方が重要だとされてきたのだと思います。

 

 実際に、顧客は変化します。その変化に対応できない会社には、市場からの退出以外に進むべき道はありません。その変化を読むことすなわち「この先」を読むこととも言えるのです。

 

 しかしながら実態を言えば、経営者として100%客先に詰めていることも実はとても難しいわけです。顧客対応に割ける時間的なリソースは、多く見積もっても全体の半分もない、というのが多くの経営者の実態ではないでしょうか。

 

 この差をどう埋めたらよいか。名だたる経営者がさまざまな試行を繰り返してきた点ではないかと思いますが、言い古された取り組みの中でありながら、効果を認める人が多いものの一つが「提案営業」です。

 

 顧客に対して、お悩み解決のための提案を伝えてみる。もしも顧客が興味を持ってくれるなら、その脈を辿ることで少しでも「この先」を読みやすくしよう、という取り組みだと言えます。

 

 しかしながら、提案営業を成功させるためには「顧客が今、課題として抱えているものは何か」がしっかりと把握できていなければなりません。そのためには、やはり顧客からの情報収集が欠かせないわけです。普段の営業活動をベースとして、そこに提案営業的な要素を絡めてゆく。それによって顧客が短期~10年後の課題を解決できると考えてくれたなら、ずいぶんと商談は進めやすくなるのです。

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