なぜ会社は変われないのか? その原因は社長にあった!
「なぜ会社は変われないのか?」
この永遠ともいえるテーマについては、経営理論でも取り上げられていますし、有名なコンサルタント会社がコンサルティングテーマとして実施していますので、当社が改めて論じるつもりはありません。
しかし重要なテーマであることに違いはありませんし、変わりたくても変われない会社を数多く見てきましたので、ここで少し考えてみたいと思います。ここではショールーム営業(ショールームイベント、展示会)から見た「変われない理由」を探ってみます。
ショールームイベントや展示会(以下、イベント)は特に決まったやり方があるわけでもなく、社長の考え方が如実に表れます。ところが大抵の社長は、イベントはこういうものだというイメージがあって、それをなかなか打破できずにいます。というより、考えていないと言ったほうが正確です。
例えば、イベントは「飲ませ食わせ」や「景品」などで集客する。それがお客様を満足させる方法だなどという誤った考えがあり、それ以外の方法はないと勝手に信じています。
それでは、なぜ打破できないのか、考えていないのか? それは過去の成功体験から来ています。
今の若い社長は経験したことがないかもしれませんが、その昔、高度経済成長期とかバブル期といった、経済が活況を呈していた頃のことです。
誰もが、ちょっと頑張れば儲かった時代です。芸術家などは、ちょっと人と違っていればそれがウケた時代です。要するに、経済学的に言えば、需要が供給を上回っていた時代です。
そのような時代ですから、イベントへの集客は「飲ませ食わせ」「景品」「旅行」「観劇」がセットになっていました。それが集客する最も有効な手段だったからです。そしてお客様は、その費用を自分で払っていることに気が付いていませんでした。
飲ませ食わせで集客できて製品やサービスが売れるのですから、こんな楽なことはありません。費用も実質的にお客様持ちですので儲かったわけです。
やがて高度成長期が終わり、バブルが崩壊するとデフレの時代がやってきました。契約するには、これまでの見積もりの半値八掛けでなければ通用しない時代です。しかしイベントのやり方は全く変わりません。相変わらず集客は「飲ませ食わせ」「景品」頼みのイベントです。それは今でも変わりません。
それではなぜ、そのようなイベントをやめられないのでしょうか?
それは、やめて集客できなかったら責任問題になるからです。責任を取れないし、取りたくないからです。加えて「飲ませ食わせ」「景品」以外で集客するすべを知らないからです。
「社長が責任を取らないなんておかしいじゃないか⁈」と思われるでしょうが、実際にはそのような社長が多いのです。権力は持っているが責任が伴っていない社長です。
このような社長ではイベントを革新することはできません。ましてや営業戦略を革新するなどと言うことは不可能です。戦略やしくみを考えずに、どうやって集客するかという戦術ばかりに気を取られているからです。
このような社長は、社員を含めたステークホルダーとコミュニケーションを取りません。自分では取っているように思っているだけで、それは実は、一方通行の説得になっていることに気が付いていません。説得では社員は納得しません。自分の意見を聞いてくれないからです。
そして社員は諦めていきます。社長が凝り固まったイベントのイメージしか持っていなくて、社員はそれに対して諦めてしまえば、イベントどころか営業戦略も会社も変わりません。
言われてみれば「当然!」と思えるような話でも、実際に当事者になってみると、大きな渦に巻き込まれて意識不明状態になってしまいます。冷静な目で見られなくなってしまうのです。
当社は自身の経験として、このような社長に数多くお会いしてきました。しかし、中には当社のアドバイスを聞き入れて、劇的にイベントのやり方が変わった会社があります。それだけでなく会社自体が変わったという社長もいました。
変わることは大変なことですし勇気のいることですが、変わらなければ今のままです。今のまま、今のビジネスの延長では売り上げを大きく伸ばすことはできません。ショールームで儲けたいと思うなら、今のやり方を変えるべきです。
あなたにはその勇気と覚悟がありますか?
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