縁を大切にする
コンサルタントをしていると、仕事上での巡り合いがもたらす半ば運命的な接点の不思議さを感じることが多々あります。それを増幅させるきっかけになるのが、技術的なテーマであることも少なくないと感じています。
たとえば、とある技術的要素に関心があって関係者を探していると、その話を聞いた誰かが関係者に紹介してくれた、みたいな展開を経験された方は少なくないのではないでしょうか。それは素材だったり、触媒だったり潤滑油のような副資材だったりします。あるいは方法論や特殊なアプリだったりすることも。
それがニッチな世界のニッチな商材だったりすると、そのコトバがピンポイントでご縁を探してくるといった効果は、業界の別を問わず観察されるものだと思います。人と人との縁が濃く、閉じた空間の色彩が強い地方ならではの展開かというと、どうもそうではないようです。インターネット時代にコロナ禍での変化が加わって、主にはオンライン会議などの影響により、今やテーマごとの人脈は地域を超えて広がってしまいました。
テーマのレイヤーを少し上げて、「脱炭素」だとか「SDGs」などのマクロな話題にすることも、決して不可能ではない、むしろそれが人と人とをつなぐ新たなきっかけになる、ということさえあります。
そんなときのネットワークには、距離に加えて分野の違いもほとんど関係ありません。共通言語としての脱炭素でありSDGsである、それほどマクロのキーワードがもたらす引力は強いものがあります。
そういう変化が起こると、確かに繋がれる相手の顔は変わります。これまでの商売では長年付き合ってきたAさんが、脱炭素のご縁では繋がれない、といったことはごく普通に発生します。
そういう新しい縁を紡いで行ける能力、新しい縁を価値に変える能力こそ、実は経営者にもとめられる才覚かもしれないと、最近つくづく感じています。
もしもあなたの周囲でつながっている人の顔が、10年全く変わらないとしたならば、ビジネスの停滞を疑った方が良いかもしれません。長く付き合う古い顔と同時に、常にだれか新しい顔が居る。そんな展開を継続できることが生き残りと成長の証なのですから。
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