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環境の変化に対応する力

SPECIAL

ストック型営業戦略コンサルタント

株式会社南澤コンサルティング

代表取締役 

売上増と安定を同時に手にできる「ストック型営業」の仕組みづくりコンサルタント。
26年間にわたるカーディーラーでの営業経験(その中で店長として5店舗を15年間にわたり統括)から得た知見と実践を通じて、「ストック型営業」の仕組みを独自に構築。「人」を最も重要な資源と位置づけながら、限られたリソースを最大限に活用し、機動的な戦略を決定し、実現するための仕組みづくりを推進することで定評。

 

「南澤さん、最近、急に客足が減ってしまい、どうしたものかと困っています…」これは、かつてご支援をしていた飲食店の経営者のひと言でした。

 

なんでも、通常売上が減少しない月にもかかわらず、前月と比較して3割も落ち込んでしまったらしく、スタッフへの給料支給に対する心配など、かなり深刻な様子でした。

 

このように急に客足が減った場合、新たに競合店がオープンしたなど、さまざまな理由が考えられます。これまで店舗経営コンサルタントとして、多くの話を聴いてきました。

 

飲食店に限らず、どの業界もこのようなリスクは常に抱えています。だからこそ、企業は現状に甘んじることなく、継続的に製品・サービスの質を高める必要があります。このような競争は市場を活性化させ。消費者にとって良い選択肢を提供します。

 

しかし、競合がなくなり市場を独占すると、製品やサービスの改善への動機が失われがちです。このような状況では、販売や営業においても、自信過剰な態度やサービスの低下が起こりがちです。

 

そして、販売や営業の立場では、どんな競合が現れてもいいように、常にスキルアップをしていく必要があります。競合の出現という「環境の変化」に対して、常に備える必要があります。

 

実際に、私が経験した自動車業界では、新型車の投入やモデルチェンジが市場のダイナミクスを一変させました。

 

これまでになかった素晴らしい車の投入で、大人気。売れて、売れて仕方ない、このままその市場を独占し続ける…とは決していきません。一定以上のカテゴリーを独占し続けるようなことは、まず起こり得ません。

 

自社がどんなに有利な状況でも、必ず他社が追従し、新型車や商品改良により、優位性がなくなります。賞味期限は実に短く、そのサイクルは年々短縮されています。

 

どのような製品を開発・改良するかは製造側なので、どちらにしても、販売・営業の立場としては現状の商品ラインナップで戦わなければなりません。

 

自社の商品は同じ、他社の商品は変わったという技術進化は、「環境の変化」と言えます。この変化にどう対応するかによって、売上が大きく左右されます。

 

場合によっては、顧客に伝えるポイントや話し方等を変えなければならなくなります。同じ話し方では、今までの売上を確保することができなくなります。要するに、これまで通りの成功体験が通じなくなるのです。

 

この過去にとらわれないで、ゼロベース発想で新たにセールストークなどを再構築することができるかは、販売や営業の生命線とも言えます。

 

これは特定のメーカー一社の販売を行っているディーラーに限らず、数社のメーカーを取り扱っている販売店にも当てはまります。状況が変わっていく中で、長所・短所を理解した上で顧客にぴったりの最適な商品をおすすめする必要があります。

 

そのような変化を察知して、商品、競合店などの変化に対して適切に対応しなければなりません。日進月歩で変わっていく商品に対して新しい知識を得る必要があります。

 

そして、競合だけでなくこれからは特に、顧客の変化に対応していくことがより重要になります。実際に、消費者行動も20~30年前と現在では大きく変容しました。

 

「受注は商談回数×商談時間に比例するものだ」というような話を耳にしたことがある方も多いと思います。かつては、この話は「まったくもってその通りだ」と思い、私自身営業活動をしていました。

 

しかしながら、近年では「タイムパフォーマンス」、いわゆる「タイパ」を重視する人が若者を中心に増加しています。

 

必ずしもこの話が当てはまらなくなっているのです。商談回数×商談時間の多さは必ずしも、受注、売上につながらなくなっています。

 

そのような人に対しては、商談回数×商談時間をできる限り最小化することが、最高のサービス提供になり得ます。いかに無駄を省き、必要な情報にフォーカスして提供する必要があります。

 

「タイパ」を重視する人に対しては、企業側は、デジタル技術の活用により価値を提供することも考えられます。例えば、IT端末を活用した商談や、ソーシャルメディアを通じた直接的な顧客とのコミュニケーションも一つの方法です。

 

実際に、このような変化に気づかないで、以前の古いままの感覚で全てを対応しようとすると、顧客との間で大きなズレを生みます。顧客に合わせた対応が必要になります。

 

現代の消費者行動は過去とは異なり、個々のニーズや価値観に合わせたアプローチがより求められています。そのためには、情報収集が欠かせません。

 

情報収集は、かつてのように足で稼ぐだけでなく、デジタル技術やソーシャルメディアを駆使して、顧客とのコミュニケーションを強化し、顧客の声をリアルタイムで捉える必要もあります。これにより、迅速な市場対応と戦略立案が可能になります。

 

そもそも、そういった環境の変化に気づかなければ、変化に対して対応もしようがありません。まずは変化に気づくことが大事であり、その上で変化に対応する必要があります。

 

そして、それは個人レベルだけでなくチーム、店舗単位で対応しなければなりません。一人が気づけば全員が共有できる、それが営業チームを強化します。そのためには、相乗効果を発揮する仕組みが必要になります。

 

必ずしも、常にトップセールスが一番早く気づくとは限りません。販売力は並の力でも、そのような変化に気づく能力に長けている人材がいるはずです。そうした長所、個人の力を発揮させることも重要です。

 

環境の変化に対応するための情報や知識の共有は、組織全体での協働を促進します。市場の変化に対応するためには、組織文化が継続的な学習と適応を奨励し、支援する必要があります。また、短期的な利益を追求するだけではなく、長期的な視点を持つことが求められます。

 

さらに、さまざまな変化に対応するためには、継続的な学習と適応の精神が重要であり、変化を恐れるのではなく、それをチャンスとして捉えるマインドセットが必要です。「環境の変化に対応する力」が、成功には不可欠です。

 

貴社では、環境の変化に気づき、共有する仕組みがありますか?そのような変化に対して、戦略的に対応する力を高めていますか?

 

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