顧客の変化を見極める
「常に変化する顧客のニーズをいち早く見つけて対応できないと会社は生き残れない。」という真理を説いたのは、かの一倉定先生でした。そのため経営者は常に客の居るところに居なければならない、という鉄則を指導されたことは各種文献にも詳しく記されています。
日常業務に立ち戻って言えば、鉄則どおり100%顧客のところに詰めることは時間的に言ってもなかなか難しいと言えます。様々な制約条件下にあって、それでも何とか顧客との接点を大事にしようとする中で、顧客が何をどう考えているか、実際に顧客と会う前にメディアや各種交流の中から得られた発想に基づく「仮説」作っておくという作業をされる方は少なくないと思います。
確かに「仮説づくり」はコミュニケーションの効率を上げてくれる効果はあると思いますが、それに囚われすぎると却って顧客の変化を見誤ることにつながりかねません。いわゆる「第三の道」のような選択肢の有無を常に頭に置いておくべきなのです。
言わば虚心坦懐に、顧客の変化を見極めようとするところに経営者ならではの観察眼が生まれます。会社対会社という立ち位置から生き残りを模索することがその眼を養ってくれるのです。残念ながらこの眼は部下と共有できる性質のものではありません。「経営者が経営者に対して」常にパイプを生かしておくことの意味合いはここにあります。
担当者は担当者同士、部長は部長同士のやりとりなら十分にその役割を果たしてくれる部下たちも、こと先方の経営者が何を考えているのか、何をどうしようとしているのかを直接見聞きするわけには行かない立場です。日常業務の範囲を超えているため、それを確実にフォローできるチャネルとして「経営者対経営者」というチャネルを確保すべき、というこが私の主張です。
そうする中で、ご自身がどのように変化を見極めようとされるのか。具体的には御社にとっての未来設計図を頭に置いて経営判断をするための最重要情報である「顧客の変化」を先取りできるようになるのです。
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