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「相手の立場になって考える人」を育成する方法

SPECIAL

ストック型営業戦略コンサルタント

株式会社南澤コンサルティング

代表取締役 

売上増と安定を同時に手にできる「ストック型営業」の仕組みづくりコンサルタント。
26年間にわたるカーディーラーでの営業経験(その中で店長として5店舗を15年間にわたり統括)から得た知見と実践を通じて、「ストック型営業」の仕組みを独自に構築。「人」を最も重要な資源と位置づけながら、限られたリソースを最大限に活用し、機動的な戦略を決定し、実現するための仕組みづくりを推進することで定評。

 

「南澤さん、なんで次の人の事を考えて仕事ができないんですかね?」これはかつてご支援した卸売業の営業部長の言葉です。多くの企業で見られる、部門間のコミュニケーション不足が背景にあります。

 

仕事をする上で、自分の役割を果たすことは基本ですが、それだけでは十分ではありません。顧客対応の営業職だけでなく、多くの職種で他部門や後工程に影響を及ぼすため、相手の立場を理解することが重要です。 

 

そして、他者の視点に立って行動する人は、顧客満足度の向上、チームワークの改善、プロジェクトの成功率の向上などの成果を上げやすいと言えます。

 

一方で、相手の立場になって考えることができない人が集まる組織では、個人のスキルに頼ることになり、チームとしての相乗効果を発揮することができません。個人商店の集まりのような組織となります。

 

自分の与えられた役割、仕事をこなす事は第一に優先されることではありますが、どんな職種であれ、自分の仕事の先には常に誰かがいます。

 

それが、営業職のように直接的に顧客の場合もあります。そして、営業以外の多くの職種では、同じ部署だったり、違う部門の人だったり、直接の顧客ではありませんが、必ず後工程には“人”がいます。

 

社内での評価は、このような相手を思いやる姿勢に大きく左右されます。目配り、気配り、心配りを持つ人は高く評価されますが、反対に、自己中心的な行動を取る人は評価されにくいです。

 

本人的には、「与えられた役割はきっちりこなしていて何が悪い?」ということです。「与えられた役割をこなすこと」は基本ですが、「あと一手間」を加えることで、仕事の質は大きく変わります。

 

現在日本でもジョブ型に移行しつつありますが、このあたりを、気を付けなければなりません。最大の課題とも言えるでしょう。仕事の境界線をぼかしづらい雇用形態であり、日本人特有の強みでもある相手の立場になって考えるという重要な力を衰えさせることが目に見えているからです。

 

私が学生時代に勤めた大手ピザチェーン店で初めに教わったことは、サービスルール「お客様は常に正しい」ですが、ある意味「相手の立場になって考えること」を一言であらわした究極の言葉かもしれません。

 

「カスハラ」が問題となる現代で、このサービスルールを持ち出すのは時代錯誤かもしれませんが、この言葉は他者の視点に立って考えることに対しての本質的な部分をついています。初めて聞いた時は正直耳を疑いました。そして、時が経つにつれて、店長に教わったというよりも「仕組み」によって、すっかりそれが染みつきました。

 

例えば、お客様から「チーズがいつもより少ない」という電話が入れば、それこそ店長に確認しなくても「新しいものを作り直して届ける」という具体的な行動を起こすことができたのです。

 

そして、そのような相手の立場になって考えた行動が、結果的にリーピーターを増やすにつながることを学んだのです。

 

実際に、この頃学んだサービスの基本、お客様に対する姿勢が、営業という仕事でどれだけ役に立ったかは計り知れません。

 

特に営業の現場では、「相手の立場になって考える」という、この能力が直接売上に影響します。お客様に対する姿勢と伝わる言葉が揃うことで、提案が受け入れられやすくなります。相手の立場を無視した提案は受け入れられません。

 

一時的な成功を収めることはできても、長期的な信頼関係の構築には、他者の視点に立った対応が不可欠です。

 

圧倒的な商品、サービスでそのような姿勢はいらないという批判も出るでしょうが、そのような高飛車な営業姿勢では永続的な繫栄は難しいです。いつか逆転されてしまいます。

 

このように、「相手の立場になって考える」ということは、持続的な繫栄に不可欠です。そのためには、経営陣からの明確なメッセージとサポートが必要である一方で、毎日欠かさず経営者自身が、従業員全員に直接伝えることは、現実的にはできません。

 

私自身も、毎日そのように欠かさず言うような事はありませんでした。しかし、直接自分が毎日言わなくても伝わる方法があります。そのような仕組みを作ることで、相手の立場になって考える人を結果的に育成できます。

 

要するに、「相手の立場になって考える人」が育つ仕組みをつくれば良いということです。必ずしも特別な研修が必要になるわけではありません。仕組みがあれば日々の仕事の中で十分に育ち、相手の立場になって考えることが自然と身につきます。毎日言わなくても、一人一人がお客様の立場になって考えることができるようになります。

 

「相手の立場になって考える人」を育成することは、組織内の協調性、効率性、さらには顧客満足度の向上に直接関わるため、多くの組織や企業にとって非常に重要なものです。仕事を超えた価値を提供するために、この能力の育成は極めて重要です。

 

そして、これは一度きりの学習ではなく、組織内で継続的に育てるべき文化です。長期的なビジョンとして組織内でこの文化を根付かせる価値があります。持続的な繫栄のために、そのような仕組みを構築する必要があります。

 

結果的に、他者の視点に立って考える文化の醸成は、結果的に企業の持続可能な成長やイノベーションの促進、そして競争上の優位性の確保などを組織にもたらします。

 

貴社では、相手の立場に立って考える文化をどのように育んでいますか?「相手の立場になって考える人」を育成することができていますか?そして、そのような人を育成する仕組みができていますか?

 

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