生き残りに最も大切なこととは
経営者にとって永遠の課題は、自社の「生き残りと成長」だとは良く言われます。成長は、機会を捉えて強みを投入することができれば、ある程度の成果を得る見通しを立てることができます。
では、生き残りについてはどうなのでしょうか。それでなくても経営環境は激変します。近い過去を見返しても、ウクライナ戦争があり、コロナ禍がありました。今また能登半島地震の影響を感じている経営者も少なくないことと思います。そのような中で企業はどのように生き残りを図るべきなのか。
かの名コンサルタント・故 一倉定氏は、「社長の居場所は社長室ではない、常にお客様のところである。」という名言を遺されています。私は、この考え方はまさに企業の生き残りを確実なものとするために何よりも必要なことだと考えます。
変化に対応できない企業は生き残れない、とよく言いますが、この場合の変化は何を意味するのか。端的に言えば「需要動向」つまりお客様が何を求めるかの変化である、ということなのです。そしてお客様の根源的な変化を少しでも早く知ろうとするならば、それを聞くべきなのは、調達担当窓口でもなければ自社の営業担当でもなく、お客様のトップであるべきだと考えることによります。
調達部長が御社に伝えてくる新しい要求は、世の中の新しい動向を踏まえたものである場合が多いと言えますが、会社としてそれを決裁する中で、その変化を取り入れる決断をするのは調達部長ではありません。また新技術を開発したという場合についても、最終決断をするのは技術部長ではなく、トップが裁断を下すのです。
だったらトップの考え方を聞けばよい。それはその通りなのですが、では御社の営業マンは、自分でお客様のトップに会えますか、というごく当たり前の話をお考えいただきたい。取引先との関係で、もしもトップに会えるとしたら、それは社長のあなたしかいないということを再認識いただきたいのです。
トップに会って、腹を割って話せれば、先方が長期的な視点から何を考えているのかを知ることができます。先方からしても、忙しいはずの社長がわざわざ時間を取って会いたいとやってくることにマイナスの評価が付くはずがありません。いち早く変化の方向性に関する情報を仕入れ、それを頼りに生き残りを考えることこそ、経営者として最も優先すべき仕事だということを、ぜひこの機会に再認識いただきたいと思います。
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