グローバルに通用する経営とは ~必要な「3つの要素」~
ヒト・モノ・サービスの動きがコロナ前に戻り、更に活発になりつつある2024年。これまで「商圏」を近隣地域に限定していた国内企業も世界に目を向ける時代が来たと言えるでしょう。このような国内企業のビジネスがグローバルに通用するために必要な要素について今回はお話しします。
まず、最初に必要なのは「物理的に【広く】視る力=情報収集力」です。自社の属する地域や業界にだけ目を向けていては世界でどのようなトレンドが起きているのか?に気づくことすらできません。日常生活で直接目にする情報だけでは「商圏」とする世界市場について充分な情報を収集できないのは当然のことです。
次に、2つ目に必要なのは「空間的に【深く】視る力=洞察力」です。発信者の思惑で一方的に流されているニュース記事や動画を受け入れているだけでは、その表面的な事象の根本的原因が何なのか?について疑問に思うことすらないでしょう。常にものごとの本質を見抜くことを意識しなければ「商圏」である世界で起きている事象を正確に把握することができません。
そして3つ目に必要なのは「時間的に【早く】視る力=予測力」です。世の中の動きとして多数の人が知るような段階になってから、ビジネスにしようとしても既に「時遅し」です。特に、中国や東南アジア等の競合となる企業は世の中の動きに対して極めて敏感です。このような競合と張り合えるようなスピード感が必須であることは言うまでもありません。
このように、世界を「商圏」にするためには、【広く・深く・早く視る力】が欠かせません。しかしながら、経営者の方が独力のみでそのような対応を行なうことは難しいのが実情でしょう。それを解決するのは2つの方法しかありません。1つは、IT技術やAI技術のようなテクノロジーを活用すること。そしてもう1つは、その分野に精通した人物の社内雇用、もしくは社外専門家を活用することです。室町時代の能楽師である世阿弥は「演者は常に第3者である観客の視点で、自身を視る必要がある【離見の見】」と言いました。これはグローバル経営においても当てはまります。経営者自らが視えているものは極めて限定的です。それを改めて認識することが、【広く・深く・早く視る力】を身に着け、グローバルに通用する経営を実現するための「最初の1歩」なのです。
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