「店舗を増やした分、クオリティの劣化はしょうがないよね」が当たり前になってませんか？

「伊東さん、うちがチェーン化したらうまくいきますか？」

 

地元のお客様に愛され、日々高い売上を実現できている社長からのご質問でした。

 

その社長は、私が商品やサービスを更なる売れ筋に変えられるコンサルタントではなく、
多店舗型ビジネスの人のマネジメントのプロだとわかっていた上でのご質問です。

 

私の返答は

　「多店舗化して人に任せる部分が増えても、今よりもクオリティが劣化されず、逆に上げていける戦略をお持ちでしたらお勧めします」

これは「戦略が無いのであれば、お勧めはしません」ということでもあります。

 

 

このやりとりを他の社長から見れば「何を当たり前のことを言ってるんだ？」となってしまうことでしょう。

しかし、今実際に多店舗型ビジネスを経営している社長の中には「ハッ！」とされた方もいらっしゃるのではないでしょうか？

 

残念な事に、今現在世の中に存在している多店舗型ビジネスにおいて、その当たり前である

　「人に任せても、クオリティが今よりも劣化されず、逆に上げていける」

が、実現できていないまま経営を続けている・・・そんな企業が多いという事です。

 

ここで私があえて「戦略」と表現したのには理由があります。

多店舗展開して業績を上げていくには、いくら社長の気合いが凄くても、そして意識が高くても、それだけではうまくいかないからです。

 

社長の気合い、意識とは、例えば

　「当社は妥協を許さない」

　「社員やスタッフには厳しくできる企業だ」

などです。

 

これも一つの経営方針と言えるでしょう。

 

しかし「戦略」とは言えません。

当社が唱える多店舗型ビジネスのマネジメント面の戦略とは、

「経営者の想いが、自動的に社員やスタッフに浸透していく仕組み」を創り上げられるか？

その大元の社長の考え方のことを意味しています。

 

 

ここで改めてこのコラムをご覧の社長に質問です。

 

Q:かつて１号店がうまくいって、これから更に店舗を増やしていこうと決めた際

　「人に任せてしまうと、本来維持、向上していくべきクオリティを下げられてしまうかもしれない」

という懸念に対して、社長はどう向き合っていこうと決めましたか？

 

その回答は

　「特別な戦略は無かった」

　「いつかは解決できるだろう」

ですか？

 

もしそうなら今現在

　「すでに解決済みだ」

となっているでしょうか？

 

もしくは

　「当社は、人に任せて目本来のクオリティが劣化されない自信がある」

　「それどころか、逆にどんどん上げていける自信がある」

　「だから多店舗展開しているんだ」

など、すでに何らかの戦略が実を結んでいるでしょうか？

 

 

冒頭でご紹介した社長はまさに今現在、最初の一店舗目がうまくいってる企業です。

 

その社長が更に店舗を増やしていこうか？と考えている今、とても気にされているのは

　「人に任せても、自分が求めているクオリティを維持してもらえるか？」

です。

 

なぜなら、２号店のクオリティが１号店よりも劣化してしまっていては、今まで何年も苦労して、自社のファンになって下さったお客様を失望させてしまうからです。

 

そしてそのまま更に店舗を増やしていく・・・

これがどれほど恐ろしいことなのか？

その恐怖を感じているからです。

 

 

さてもしも

　「人に任せてしまうと、本来維持すべきクオリティを下げられてしまうかもしれない」

という懸念に対して、効果的な対策が打てていないまま出店を続けている企業はどうなってしまうのでしょうか？

 

結論から言いますと、社長に待ち受けているのは

　「一体どうなってる！」

　「あれもこれもできていないじゃないか！」

の毎日です。

 

これをいつまでも解決できずにいますと、社長にはやがてこんな大きな壁が立ちはだかります

　「従業員に、いくら厳しくしてもやってくれない」

 

昔は「お前の代わりなんかいくらでもいる」　という形で、強引にその壁をぶち破ってこれた時代でしたが今は「少し厳しくしたら居なくなってしまう」が当り前です。

 

果たして、そんな現代において

　「クオリティーを下げるんじゃない」

　「上げていきなさい」

と、従業員に厳しくするスタイルを今の時代に貫き通せるでしょうか？

 

そんな会社の行く末には、とても悲しい結果が待ち受けていることでしょう。

 

しかし、だからといって

　「あまり従業員さんに厳しくするな」

　「ペースにあわせていこうじゃないか」

など妥協していても、業績を上げていけるほど多店舗型ビジネスは甘くはありません。

 

そんなマネジメント面に妥協している企業に待っている未来はお客様のこんな反応です。

　「この店も他の店とあんまり変わらないよね」

　「まぁ、こんなもんでしょ」

もしくは

　「せっかく期待して来たのに」

　「裏切られた」

です。

 

 

一方

「人に任せてしまうと、本来維持、向上していくべきクオリティを下げられてしまうかもしれない」

という懸念に対して、効果的な戦略があり実行できている社長の企業はどうなっているのか？

 

ある社長がおっしゃいました。

　「当社の店舗では、壁のテープ跡でさえ放置される事はありません」

　「誰もが看板商品の価値を下げてはならない、もっと上げていくには？とそれぞれが自ら考えて、あれこれ努力を重ねてくれるんですから」

 

 

多店舗型ビジネスで業績を上げていくにはマネジメント面に戦略は不可欠です。

 

御社には

　「人に任せてしまうと、本来維持、向上していくべきクオリティを下げられてしまうかもしれない」

そんな懸念を打破する戦略はすでに存在しているでしょうか？

 

「働く誰もが力を合わせて会社の強みを磨いてくれる仕組み」が存在し、

日を追うごとに、他社が追いつけないほどのこれでもか！と自社オリジナルの強みがより際立つようになっていってますでしょうか？