決断が上手な社長と決断が下手な社長の違い
「なかなか決められない…」
「大事な局面で決断できない…」
「正しい判断なのか不安で仕方がない…」
といったお悩みは、同族会社の社長の多くが抱えているものです。そして、このような悩みを抱えている社長には、共通点があります。それは、「自分は財務が苦手」とか「財務は経理や税理士の仕事」だと思い込んでいることです。
もちろん、社長の性格が優柔不断という原因もあるかもしれません。しかし、会社経営においては、社長の性格という要素以外に、そもそも決断するための情報が揃っていないから、決断できないケースがほとんどなのです。
そもそも、決断できない社長は、大前提として決断できる状況にありません。なぜなら、
・そもそも、決断するための情報が不足している
・決断の材料となる情報が間違っている
・具体的な数字情報がわからないまま、決断しようとしている
このような状態で無理に決断しようとしているからです。ですが、決断するための情報が不足していたり、そもそもの情報が間違っていたり、具体的な数字情報がわからないまま決断すること自体に無理があるのです。
一方で、決断できる社長には共通点があります。それは、「逆算思考」が身についているということです。具体的には「財務」の視点で、未来の会社が達成するべき数字を描き、その数字を達成するために「今、どのような決断が必要なのか?」を常に考えます。
目標設定も、撤退ラインも、すべて財務の視点から、逆算で考えているので、迷いがありません。思考の出発点は未来からなので、決断にブレがありません。すべての決断に根拠があるため、不安も無くなります。
仮に、決断したことがうまく進まず、軌道修正が必要になったとします。しかし、あくまでも「前提条件」が変わっただけなので、再度、状況に合わせた形で決断することができます。
今の時代は、情報や進化のスピードが速く、会社の経営環境は日々、変化します。社長はその都度、経営判断を迫られます。
その時、大事になるのが、社長が自らのアタマで考えて、「正しく決断できる環境を整えておく」ことです。大切なことなので申し上げますが、「決断が正しいかどうか」は、結果が出るまでは分かりません。
しかし、根拠を持って決断するからこそ、結果に向かって進むことができます。期待した結果が出なくても、次の決断につながっていきます。
一方で、根拠のない決断では、結果が出るまでの期間、不安しかありません。そのため、結果が出ないようなことがあったとしても、何が原因で結果が出なかったのかの検証ができません。その結果、決断に一貫性がなくなります。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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