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「気づくこと」ができる人を育成する方法

SPECIAL

ストック型営業戦略コンサルタント

株式会社南澤コンサルティング

代表取締役 

売上増と安定を同時に手にできる「ストック型営業」の仕組みづくりコンサルタント。
26年間にわたるカーディーラーでの営業経験(その中で店長として5店舗を15年間にわたり統括)から得た知見と実践を通じて、「ストック型営業」の仕組みを独自に構築。「人」を最も重要な資源と位置づけながら、限られたリソースを最大限に活用し、機動的な戦略を決定し、実現するための仕組みづくりを推進することで定評。

            

「南澤さん、なぜゴミが落ちているのに、スタッフが拾わないのでしょうか?」これはある自動車整備工場の経営者の疑問です。私もカーディーラーの店長として15年間勤め、この問題については痛いほど良くわかります。

実際には、「ゴミを拾わないスタッフ」は大きく二つのグループに分かれます。一つは、「ゴミの存在に気づいているけど拾わない」グループ。彼らはゴミの存在には気づいているものの、自分が出したゴミではない、面倒くさいなど様々な理由でゴミを放置します(※ゴミは「汚れ」や「モノの置き場所」など広義の意味を含みます)。

もう一つは、「ゴミの存在に気づいていないから拾えない」グループです。これは「拾わない」のではなく「拾えない」のです。私の経験上、「ゴミを拾わない」と理由としては、この場合が圧倒的に多いです。

管理者はこの違いに気づかなければなりません。このことに気づいていないと、あのスタッフは、「ゴミの存在に気づいているけど拾わない人」と誤った評価をしてしまいます。

この「拾えない人」を「拾える人」にするためには、先ずはゴミの存在に気づかせることから始める必要があります。

「拾えない人」も、適切な育成により「気づくこと」ができるようになります。私自身、これまで現場で「気づくことができなかった」スタッフが、「気づくことができる」ようになった実例を数多く見てきました。

ゴミの存在に気づくということにフォーカスするのであれば、例えば、日常的に真面目に掃除を行うことで、ゴミに気づきやすくなります。わかりやすい簡単な解決方法です。

ただし、これは行うには、部分最適と全体最適の理解を徐々に深めていくことが重要です。日々の掃除を通じて、最適な状態とそうでない状態の違いを認識させることが、成長への一歩となります。そのための仕組みが必要であることは言うに及びません。

とは言っても、企業、店舗ごとに異なるそれぞれの経営資源、状況に合わせた無理のない仕組みを構築する必要があります。単なる掃除とはいえ、そう単純なものではありません。

一方で、「気づいているけどゴミを拾わない人」に対しては、考え方を根本的に変える必要があります。異なるアプローチが必要です。

基本的には、「考え方」が変われば確実に「行動」は変わります。逆を言えば、考え方を変えない限り、いくら「拾え」言ったところで、その場限りの無駄な努力に終わります。

「考え方」の変化を促すのは、経営者、店舗の責任者の役割です。時に外部の人間がこの役割を担うこともあります。しかし、適切なノウハウがなければ、容易な作業ではありません。

この段階で、すでにもうお気づきかと思いますが、実は「ゴミを拾う人」にも大きく分けて二パターンあります。

一つは「立場上仕方なく拾う」グループ。もう一つは、「キレイになると気持ちが良いので率先して自発的に拾う」グループです。結果的に「どちらも拾っているので構わない」と思うかもしれませんが、そうではありません。後者の方が組織力を高める上で望ましいです。

結果的に、単に嫌々ゴミを拾うのでなく、「率先して拾う」人をいかに多く増やすかが、組織力を上げることにつながります。単に拾うのでは物足りません。

さて、実際の営業現場では、「ゴミの存在」に気づくことよりも、もっと重要なことがあります。それは、「お客様が思っている本当の気持ちに気づくこと」です。

この「お客様が思っている本当の気持ちに気づくこと」ができるかどうかは、売上に直結します。ゴミの話と対比させると、良い顧客対応をする以前に、お客様の本当の気持ちに気づくことができなければ意味がない、ということです。

そして、顧客対応の最も難しいところでもあるのですが、同じ「言葉」でも言い回しによって全く意味が異なることが往々にして起きるということです。想像以上に、日常的に、おそろしいくらいたくさん起こります!

一つの例としては、見積り提示後の顧客の「高いなあ、、、」という一言には、様々な意味が込められています。「高いなあ、でも納得したから買うよ」、という場合もあれば、「高いとは思うけど、まあ仕方ないか、買うけどもう少しだけ値引いて欲しいなあ」という場合もあれば、「高いなあ、全然値段合わないから見合わせるか」といった具合に、「高いなあ」という反応一つとっても、その背景は実に様々なのです。

営業スタッフは、この言葉の背後にある真の意図を理解し、適切に対応する必要があります。先ほどの例であれば、「高いなあ」という一言の真の意味を感じ取り、展開しないといけないわけですが、ここで誤った対応をするとその商談は「成約」にはならず、残念ながら「終了」となります。

逆に言えば、この「高いなあ」の真意をある程度汲み取ることができれば、仮に最終的にあと〇万円値引いた成約となっても、顧客との関係性や満足度という観点からまったく異なる成果を生み出します。顧客の気持ちを汲み取り、まったく違う演出ができるのです。

このような高度なスキルを持つスタッフの育成は重要です。しかし、これには時間がかかります。一歩一歩確実に取り組む必要があるのです。同時に、人に依存しないシステムを構築することも、実はビジネス上、大変有利となります。

当社が推進する「ストック型営業」は、人材育成に力を入れる一方で、同時に人に依存しないシステムを構築することも重要であると考えています。

貴社では、「気づくことができる人」を育成する仕組み、組織レベルでの育成、人に依存しないシステムなど、成果を上げる仕組みが整っていますか?

 

 

 

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