”信頼を対価に変える”アウトラインの言語化と「違い」の創出
自社の存在意義を、顧客・社会に対する価値の観点で言語化することで、信頼の構築⇔対価獲得のサイクルをエンジンのように回し、会社を成長させる端緒となります。
今回のコラムでは、企業の「信頼」、すなわち「顧客や社会に対する価値提供や貢献への期待」を活用する際、その方向性を明文化することの意義と、生み出される違いについてご紹介していきます。
■ 創造価値を端的に捉え直す
弊社が「信頼を対価に変える」コンサルティングを実施する際、「当社は、●●を追求することでお客様に●●という価値を提供し、その結果社会の●●にも貢献する」という、信頼を用いた価値創造のアウトラインを最初にお客様とともに設定することを重視しています。
このアウトラインをしっかり固めることができれば、その後の仕組み化や訴求、社内への展開など、様々な施策が打ちやすくなります。逆に、ここが定まらないまま先に進んでしまうと、後から変更が発生したときに、右往左往することになりかねません。
このアウトラインで表現するのは、これまで培ってきたものでも、これから実現しようとすることでもいいのですが、まずはわかりやすくシンプルにまとめるということが非常に重要です。相手に理解されやすいアウトラインは、コンサルティングの範囲のみならず、社内で施策を実行する、社外に説明する、顧客に理解してもらう、信頼・共感を得る・・・といった様々な場面で生きてきます。
もちろん、このアウトラインに織り込むべき顧客価値の見極めや、社会課題への貢献をどのような表現で言及するのが望ましいかなど、慎重に見極めるべきポイントはいくつか存在します。弊社のコンサルティングでは、この部分についてお客様と一緒に時間をかけて考えることも少なくありません。シンプルさ、わかりやすさにこだわるからこそ、頭を悩ませる必要があるというのは難しいところでもあり、面白いところでもあります。
悩みぬいた末に生まれるアウトラインは、それが顧客・社会からの信頼や共感を呼ぶものであれば、そのアウトラインに沿って施策を組立て、着実に実施することで、おのずと創造価値の増幅や対価獲得につながっていきます。信頼の蓄積と対価の獲得のサイクルが回っていく形を作り出すうえで、優れたアウトラインの設定は効果的かつ非常に重要なステップといえます。
■ 信頼による違いの明確化
このようなアウトラインの設定には、もうひとつ重要な効果があります。それは「他社との違いを社内外に伝えやすくする」という効果です。
よくいわれるとおり、「差別化」は企業経営のなかでも重要とされるポイントのひとつです。他社との違いがあるからこそ、自社が選んでもらいやすくなるというのは確かにその通りだと思います。
だからこそ、違いを示すことのハードルは高いともいえます。製品・サービスの効能・効果については、各社がありとあらゆる確度で主張しており、もはや比較すること自体が難しい、というケースもあります。また、会社自体のアピールについても、例えばSDGsを用いた訴求もここ数年で一気に広まり、差別化という点での効果は薄まってきているようにも思えます。
このような状況において、先ほど述べた価値創造のアウトラインを設定することはとても有効です。なぜなら、このアウトラインは、「自社の強みとするものは何で、それを用いて顧客に提供するものは何で、その結果社会にどのような貢献をするか」といった要素を決めるものであり、いわば自社独自の存在意義を定義するものだからです。
この自社の存在意義は、他社のそれとは絶対に一線を画するものになるはずです。なぜなら、それは創業の理由、現在に至るまでの変遷、経営者としての夢、従業員の想い、自社ならではの強み、地域の現状・・・などが有機的に混じり合ったものであり、世の中に1人として同じ人間がいないように、全く同じ存在意義を持つ会社も存在しないからです。だからこそ、わかりやすく明文化することで、他社にはない自社だけのメッセージになりえます。また、顧客や社会の目線も含んでおり、一定の層から理解・共感を得られるものにもなるはずです。
強力なアウトラインを備え、他社との違いを明確化することに成功した企業には、例えば以下のようなメリットが生まれます。
- 顧客に対し社会性も含めた、「自社ならではの価値」の訴求が容易になる
- 「他社ではなく自社で働く理由」が明確になり、新規人材の採用や、自社で働く人の帰属意識向上につながる
- 市場・金融機関や地域社会から、独自の創造価値に基づく収益性・公益性を備えた優れた企業として認識される
自社の存在意義や貢献を端的にまとめ、実行することで顧客や社会の信頼を高める。その結果、対価獲得の可能性を大きく増大させる、そんな効果が期待できるのです。
余談にはなりますが、このアウトラインをもし弊社が作成するとすれば、
「当社は、企業の”信頼”を可視化して対価に変える手法を追求・ご提言することで、お客様に”新たな対価獲得手段・成長エンジンの獲得”という価値を提供し、その結果”真に信頼に値する優れた企業や製品・サービスで世界を満たす”ことに貢献する」
といった具合になります。受け止め方は人次第、というところではありますが、他社との違いという意味ではある程度明確かと思いますし、これを実現するために「企業の”信頼”を可視化して対価に変える手法」の研究と提供に日々まい進する、という自社の方向づけにもつながります。
5年後も10年後も信頼構築と対価獲得を実現していける企業になるために、あなたの会社の創造価値を、今こそ考えてみてはいかがでしょうか。
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