洞察する力と不屈の魂
経営者に求められる資質として、世の中の先を見る目の重要性はよく言われる要素です。一を聞いて十を知る、いわゆる洞察力は企業の未来を考えることが必須なだけに、何より重要な要素として求められるのです。
他方で、一度決めたらとことん追求するしつこさ、諦めない力についても、その重要性はよく言われるところではないでしょうか。
どんどんアイディアが出て、次から次へと新しいことに興味がわくタイプの経営者と、一度決めたら最後の最後まで諦めずに頑張る経営者の、いったいどちらが成功につながるのか、これはコンサルタントとしても大変興味のある視点です。
最近、具体的な事案を見ていて思うことですが、アイディアが結実して新たな市場が拓けるまで、そう大きくない企業であっても軽く2~3年はかかるという事実があります。特に研究開発から始めて新技術に取り組むような案件だと、市場実装まで少なくとも5年は覚悟する必要があるとすら思える状況です。
そうなると、それまでの5年間はとことんしつこく成功を追求するマインドが求められるということになります。この間の生き残りをファイナンスするビジネスが存在していれば良いのですが、そうでない場合は苦しい経営を迫られることになります。
他方で、IT化などが緩和してくれている要素もありますが、技術開発にも市場開拓にも「かかる時間はかかる」という大原則がありますので、それまでの間をどう生き残るかについての覚悟と、そのための対策はしっかりと考えておく必要がありますね。
尊敬するコンサルタントの一倉定先生は、経営計画の重要性を常に説いておられます。1年、3年そして5年後の会社がどうあるべきなのか、ぜひ一度時間を取ってビジョンを描いてみることをお勧めします。
そこで生きるのが洞察する力、そしてそれを実現させるために必要なのが不屈の魂、つまり経営者には両方とも必要、ということですね。
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