最適なコンサルティングを今すぐ活用する!

ドラゴンと旧暦の考察 ~海外ビジネスに必要な知見とは?~

SPECIAL

東南アジア進出コンサルタント

KJグローカル経営事務所

代表 

国内企業向けの、東南アジア市場進出の戦略・実務コンサルタント。大学卒業後20年以上の間、メーカー・商社・公的機関にて海外ビジネス(主に東南アジア・中国)に従事。東南アジア市場におけるマーケティング・拡販業務を成し遂げた後、大手自動車関連メーカーにて同社中国初の販売会社(ディストリビュータ)を立ち上げ、人事・財務・企画等の管理部門の統括などを歴任。その後、食品/アルコール・伝統工芸品・医薬品/医療機器など多岐に亘る業種のアジア市場開拓支援を経て、2018年にKJグローカル経営事務所を設立。現在同社代表。

2024年の旧正月は2月10日。旧正月は中国・香港・台湾・韓国・ベトナム等で今も盛大に祝われます。日本では太陽暦の1月1日に正月をお祝いしますので、旧正月に馴染みがありません。そもそも、なぜ旧正月は毎年不規則に変わるのでしょうか?

現在使用している太陽暦が明治6年に導入される前の日本では、月の満ち欠けをもとに季節をあらわす「太陰太陽暦(旧暦)」が使われていました。この考え方では月の満ち欠けの周期である約29.5日が1ヶ月ですので、12ヶ月では354日ほどの長さになります。したがって、毎年約11日(365-354)のズレが太陽暦との間に生じるのです。これを解決するため、旧暦では約3年ごとに「13ヶ月/年」としてそのズレを調整しているのです。旧正月が毎年不規則に変わる理由は、この調整にあるのです。まさに人類が生み出した知恵です。(下記は最近の旧正月日付)

・2021年 太陽暦2/12~

・2022年 太陽暦2/01~ (前年から11日のズレ: 2/12-2/01)

・2023年 太陽暦1/22~ (前年から10日のズレ: 2/01-1/22)

・2024年 太陽暦2/10~ (前年から19日のズレ: 1/22-2/10) ※約3年分のズレ調整後

我々の日本での生活ではあまり意識しない「旧正月」ですが、それを盛大に祝う外国の人々と触れあい・理解し合うには、このような知見が必要なのです。まさに他者の視点の理解と尊重です。

さて、今年の干支は辰年。日本や中華圏をはじめとする東洋において、辰年のシンボルとして想像上の動物「龍(竜)」が当てはめられています。龍は東洋において、神獣および霊獣と崇められている「崇拝の対象」であることはご存じの通りです。では、その龍を英訳すると何になるでしょうか? 多くの方が「ドラゴン(Dragon)」と答えるでしょう。実際、多くの英和辞典でも、そのように訳されています。しかしながら、一般的に西洋におけるドラゴンは、伝承や神話に登場する悪の象徴であり「退治されるべき対象」なのです。我々(東洋人)と西洋人の間では、「龍/ドラゴン」に対して持っているイメージが全く異なるどころか、むしろ正反対と言えるのです。

このように、我々が「当たり前」として認識している「暦」や「龍」も、世界で普遍的なものでは決してないのです。インバウンドや輸出等で外国人とビジネスを行なっていく上で、このような知見は必須項目になります。数年ぶりに年初から自由に海外ビジネスに従事できる2024年。広く、深い知見を持って、異文化の人々と交流してみてはいかがでしょうか?

 

コラムの更新をお知らせします!

コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。