勉強する社長と未来
「あっ、社長!お世話になっております。」
つい先日、とある講演会で知り合いの企業経営者とばったり顔を合わせることがありました。学会や研究会などもそうですが、コンサルタントにとって最新事情を手に入れるこれらの機会は業務上必須の活動です。他方で忙しい経営者にとっては、わざわざ自らの時間を割いて講演を聞きに来るよりも、信頼できるスタッフを替わりに出席させる、あるいはそれこそコンサルタントから咀嚼してもらった情報を得ることのほうが時間的にも負荷が少ないはずですが、少なくない経営者が寸暇を惜しんで講演を聞きに来ます。それは何故なのでしょうか?
実は私もコンサルタントとして、クライアントの経営者には進んで勉強することを強く推薦している口なのですが、そこには一見するだけでは見えない大きなメリットがあるからなのです。
自分で講演会を聞きに行くと、当然の結果として「つまり結論はどうだったのか」という自己反芻がなされます。誰もが皆大筋については大差ない理解をするでしょうが、細部については百人百様の解釈がついて回ります。実はここがポイントで、たとえばそれはコンサルタントであっても同様で、研究会で仕入れた元ネタに、独自の見解や情報をプラスアルファして売り物にしているわけです。
経営者がコンサルタントを使う場合、そのプラスアルファが何なのか、それは自分の自己反芻と比べて何がどう違うのか、その差異は自社にとってカネを払うだけの価値があるのかという情報を、しっかりと見聞きして判断できなければいけないわけです。そのためのベースとなる最新情報を、経営者もまた自らの中に持てることが重要になって来るわけです。
勉強を続けている経営者のアタマの中には、この基準がしっかりと出来上がっています。他方で社会はどんどん変化していますので、アタマの中をアップデートするためにはひたすら勉強を続けていただかなければいけないということが言えます。
新しい年もまた、経営者には是非とも勉強をお続けいただきたいと思います。そしてその情報を生かしながら、本当に経営を助けるコンサルタントを見極めていただきたいと切に思うのです。新年も、どうぞよろしくお願いいたします。
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