成長に必要な「素直さ」とその裏に隠された真実
「南澤さん、あなたのアドバイスを素直に受け入れてみたら、私たちの組織に驚くべき変化がありました。」これは、私がサポートをしている印刷工場の社長からの言葉です。
この社長は、外部環境の変化に対応するため組織を変革しようと取り組んでいましたが、思うような成果が得られずにいました。しかし、私のアドバイスを素直に受け入れて実行したことで、前例のないポジティブな変化を遂げたのです。
このエピソードからも、素直さがいかに重要であるかがわかると思いますが、このようなことはビジネス界においてはよくある話です。素直にアドバイスを受け入れることによって、状況が好転するケースは少なくありません。しかし、実際には素直に受け入れ、それを行動に移すことはなかなか難しいものです。このプロセスは容易ではありません。
特に販売や営業の現場では、素直にアドバイスを受け入れるかどうかが、成果に大きな影響を及ぼします。成長過程にある営業スタッフにとっては、アドバイスを受け入れて実行することが、成長スピードを大きく左右するのです。
実際に、私がこれまで見てきた営業スタッフにおいても、人のアドバイスを素直に聞き入れて行動に移すことができるスタッフの方が、圧倒的に成長が早く成果を出していました。
そして、アドバイスを受け入れるだけでなく、他人の成功例を真似ることも重要です。素直に受け入れてみることが、そうした行動へとつながります。
「まずは試してみる」―この姿勢は非常に重要です。全てが成功するわけではありませんが、試すこと自体に意味があり、決して無駄はありません。試した結果、やらないと判断することと、試さずにやらないことでは、大きな違いがあります。
素直な姿勢で実行に移すことは、シンプルなようでいて、実は非常に難しいのです。しかし、素直に取り組むことで、成果は確実に得られます。ただし、これだけでは成長には限界があります。
ここで重要なのは、素直に取り組みながらも、現状のやり方に疑問を持って、常に改善の余地を探り、より良い方法を模索する姿勢が必要です。こうした姿勢によって、成果はさらに大きくなります。特に、どのように提供するかといったノウハウについてこれが当てはまります。
例えば、営業プロセスにおいて、成功するための方法は常に進化しています。市場の変化、顧客のニーズ、競合の動向など、多くの要因が関わってきます。素直にこれらの変化を受け入れつつ、常に最善の方法を探求することが、長期的な成功への鍵となります。
一方で、基本を忠実に守り、素直に取り組み続けることも重要です。「一万時間の法則」のように、一定の期間継続することで能力は飛躍的に向上します。取り組みを早々に断念せず、基本を忠実に継続することがここでは鍵となります。
ここで続けるイメージをスポーツで例えるなら、ランニングや筋トレと同じようなものかと思います。料理人であれば「玉ねぎの皮むき」です。スポーツや芸術などの分野でも、基本技術の継続的な練習が最終的に高い技術や創造性を生み出します。ビジネスにおいても、日々の基本業務を忠実にこなすことが、長期的な成長の基盤となります。
このように、素直さと継続力を組み合わせることで、成長は加速します。そして、取り組む内容に応じて、素直に取り組みながらも改善を重ねるのか、あるいは継続するのかを見極めることが重要です。
具体的には、読む、書く、話すなどの基本動作や、基本的な活動についてはとにかく基本を忠実に続ける必要があります。そして、どのように提供するかなどの商談技術やノウハウに関しては現状のやり方に疑問を持って、常に改善を続ける必要があります。
疑いながら改善を試みるか、あるいはひたすらに継続するかは、取り組む内容によって異なります。方法論やノウハウに関しては、常により良い方法を探求しながら素直に取り組む必要があります。一方、能力開発のような分野では、長期的な継続が必要です。
このように、素直に取り組むことは大切ですが、それだけでは不十分。常に改善を続ける姿勢や継続する強さが、成功の裏に隠された真実なのです。
素直さの本質とは何か? 素直さとは、外部からの意見や新しい情報を開かれた心で受け入れ、それを自らの行動に反映させる能力を指します。これには、固定観念を捨てる勇気と、新しい試みに挑戦する柔軟性が必要です。成功例を真似ることも素直さの一環であり、他人の経験から学ぶことで、自らの道を拓くことができます。
そして、それだけでなくその中間も多く存在することもまた事実です。つまり改善を続けながらひたすら続けることです。ここが難しいところではありますが、だからこそ成長に向けての戦略が重要となります。
素直さと継続力は、個人の成長だけでなく、組織全体の発展にも不可欠な要素です。これらの要素を組み合わせることで、どんな状況下でも柔軟に対応し、持続的な成長を実現できるのです。
貴社では、素直に取り組む風土が根付いていますか?また、継続的な改善や成長を促進する組織風土は構築されていますか?何を継続すべきか、その明確な方向性が定まっていますか?
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