イベントにBS企画書が必要な理由
ある建設資材商社の社長は、ショールームイベントを定期的に開催していて、そのたびに大勢の顧客(ユーザー)を集客していますので、メーカーに対し鼻高々です。商社ですので自前のショールームはありません。メーカーのショールームを借りてイベントを開催しています。
メーカーの方も、定期でショールームを活用してくれるのですから願ったりかなったりです。メーカーは来館者を多く集めることが目的の一つですので、それでいいのです。
この場合、来館者が多ければ多いほどいいわけですから、集客方法に迷いはありません。簡単です。来館特典として豪華景品を出せば、景品目当てに集まってきます。
ただ悩みとして、売り上げにつながっていないのではないかという、そういった疑問を常に抱えながら開催していることです。そうです、ただ何となくイベントを開催しているのです。
これはショールームイベントや展示会を開催する企業に多く見られる傾向です。普段はキッチリと売り上げ、仕入れ、経費管理していても、いざイベントとなると急に大雑把になります。お祭り気分になってしまうのでしょう。「だからイベントやっても儲からないのですよ!」と、口を酸っぱくして申し上げているのですが、届かないところには届かないものです。
さて「それではどうするべきか?」ということになります。
答えは、イベントの企画立案をすることです。イベントは企画勝負だからです。企画をしないから大雑把になるわけで、きちんとした企画をすれば、そうはなりません。目的、目標(売上、利益、利益率、コスト、集客人数等)、手法、役割分担を決め、イベントが終わったらそれを検証すべきです。
そのために必要なものがあります。「BS企画書」です。「ビジネスショールームイベント企画書」の略で、当社が長年をかけて体系化した企画立案ノウハウです。
冒頭の社長に「イベントは企画勝負ですよ」「本物の見込み客を集客しないと意味ありませんよ」と、立ち話程度に話したところ、なんと!見よう見まね(?)でやってみたそうです。ところが、残念ながら何の成果も出なかったと。それどころか集客数が減ってしまい、ショールームを借りているメーカーと気まずい雰囲気になってしまっとのこと。
そりゃあそうでしょう。これまで何でもかんでも集客してきて、いきなり本物の見込み客のみを集客する方向に転換したものですから、集客できないのは当たり前です、それでメーカーとの関係が気まずくなったとしても、無理のない話です。
特に、メーカーのショールームを借りてイベントを行う場合、何の目的でイベントを開催するのかメーカー側とよく打合せし、理解しておいてもらわなければなりません。当社がおススメする開催方法は、単なる集客数を目標にしていないからです。目標としているのは本物の見込み客の集客数、契約数、売り上げ、利益率、利益額だからです。
したがって、いろいろやってみることは否定しませんが、そんなに簡単に実行性のある企画ができるものではありません。集客から契約までの導線もできていない状態ですし、見よう見まねで出来るものではありません。まあ、それが分かっただけでも一歩前進と言えるかもしれませんが。
イベントを開催するときは、必ず企画立案してください。そうでなければこの会社のように、何か「ふわっと」始まって、「ふわっと」終わってしまいます。企画立案ができていれば、なぜうまく行ったのか、なぜうまく行かなかったのかの検証ができます。この検証が重要です。
これまで多くの企業をご指導してきましたが、企画と言っても、単にイベントを計画しただけの企画立案に終わってしまう企業がほとんどです。単なる企画は「準備」です。準備することは大切ですが、準備してもその通りに行くとは限りません。イベントを成功させるには「ショールームイベント戦略」が必要です。それのベースになるものが導線設計というわけです。
ショールームイベントや展示会を開催している経営者の方は、イベントの企画を立案してください。イベントは企画勝負だからです。その企画は、計画ではダメですよ。ショールームイベント戦略でなければ!
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