大規模合同展示会では、なぜ効果が出ないのか? 効果が出る展示会のやり方とは
「ウチはねえ、この通り、差別化が難しい食品の卸売会社なんですよ。だから、こうやって展示会に出展して会社をPRしてるんですけどね…」
東京の、ある有名な大規模展示会場に視察に行ったときに、出展者がこんな話をしていました。仕事の関係上よく視察に行くのですが、出展しているだけで、業績にあまり効果がなさそうなのが残念なところです。
「効果ありますか?」と、そのような質問をいろいろな出展者にしてみるのですが「さあ~、どうでしょう?」とか「毎回出てますから」とか、そのようにお答えになる方が大半なのは事実です。要するに、効果は無いけれども、習慣的に出展している企業が多いということです。
それで、なぜ効果がないのか考えてみることにします。様々な要因はあるでしょうが、主に以下の4つが考えられます。
1、他者に集客を依存している
合同展示会の場合、自社で集客しなくても、展示会主催者が集客してくれることが最大のメリットです。しかし、それは最大のデメリットでもあります。
出展者は与えられたブースに展示品を並べ、来場者を待ち構えているだけで済みます。ブースの前を通りかかった来場者にパンフレットやチラシ、試供品を手渡して「お願いします」。それで終わりです。一応PRにはなったという自己満足しかありません。
これで業績に効果を出そうという方が間違っています。特に中小企業のB2Bビジネスの会社にとっては、かなり無理があります。そもそも、楽をして集客しようという考え方が間違っています。
2、差別化できない
冒頭の会社のように差別化が難しい製品を取り扱っている場合、製品自体で差別化できないのですから、営業活動とか販売活動で差別化しなければなりません。他社とは違った売り方をすべきです。ところが合同展示会では、その方法について来場者に理解してもらうのはかなり困難です。
形のないサービスの品質を理解してもらうには、じっくりと説明する必要がありますが、あちこち見て回りたい来場者を狭いブースにつなぎ留めておくのは難しいでしょう。そうすると、意味のない展示会出展になってしまいます。
3、会場に制約がある
合同で展示会に出展しているわけですから、何かしらルールがあります。分かりやすいのが時期、期間、時間、場所でしょう。いつの時期に、何日間で、何時から何時までといった具合に決められています。
そして最も影響が大きいのが会場内の場所です。広い展示会場の中央付近は人が集まりやすいですが、隅の方は人の流れが悪く集まりにくいという特徴があります。主催者の小間の割り振りにもよりますが、当然、中央付近の場所は出展料が高くなります。「いい場所は金額が高い」。これもルールでしょう。
仮に、高い出展料を支払って中央付近の場所に陣取り、それに見合った効果が現れるか?「現れるだろう…」では、ビジネスになっていません。
4、展示会テーマがあいまい
合同展示会のテーマは、あいまいです。理由は最大公約数だからです。多くの出展者を集めなければなりませんので、テーマを本当の意味で絞れないのです。テーマがあいまいであれば、自社にとって本当に来てほしい見込み客が来場するとは限りません。
多くの来場者の中から、自社にとって本物の見込み客を探し出すのはかなり困難です。本物の見込み客を見つけられなければ、商談にもなりませんし契約にもなりません。これで効果と言っても無理な話です。
以上、4つご説明しました。それでは展示会で効果を出すには、どうすれば良いかです。
簡単に言えば、上記の逆をすればいい事になります。そうです、展示会を自主開催するのです。自主開催であれば、好きな時期に好きな期間だけ、また好きな時間に開催できます。また展示会会場は自社を使えば、いつでも開催できるし時間に制限がありません。
そして詳細な展示会テーマを決め、本物の見込み客を自己集客するのです。この時に「三種の仕掛け」をしかけてください。そうすれば、たとえ製品で差別化できなくても、この仕掛けで差別化できます。
展示会は自主開催してください。大規模合同展示会に出展するのがいいわけではありません。自主開催であれば、小規模でも効果のある展示会を開催できます。
あなたは展示会をどのように開催していますか? 自主開催ですか、それとも合同展示会に出展していますか? せっかくなら効果の出る展示会にしたいですね。
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