本来、社長はヒマになるべきである
コンサルタントとしてクライアントとお付き合いしていると、社長族には二通りの属性があるらしいことが分かってきます。ざっくりと言ってしまえば、忙しい社長とヒマな社長の違いなのですが、前者はアポを取るのも難しく、イベントへの参加も分単位だったりします。祝日は平日が潰れるので勿体ないと言い、地方での懇親会があっても宿泊はせず、極力その日のうちに移動しようとします。
後者は研究会や展示会などにもしっかりと時間を取って参加されますし、海外視察などにも積極的に出かけています。ヒマだからと言ってボーっとしているわけではなく、それなりに時間を活用しているのですが、いつも時間に追われているという体ではありません。
実は前者にも二通りあるらしいことが見えてきたのですが、恒常的に忙しい社長と、一過性の理由で忙しい社長がいるということです。一過性の理由はたとえばM&Aや新規事業の陣頭指揮などが該当します。買収後のPMI(Post Merger Integrationの略。事業体としての融和プロセスのこと)や新規事業向けの組織作り・人材育成など、一定期間に発生する仕事で忙殺されるというパターンは、ある意味で社長なら避けて通れない要素があります。
そうなると、このような時期を如何にスムースに乗り切るか、が課題になってきます。よくある対策はプロジェクトチームによるサポートだったりしますが、今日お伝えしたいのは恒常的に忙しい社長についてのお話です。こちらもやはり対策としては組織作りが主になります。その間も仕事を休むわけには行かないので、ちょっとの間ではありますが更に忙しい日々が生じます。
その間に、組織を設計して人をはめ込むという作業をするわけですが、組織を作るためには適任者の確保が何より重要なのですが、中小企業の場合、社内にはそのような人材が十分にいないというケースも珍しくありません。対策は「外から取る」あるいは「育てる」しかありません。
転職市場はかつてないほど充実しており、最近では中堅から幹部人材まで、オンラインによる転職斡旋が普及しています。
また幸いにも、最近の学生さんたちはすぐに結果が出る仕事をさせてもらえる職場を高く評価する傾向があります。だとすると「育てる」にかかる時間もある程度短縮して考えることが可能になることが期待できますし、IT技術の進展で働き方などもかなり柔軟に設計できるようになってきました。
そうすることで、ヒマになった社長がやるべき仕事は「次の飯ネタ」を見つけることです。事業環境が刻々と変化する中で、果たして10年後、20年後の会社がどうなっているのか。それをしっかりと考えるための時間をひねり出すために、そもそも社長はヒマでなくてはならない。その実現をお手伝いするのがコンサルティングなのです。
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