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「理念も利益もどちらも大事」は本当か?

SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所

代表取締役 

経営革新コンサルタント。イレギュラー対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特別ビジネス」をつくりあげる専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

先日、経営者の方々と対談する機会があったのですが、その際に「ロマンとソロバン、どちらが大事か?」という話題が出ました。

ロマンは理念、ソロバンは利益を意味するわけですが、この問いに対するよくある答えが「どちらも大事だからうまくバランスを取ることが大事だ」というものです。

私はこの答え(というか議論そのもの)に昔から疑問を持っていました。というのも、理念の追求と利益の追求は「どちらを取る」とか「どちらも取る」ということではなく、「どちらも同じこと」だからです。

なぜ同じことかというとその理由はシンプルで、めちゃくちゃ儲けようと思ったら、めちゃくちゃ高い理念を持ってないと無理なんです。

私は本やセミナーで「利益3倍化」と謳っていますので一見「利益偏重型」に見られがちですが、3倍も儲けようと思ったら顧客以上に顧客のことを思うぐらいのレベルで顧客貢献を考える必要があります。理念即ち利益、利益即ち理念なのです。

ここで、「やっぱり理念かー、そうだよな。よしっ!そろそろうちもコンサル入れてかっこいい理念を作るか!」という社長は終わってますので論外です。そもそも、抽象的な言葉がならんだふわっとした理念(ミッションもビジョンもパーパスも同じ)はブランディングにはいいかもですが事業変革には直結しません。

もっと具体的に考える必要があります。世の中に溢れる既存の商品やサービスで果たしてお客様は幸せなのかと。もっとよき世界があるのではないかと。そんな思いが自社を「特別化」させる出発点となります。

たとえば散髪屋が普通にチョキチョキとカットするだけなら単価は3500円程度しかつけられませんが、もっと顧客のことを本気で考えたらいろんな切り口が見えてきます。

お客様にもっとリラックスできる時間を味わってもらいたいと思ったら、ブースを個室にしたり、癒しのメニューを充実させる道があります。

お客様をもっとかっこよくしてあげたいと思ったら、髪を切るだけでなくファッションのアドバイスをしたり似合う服を選んで販売したりもできます。

遅くまで働いている人に来てもらいたいと思ったら夜中3時までやっている店にしてもいいです(実際に日本橋と神田にありますが、黒服のお兄さんでいっぱいです笑)。

上記はBtoCの例ですが、もちろんBtoBでも顧客にとって特別な存在になり同業他社より数倍儲かる事業をつくる切り口はたくさんあります。

大事なことはその方法論もさることながら、どこまで深く顧客貢献に踏み込むかという覚悟であったりワクワク感であったり世界観であったりと、結局想いがないと話にならないのであり、そこを押さえていないと理念も利益もどっちも取れないことになります。

要は自分ごとと思って顧客に本気で関われば自然とリターンも大きくなりますよ、ということですね。

 

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