見えない知的財産を「見える化」するとは?
以前、とある会社の社長と面談をしたときのお話です。
その会社は、展開しているビジネスについて独自のビジネスノウハウを保有しており、販売している商品についての特許も抜けなく出願している会社ですが、他社にビジネスノウハウを模倣され、市場を荒らされることに非常に危機感を持っておられました。
私からは、「ノウハウをちゃんとマニュアルや書面の形で見える化し、オリジナルであることを証明できる形で残すとともに、オリジナルであることをちゃんとアピールする」ことを申し上げました。
上記は、ノウハウの見える化に関することですが、ノウハウに限らず知的財産を「見える化」することは非常に大切なことです。
なぜか?
知的財産は、本来土地や建物のような、見える資産ではありません。
しかし、そのような「見えない資産」にこそ、その会社を支えている経営の源泉になっている場合も少なくありません。
特に、中小・零細企業の場合、大企業の攻勢をかいくぐり、独自の技術・販売手法等を開発している会社は、「見える資産」より「見えない資産」の方が重要度が高いことは明らかですね。
でも、それを、「見えない資産」だからといって見えないままにしておくと、他社(他人)はおろか、自社でさえもその価値に気付かないまま、日々の作業に追われてしまうことになってしまいます。
「見えない資産」だからこそ、「誰にでもわかりやすい」形に変換して、「見える」ようにしないといけないのです。
「見せ方」にはいろいろあります。グラフ、表、マップ、言葉、・・・正直、「見えない」ものを「見える」ようにし、それをさらにわかりやすい形で「見せる」ようにするには非常に多大な労力と手間がかかります。
それでも、あえて取り組む価値があると私は断言します。
特に、ライセンス収益を獲得するためには、この「見える化」は避けて通れません。なぜなら、ライセンスを受けてもらう会社(人)に、対象となる知的財産の価値を充分わかってもらわないといけないからです。
この「見える化」ができてこそ、知的財産の活用へのステップを踏み出せるようになるのです。
皆さんは、「見えない重要資産」を「見える化」していますか?
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