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ゴール奪取の近道とは? ~愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ~

SPECIAL

東南アジア進出コンサルタント

KJグローカル経営事務所

代表 

国内企業向けの、東南アジア市場進出の戦略・実務コンサルタント。大学卒業後20年以上の間、メーカー・商社・公的機関にて海外ビジネス(主に東南アジア・中国)に従事。東南アジア市場におけるマーケティング・拡販業務を成し遂げた後、大手自動車関連メーカーにて同社中国初の販売会社(ディストリビュータ)を立ち上げ、人事・財務・企画等の管理部門の統括などを歴任。その後、食品/アルコール・伝統工芸品・医薬品/医療機器など多岐に亘る業種のアジア市場開拓支援を経て、2018年にKJグローカル経営事務所を設立。現在同社代表。

愚者は「経験」に学び、賢者は「歴史」に学ぶ。19世紀に活躍したドイツの宰相ビスマルクの言葉です。「何かを判断するとき、自分の経験頼みにならず、他者の知見に学ぶことでより良い判断ができる」という意味です。

今月(10月)は気候もよく、多くのスポーツイベントが開催されています。サッカーやラグビーなどのメジャースポーツにおいて、チーム最大の目標は「ゴールを奪取し、相手よりも多く得点を挙げること」です。その目標達成のために、近年は極めて多くの客観的なデータが収集・分析されています。例えばサッカーにおいては、IT技術を駆使して「パスの本数」・「パスのコースや成功率」・「シュートの決定率」などを【専門のアナリスト】が収集・分析。このアナリストのデータを基に、対戦相手との試合に向けた綿密な戦略が練られています。また、ラグビーのスクラムにおいては、相手チームのスクラムの特徴を【専門のスクラムコーチ】が客観的に把握。分析したデータを基に各選手がどのような動作を採れば、相手の力を弱めることができるか?について綿密に計画されています。膝の位置を「1cm単位」で調整するほどで、自分たちのチームの力を最大化してゴール(トライ)に迫っているのです。

このように、メジャースポーツの世界において、「プロフェッショナルである他者の知見」なしには効果的なゴール奪取ができない時代に入っています。この「専門的な知見」の獲得には、自らのチームや個人の経験値だけでは遠く及ばない「無数の客観的なデータの収集と分析結果の蓄積」が必要であることは言うまでもないことです。長い年月を懸けて多くの事例を目撃・分析・熟慮してきた専門のアナリストやコーチの存在がなければ、無駄な試みや誤った戦略を採用してゴールを奪うことは難しい時代なのです。

この実情は何もメジャースポーツに特有のものではありません。皆さんが従事・支援されているビジネスに関しても同じことが言えます。当事務所にも、「根源的には『ほぼ同じ』相談」がこれまで多々寄せられてきました。当然ながら、個別情報は伏せたまま、過去の経験で得たノウハウは「即効薬・特効薬」になるケースが多いのが実情です。

「専門的な知見」はビジネスにおいても、皆さんの貴重な時間と資金を無駄にしません。自己の限られた「経験」だけでなく、数多い実例に基づいた客観的な「歴史」を重視すること。それが、限りある資源で効率的にゴールを目指すために必要です。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。ビスマルク宰相の言葉は現代のビジネスにも通じる格言なのです。

 

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